G1の開幕戦をCSチャンネルで観戦した。
もう米国だからどうというのはなく、完全にデキ上がった観衆の中、普段通りの、いや普段以上の激闘が繰り広げられたと言っても過言ではないだろう。
懸念されたタマ・トンガ&タンガ・ロアの兄弟も違和感なくオープニングマッチを飾っていたし、成田蓮&海野翔太のヤングライオンも伸び伸びと闘っていた。
前哨戦としては、やはり石井智宏が目立った。ジェフ・コブとの意地の張り合いは目の肥えたアメリカン・マニアをもうならせたろうし、身体の大きさをものともしない気迫には改めて感心させられる。
公式戦では「SANADA vs ザック・セイバーjr.」が面白かった。私的ベストバウトかな、
あくまでも自分を貫き、次から次へと関節技を仕掛けるザック。そのザックの領域で付いて行こうとするも、次第に手詰まりとなり、立体戦に広げていくSANADA。
ハイライトはパラダイス・ロックを巡る攻防となるが、まさかロープを使って成功させるとは。SANADAのプロレス頭は凄すぎる。
開幕戦に勝利した選手の優勝確率を考えると、当ブログの予想に早くも黄信号が灯し出したが、SANADAにはもっともっと楽しませてもらいたい。
再注目の「KENTA vs 飯伏幸太」は、スリリングな一戦とはなったものの、試合勘(ブランク)の問題か、G1仕様に増量したからか、KENTAの動きにキレが無く、期待値以上とはならなかった印象。
放送席で真壁刀義も指摘していたが、飯伏の動きは技の繋ぎを含めて一切の無駄がなかったが、KENTA はまだ迷いが見えた。
連戦をこなすごとにこなれてくるとは思うが、米国だからと意識的にやっているのか、WWEでの5年間での“癖” なのか、観客へのアピールが激し過ぎるきらいがある。
技を一つかけるごとに手を広げてアピールしていたら、生き馬の目を抜く新日本マットでは命取りになりかねない。米国だから、あえてやっていただけだと思いたい。
その他の試合も激戦だった。
ウィル・オスプレイは、ランス・アーチャーというスーパーヘビー級相手に堂々と勝負を挑んだ。体格だけでも“反則” なランスに「ジュニア戦士」として“あと一歩” まで攻め込んだのだから、オスプレイは誇っていい。
この闘いぶりで、次のスーパーヘビー、バッドラック・ファレには勝つと見た。
そのファレに真っ向から挑んで玉砕したEVILも天晴れだった。オスプレイとは逆に、ランスには勝ちそうな予感が・・・。
そしてメイン、「オカダ・カズチカ vs 棚橋弘至」は安定の試合内容に唸るしかなかった。
過去の試合とは違い、今はパートナーとも言える関係になってしまったため、更に上のレベルに上がるのはさすがに難しいが、時間切れでなく、「決着を付けた」ところに新日本プロレスの意地を見た気がする。
棚橋のコンディションが厳しさを増す中、21世紀版「名勝負数え歌」をまだまだ観ていたいものだ。
ということで、公式戦9試合×2ブロックということを考えると、「たかが1試合」だが、「されど1試合」。 Aブロックの状況が垣間見れた素晴らしい開幕戦だったかな。