タシケントからサマルカンドまで利用した超特急アフラシャブ号は,2016年に中部の都市ブハラまで延伸されました。
今回はサマルカンドから再びアフラシャブ号に乗ってブハラ・ハン国の都として栄えたブハラへ向かいます。朝,2日ぶりのサマルカンド駅へ。
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サマルカンド駅は管制塔みたいな時計塔もあって,さながら空港のように立派。時計塔のデザインがウズベク国旗を思わせる色使いなのと,地味に時計の針が電光掲示になっていたのが印象的でした。
駅舎もなかなか重厚そうな作りですが,入口は相変わらず端っこの小さい検問なので,正面から駅を見上げることはできません。
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構内は土産物屋,軽食屋,両替などがあるほか,至るところに政府の鉄道事業を称える展示や掲示物があります。鉄道の近代化は政府の偉大な業績となっているようです。
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タシケントから来たアフラシャブ号は,砂漠のようで砂漠でない荒野を駆け抜けていきます。
スペインのタルゴは中東サウジアラビアにも輸出されていますが,当地では砂が溜まり過ぎてすぐに運行できなくなってしまう致命的な問題を抱えていると報道されています。ここウズベクではそのような話を聞かないので,やはり砂が舞うような純粋な砂漠ではないということですね。まあ見りゃ分かりますが…。
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そうして列車はブハラ駅に到着。やはりタシケント,サマルカンドと比較すると駅が小さくなっています。途中駅は完全にモンゴルやロシアの田舎駅といった佇まいで,そこを高速鉄道が通過していくわけですから,できることなら外からその様子を眺めたかったなと思う次第です。
列車は相変わらず常にマックススピードというわけではなく,おおかた160km/h程度の走行でした。



さて,ブハラ駅はやたら街の中心部から離れているのでホテルまではタクシーなり車で移動することになるはずです。
ブハラは中心に網目状の旧市街が存在し,それを取り巻くように区画の整った新市街が広がっていきます。観光客が訪れるのは基本的に旧市街であり,ホテルもそこに密集しています。ホテルに荷物を預けたのち,すぐ近くの飯屋に直行。アフラシャブ号で軽食が何も出なかったんですよね。。
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こちらは中央アジアの餃子「マンティ」。めっちゃうまいです。
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前の日は中央アジアのチャーハン「プロフ」も食べました。
こちらもうまいのですが,ヒタヒタに使っている油が日本人には消化できないという噂があり,結構お腹を壊される方も多いようです。私は意味わからんゲテモノ油そばで日ごろから腹を鍛えているので無事でした。


それでブハラをひととおり観光したわけですが,実際にウズベキスタンに行かれる方は某歩き方をお持ちになられる場合が殆どだと思われ,このブログで観光スポットを紹介するものでもないでしょうから,個人的に好みだった景点だけをいくつか写真で貼っていきたいと思います。
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ラビハウズは旧市街の中心にある池で,観光するならここが起点になるでしょう。
まさにシルクロードのオアシス都市を象徴するような場所でもあります。
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日が沈むと噴水が吹き出し,ライトアップされます。
岸にレストランがあって,そこでエモい食事を楽しむのが最高です。ちょっと高価格帯にはなりますが。
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旧市街は新しい建物も景観を損なわぬように建てられているので,どこを歩いてもこんな感じです。逆に,古い世界遺産の建築物を観光客が喜ぶよう小綺麗にリノベしてしまっているケースもあって,世界遺産の保全について正しく理解されているのかなという懸念も残るところです。
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こちらはカラーン・モスクとカラーン・ミナレット。
現役のモスクなので,お祈りの時間には観光客の入場が制限されます。このミナレットは登ることはできませんが,「死の塔」と呼ばれるようになった塔にまつわる伝説に思いを馳せるのもよいのでは…?
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これはチョル・ミノル。4本のミナレットという意味です。
旧市街の,住宅街と呼んでも差し支えないような場所に佇んでいて,路地を歩いていると突然現れます。観光客や現地人で賑わう旧市街の中心地とは異なり,やはり静かに「佇んでいる」という表現が適切そうな,美しいミナレットです。


ブハラ郊外には,バハウッディン廟と呼ばれる中央アジアにおけるイスラム教の聖地が存在します。
新市街のバザールの表通りに中型バスやミニバスが大量に押し寄せているので,そこからバハウッディン廟に行くバスを探します。某歩き方では66番となっていましたが,私は60番に乗りました。
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こんな感じで並んでいるので「バハウッディン・ナクシュバンド」って書いてあるバスを探し出して運転手さんに確認してから乗り込みます。乗車賃は1000スムなので日本円で14円ほどです。
ウラジオストク行ったとき,吹雪のなか駅まで何キロも行軍するのは無理っしょってことでバスを探すも,一向にヴァグザールって書いてあるバスが見つからなくて運転手さんに聞くも通じず・・・っていう事態を思い出しました。

途中のバス停で現地民を降ろしながら,やがて綺麗な直線道路に出て到着。
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人民が静かにお祈りをしており,厳かな雰囲気に包まれていました。
ここは故カリモフ大統領の手腕によって整備された聖地のようで,廟自体も綺麗だし,周辺地域も力を入れて整備されている印象でした。つまり古いものがそのまま残っているわけではないので観光客向きではなく,まさにその聖なる地で祈りを捧げたい巡礼者のための場所なのだと感じました。
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ブハラ旧市街の喧騒から離れて,その聖なる雰囲気を味わいに訪れてもらいたい場所の一つです。


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