アイヌ刺繍のテクンペ(手甲) | ピリカモシリ Pirika Moshiri

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アイヌ刺繍の作品をご紹介します。
令和元年にアイヌ伝統工芸家に認定されました。
I post my Ainu embroidery works.
I was authorized as an Ainu Tradithional Craftworker in 2019.

北海道には雪が降りました。
手稲山。
すぐ融けちゃいましたけど。

でも手袋を穿くほど寒くはありません。
そんなとき、アイヌのテクンペが重宝します。

寒さは人間の心までも冷えこませるものですが、寒さが忍び寄るこの時期、「テクンペとともに暮らせる」と思うと心はウキウキするのです。



テクンペはアイヌの手甲です。
アイヌ語で「手にあるもの」という意味です。
tek = 手、手首
un = 〜にある
pe = もの

昔、アイヌの若い女性たちは刺繍や仕立ての修行の一環としてこのテクンペを製作したそうです。
小さいけれど細かな技術を必要とするテクンペ製作の中で刺繍の基礎とデザインと工夫することの楽しさを学んでいったのだろうと思います。

 
青い糸はクイクイルウ kuykuyruu という名前のステッチです。
樺太の刺繍によく見られるステッチです。
ですから北海道アイヌの言葉の「クイクイ=よく噛む」ではなく、「クイクイ=シギの仲間」と訳すのが順当です。
つまり

クイクイルウ = シギの足跡



デザインは北海道博物館に所蔵されている樺太アイヌの文様です。
男女兼用です。


土台布はデニムです。
ですからデニムシャツはもちろん、和服、ツイード、革ジャンなどカジュアルファッションなら何でも似合います。


手染めの刺し子糸(浪漫屋)を使用しています。
色が不規則に変化し、まるでステンドグラスのようです。


裏にはインドネシアの更紗を用いました。
するすると滑らかで、肌触りは抜群です。


手首に2回巻き、ループに2回潜らせます。


指留めはダンス衣装用の織ゴムです。
びよ〜〜んと伸ばしてゴムを外して手を洗うことができます。
これね。


【素材】
土台布:デニム
裏布:更紗(木綿)
腕の布:木綿
縁とストラップ:書生絣
糸:刺し子糸、絹糸
乳(指のループ):ダンス衣装用の織ゴム

【サイズ】size
手首の周囲 14cm〜20cmに適応


【オプション】
プラス800円で腕時計を取り付けます。
スナップで留めるタイプですので、腕時計を取り外してテクンペの洗濯が可能です。


売れちゃいました。
お声をかけていただければまた作ります。


ここで売っています。