小論文指導をしていると、なかには指定校推薦の生徒がいる。
いうまでもなく、指定校推薦とは100%合格するものであり、そこには基本的に競争は生じない
ならば、そこでことさらに小論文の練習は必要ないと思われる方も多いと思う。
例えば、小論文の指導を、
文章力の向上
書き方のコツを知る
書くための知識を増やす
なとというようにとらえればそうであろう。
しかし、小論文の本質とはそのようなものを目指すものではなく、深く思考する機会を持ち、さらには学びの意欲や、大学へのモチベーションを上げることである。
見方を変えれば、指定校推薦の小論文とは、妙なリスクがないため、より深い思考の学びの機会となる。
実際、医療の道を志した生徒には、医療に従事する意義、患者さんに寄り添うとはどういうことか、さらにはそのためにはどのような学問に取り組べきかなどを根底から考えてもらえる。
昨日の指定校の医療希望者の生徒さんは、心理学や歴史学を学びたいと言ってくれた。
むろん、受験ではある。
しかし、単に「暗記」ではない学びは、人生の糧となり、なによりも思考は楽しい。
その楽しさの向こうに大学が待ってくれると思えれば、指定校推薦の生徒こそ、小論文、いや思考の訓練をすべきではないだろうか。
受験勉強にしっかり取り組むこと、それ以上に思考に取り組むことは大切なのである。
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