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バトル-122 [高校生バトル-13]

「三郎お兄さま、電力会社の人との話はどうでした?」
「うん、思ってたより上の人と話すことになってね、詩織は電力会社のCMに出演ってどう?」
「えっ、どうって?」
「新チャンネルのスポンサーになるのと引き換えに僕達に対してCM出演の打診が有ってね、その出演料はお父さん達と相談して、詩織のお小遣いにすれば良いのだけど。」
「お仕事なのね、やってみたいわ、雅は?」
「私もなの?」
「勿論さ、決めるのは雅だけどね。
 新チャンネルの視聴回数は内容的に伸びにくいかもだけど、電力会社とタイアップして行く事で利益は出せる。
 人件費などの必要経費を差し引いた残りは、僅かで有っても再開発エリアの電柱を無くして行く費用に充てる予定でね、電力会社側とは工事費を安く抑える工法を再開発エリアで試して行くと言う事でも話もまとまりそうなんだ、集落の工事でも協力的だったからね。」
「お金が沢山必要だって言ってた、あれね。」
「うん、CMの方は電力会社のイメージキャラクターと考えてるそうだから、決まったら年単位の契約になる、引き受けたら会社のイメージを悪くする様なことはしちゃ駄目だからな。」
「私でも良いのかしら…。」
「問題無いよ、家族が一つのテーマだから真愛ちゃんと光くんにも出て貰うんだ。」
「でも…、やくざの子が出てイメージが悪くならないかしら。」
「はは、誰もそんな事思わないよ、雅ちゃんの子育て奮闘記を見た上で是非にと話しを持ち掛けてくれたんだ、それに昔の事なんて関係ない、雅が悪い事をしてた訳では無いのだからね。」
「そうね、みんなと一緒なら挑戦してみたいかも。」
「撮影は主にうちの集落、長く続きそうなら、僕と真子で建てる家をオール電化にしてCMに利用する話も有ってね、家の設計は電力会社の都合も入れてとなりそうなんだよ。」
「費用も負担してくれるとか?」
「それはまだ相談してないけど、再開発エリアに試験的にとは言え予算を掛けてくれるのだから、こちらからお願いするつもりはない、家を建てる予算は充分有るからね。
 これが都会だったら土地代だけで余裕が無くなるんだろうな。」
「うん、どうして人は家賃が高く、ごみごみしてて空気の悪い所に住みたがるのかしら。」
「詩織は東京の暮らし好きじゃなかったの?」
「住んでた時は意識して無かったけど、こっちに越して来て気分が良くなったかな、学校の雰囲気が違った事も有るかもだけどね、向こうではいじめも有ってさ。」
「中学でもいじめはないの?」
「少なくともうちのクラスではね、雅、高校生部会のスタッフとはお話出来たのでしょ、私の友達とも話してみる?
 中学生部会を考えてる連中なんだけど。」
「そうね、詩織の友達なら会ってみたいかも。」
「みんな、雅ちゃんの子育て奮闘記を見てて雅と会いたがってるのよ。」
「もしかして、今まで断っていてくれたとか?」
「うん、雅は人見知りでしょ、お兄さまと出会った時は違ったらしいけど。」
「お兄さまは特別な人だもの、それに周りが優しい人ばかりになって…。」
「雅は猫を被る事が無くなって来た、そして素敵な笑顔が人を魅了してる。」
「えっ、なんか恥ずかしいな。」
「恥ずかしがることではないわ、ねえ、お兄さま、中学生が赤ちゃんと触れ合う企画のテストとして学校の子を集落に招いても良いですか?」
「ああ、姉さん達との調整は?」
「自分で出来ます、そう言う話は前からしてましたから。
 まあ、兄さまも雅の事が心配でしたら同席されても構いまわないですよ。」
「ふふ、詩織ったら友達をお兄さまにも会わせたいのでしょ。
 そんな遠回しにお願いしなくても大丈夫よね、お兄さま。」
「そうだな、中学生部会の話も聞いて置きたいかな、それで何時にする?」
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