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バトル-121 [高校生バトル-13]

「市の高校生部会はどうなの、活発に動いてるみたいだけどトラブルは起きてない?」
「少し行き違いが有って揉めたみたいだけど、先輩が落ち着かせてくれたと聞いてる。
 僕にそう言った話は振りたくないそうで、解決してから教えて貰ったよ。」
「三郎に頼る子ばかりでないのなら安心ね。」
「各リーダーの意識は高くて、高校卒業後も党に関わって行く事を前提に考えてくれてるんだ。
 各企画も五年計画十年計画なんてのを平気で考えてる、誰がどう繋いで行くのかも意識していてさ。」
「息の長い活動を考えてくれてるのだとしたら頼もしいわね。」
「うん、今まで高校生バトル関連で僕らが提案して来た事はみんなに伝わっているみたいだよ。
 子育てを意識し今後の家族像を親と話し合ってる人もいてね、反抗期を終え積極的に話し合ってとかも聞いてる。」
「単に大企業への就職を目指して学歴を重視すると言う姿勢から変わりつつ有るのかしら?」
「うちの高校は元々そう言う傾向が弱かっただろ、都会に憧れてる人はいるけど家賃とか満員電車での通勤通学を考えたら、たまに遊びに行くぐらいが良いのかもって雰囲気になってる。
 それより、この市をもっと魅力的な市に変えて行く取り組みに参加した方が面白そうだからね。」
「魅力的か…、この町では何が足りないとか、話題になるの?」
「特には出てないよ、普通の高校生が不便を感じることってそんなに無いでしょ、趣味の関係では有るかもだけど。
 そう言った事は、夏休みになったら伊藤党首が引っ越して来られるでしょ、その時息子さんと娘さんに聞けば良いんじゃない、詩織と同じ中学になるんだ。」
「そうね、でも中学生だと尚更不便を感じないかも、集落から中学までは遠く無いしコンビニも有る。
 都会に憧れてる子に訊くべきテーマかもね。」
「うん、詩織が東京から越して来た時は喜んでたぐらいだからな、空が広くて気持ちが良いって。」
「言ってたね、私達にとっては当たり前の風景なのだけど。
 高校生部会ではもっと魅力的な町にと考えてるのでしょ、具体的な提案は出てるの?」
「具体的とは言えないけど、オンリーワンな街並みや道路と言う話は出てるよ、日本中どこへ行っても電柱が有って似た様なチェーン店が並んでるみたいだろ。」
「そうね、でも電線の地中化は費用が掛かるのよ、うちの集落は造成の段階で済ませたから比較的安かったけど、それでもね。
 一応、集落を中心とした再開発計画に沿って、少しづつ電柱の無いエリアを広げて行くけど、全市に拡大するには百年掛かるかもって。」
「予算の問題なんだね、収入源には限りが有るからな~。
 でも、みんなは電柱の無い街を売りにしたいと考えていてね、前に遊びに来た連中がこの集落はすっきりしてて良いって、海外の街並みを映像で見てると電柱の無い所が結構有るし、集落を中心とした再開発エリアだけでも電柱を無くしたいって、観光も意識しての再開発で建物のデザインにも拘ると言う話でしょ。」
「そうは言ってもね…、う~ん、電線地中化の費用を捻出する為だけの企画を考えてみる?
 雅ちゃんの子育て奮闘記は保育所を充実させ、認定こども園を目指す資金源でしょ、それと同様にさ、百メートル分を稼ぐのにどれだけ掛かるか分からないけど。
 でも…、再開発エリアには農地も有るのだから、電柱の無いエリアの面積を強調する事は今でも出来るか…。
 他の市町村に先駆けてアピール出来たら、注目され費用対効果が大きくなると思わない?」
「それって誇大広告と同じじゃないの?
 でも、ミュージカルの舞台にもなってる集落の紹介をするYouTubeチャンネルから始めてみるのは悪く無いかな。
 そこで地中線化の話題を強調し、その為の予算を捻出する案を募集してみても良いよね。」
「高校生部会を動かす?」
「うん、夏休みを利用して撮影を始めて貰おう、でも当分の間は何本かアップして地中線化一ミリ分というレベルだろうけどね。」
「それでも良いじゃない、動かないよりはマシでしょ。
 それに、目的に対して資金集めをすると言う事例を増やして行きたいのよ、お金が無いと嘆く前にね。」
「資金の流れをより明確に出来るから?」
「うん、漠然と稼いで漠然と使われて行くより良いでしょ、寄付するにしても使途を決めておかないと思わぬ使われ方をされかねないわよ。」
「そうだね、会社と党の境界も、もう一度確認しておくべきかな。
 ボランティアで動いてくれてる人が多いから気を付けないとね。」
「ええ、絶対に曖昧にしては行けないことだから再確認の指示を出しておくわ。
 で、三郎は真子との結婚資金、どうなの?」
「そろそろ、家の設計に入って貰おうかって話し合ってるよ、子どもの誕生や成長に合わせて増築し易い形でね。」
「家一軒を余裕で建てられるとしたら随分生意気な高校生だわ。」
「姉さんには言われたくないかも、自分達の金銭的余力を早めに作って置けば活動に制約が無くなるからと、そもそも収入を確保してくれたのは姉さんだろ。」
「そうだったかしら、まあYouTubeの規約が今のままなら金銭面の心配は無いのよね、三郎にはCMのオファーも来てるし。」
「うん、これからは仕事毎にその報酬を何に充てるとか表明して行こうかな、今までの収入は市長選のタイミングで公表したけど、一歩進める形でどう?」
「漠然と寄付しました、とするよりは考える材料を与えることになるのかな…。
 それを通して私達が何に興味を持ってるのかを知って貰うのは悪くない、兄さん達とも相談してみるわ。」
「僕らは売名行為をもっと頑張って世の中のお金持ちにお金の使い方を考えて貰わないとね。」
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