謝罪しろ!に韓国BTSファンの反応は②日本の残酷さをアピール

 

アメリカのユダヤ系人権団体「サイモン・ウィーゼンタール・センター」が、BTSと所属事務所は日本人とユダヤ人に謝罪するよう要求した。

その団体のツイッター・アカウントにはこんな投稿がある。

 

原爆犠牲者をあざける(バカにするような)Tシャツのために、日本の音楽番組への出演を取り消されたバンド(BTS)が、ナチスのシンボルを身につけてポーズをとったりコンサートで旗を振っていた。

それに対して韓国人ファンは、BTSを守るためにネットでいろいろな活動を展開している最中だ。
前回は「否定」や「すり替え」について書いたから、今回はパート2。

 

世界に「日本の歴史蛮行を海外に知らしめる(朝鮮日報)」という活動、いわゆる「ディスカウント・ジャパン」。

韓国による国際社会における日本の価値や評判を下げて、日本の地位失墜をめざす運動のこと。

ディスカウントジャパン運動

 

まずはハンドルネーム「Jane」さんの書き込み。
*この人は韓国人か韓国系の人で、これから出てくる人も同じ。

Unit 731 conducted lethal experiments on an estimated 3,000 prisoners, who were mostly Chinese and Korean.
According to historical accounts, male and female prisoners, named “logs” by their torturers, were subjected to vivisection without anaesthesia

 

やっぱり持ち出してきたか、731部隊。
韓国人が世界に日本の残酷さをアピールするとき、よく731部隊をつかう。

くわしいことはこれをどうぞ。

満州に拠点をおいて、防疫給水の名のとおり兵士の感染症予防や、そのための衛生的な給水体制の研究を主任務とすると同時に、細菌戦に使用する生物兵器の研究・開発機関でもあった。

731部隊

 

731部隊は人体実験をしたと言われている。
でも、「~とみられる」「~という」といった記述が多くて、何が事実なのか分かりにくい。
731部隊があったことは間違いないし、否定できない。
でもその具体的な活動内容については、「資料がない」ということで日本政府は認めていない。

 

ただ韓国人の言う歴史には、事実(ファクト)に想像(フィクション)をまぜた「ファクション」がよくあるのだ。

その代表的な例が慰安婦問題。
慰安婦は実際にいた。
けれど、それに「強制連行、性奴隷、少女が慰安婦にされた」という想像を加えて歴史の事実を創造する。
これらはすべて日本政府に否定されている。根拠がないから。

韓国の言う事実はまったくのデタラメではなくて、それにフィクションを加えたものが多い。
だから、事実と想像の区別がむずかしい。

 

では改めて、Janeさんの書き込みを見てみよう。

「estimated 3,000 prisoners」と、731部隊の犠牲者は3000人になると書いている。
たしかにその説もあるのだけど、多くても700~800人という説もあるのだ。
そしてその実態は、日本政府が認められるような正確な資料はない、という状況。

「数の問題ではない!」という感情論ではなくて、歴史なら正確さにこだわらないといけない。
相手に「日本人は残酷だった」と印象づけることが目的なら、記述はいい加減でもいい。

「were subjected to vivisection without anaesthesia」と、麻酔なしで人体を解剖したとあるけど、この根拠はなんだろう。

実際のところ、731部隊のことはよく分からないのだ。
日本政府すら把握できていないのだから、一般人が知ることは不可能だ。
個人的には、残酷な行為があったとは思う。

 

 

次は「BTS 사랑해요」さんの書き込みだ。
この人は「watch this video please」と、ある動画を見るようすすめている。
もちろん「となりのトトロ」ではない。

Also here a video
This is quite long like 23 minutes
After 16 minutes come out
Japan how to act past war. Check
Truth history what Japan do

日本が過去に行ったことで、これが真の歴史という。
でも、そのタイトルが「(日本は)被害者を演じている」ということからして、真実とはかけ離れていそうだ。

 

 

「日本の歴史蛮行を海外に知らしめる」という、まさに圧巻のディスカウント・ジャパン。

この動画では映画「アンブロークン」を取り上げて、日本人が残酷に見えるシーンを切り取っている。

でも、この映画も内容に「問題アリ」とされて、物議をかもしたものだ。

Change.orgでは映画の公開中止を求める要望に1万を超える署名が集まり、「史実を世界に発信する会」事務局長の茂木弘道は英『テレグラフ』紙に「完全な捏造だ」「この映画は全く根拠がなく非道徳的だ」と語った。

これを受け、オランダ領東インド人の末裔で構成される団体「The Indo Project」は在アメリカ合衆国日本国大使館に宛てた公開中止の阻止を求める要望書をChange.orgで発表し、オランダの著名人から賛同が集まった。

不屈の男 アンブロークン・日本での公開

 

「BTS 사랑해요」さんは「After 16 minutes come out」と、16分から見てほしいと言う。

じゃ、と思ってみてみたら「バターン死の行進」が出てきた。

第二次世界大戦中、フィリピンのバターン半島で、多くのアメリカとフィリピンの兵士が日本軍に投降した。
その捕虜を歩いて収容所に移動する際、多数の人が死亡した。
これを「死の行進」と言った。

くわしいことはここを開いて見てください。

全長は120kmで、もともとはその半分弱は鉄道とトラックで運ばれる予定であったが、計画を立てた当初の捕虜の予想数と、実際の捕虜の数に多く違いがあり、結局100kmを超える距離を難民と捕虜は歩かせられた。

バターン死の行進

 

「バターン死の行進」については、大学で歴史を学んでいたアメリカ人と話をしたことがある。
彼の見解はこうだ。

これはとても悲劇的な出来事だ。
でも裁判が開かれて、責任者は絞首刑にされている。
だから、過去の歴史だ。
このことを忘れたり否定したりしなければいい。

このアメリカ人はこのことで、日本をまったく憎んでいない。
その態度はアメリカ政府も同じ。
バターン死の行進について、いまの日本に謝罪や賠償を求めていない。

ディスカウント・ジャパンのため、日本人の残酷さを世界にアピールするために、この出来事を利用することは間違っている。

 

 

こんな動画をすすめた「BTS 사랑해요」さんは、こんなことも書いている。

I did not blame Japan. I do not hate Japanese. I work with them before. They were kind to me. I just want to make sure.

私は日本を責めるつもりはない。日本人は嫌いではない。彼らと働いたこともある。彼らはとても親切だった。私はただ、事実を確認してほしいんだ。

これも韓国人あるあるですよ。
「悪いのは日本政府で、一般の日本人でない。彼らは礼儀正しくて、私は大好きだ」というパターンもよくある。

ドメスティック・バイオレンスで、殴ったあとに相手を抱きしめるようなもので信用はできない。

さて、韓国人BTSファンの反応は次回も続きますよ。

 

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。