推薦・AO入試対策でしてはいけないこと | これでも元私立高校教員

これでも元私立高校教員

30年以上の教員指導を通じて、未来を担う子供たち、また大人の思考などをテーマに書き綴っています。
日本史と小論文の塾を主宰し、小学生から大学生、院生、保護者の指導をしています。

最近、ますます、こうした不思議な手法を、普通だと思う高校生が増えている。

現在、思いついた、非常に残念で痛い、志望理由書、面接、小論文の「手法」なるもを記しておく。

もちろん、ここに記してあることに対し、受験は要領なんだからなんて思う人もいるだろう。

それはそれでいい。

しかし、とてもじゃないが人を育てるとは思えない、こういった、「手法」が、これ以上、広まらないことを祈っている。

 

下に書いてあるような指導は、そもそも生徒の思考を伸ばし、人として成長させるものではない。

形だけの指導であり、生徒も指導者も、そもそも「考える」ことを放棄している。

 

よく考えて欲しいのは、AO.推薦入試とは、一般入試とは違う。

暗記や「型」で合格したいのあれば、一般入試に挑めばよい。

 

なぜ、じっくり「考える」ことから逃げるのであろうか?

なぜ、「ひとつの解答」を求めるのであろうか?

なぜ、「短時間」で済まそうとするのか?

なぜ、「コツ」などという愚劣なものに頼って誤魔化そうとするのか?

 

そもそも、こんなことを大学が求めていだろうか???

 

志望理由書

①テンプレートを利用する

書くためのテンプレートを探してきて、そこに大学パンフを見ながら言葉をあてはめる。

*テンプレート型の作成とは、考えることを完全に放棄している、

 これ以上ない残念なものである。

②最初に志望校を書き、次は「きっかけ」を書く

 これも「型」の典型。パターンで書いていける

*とても考えているとは思えない。これをやれば、他の受験生と簡単に 内容が被る。本当にそれで、後悔はないのか?

 

③やりたいこととして、「職業選択の具体例」として書く

 職業とは、本当に自分がやりたいことでしょうか???

*例えば、看護師は「目的」ではなく、「手段」です。

 もっともっと深く考える指導を受けるべきです。 

 

 

面接

①暗記する

 過去の質問を調べ、解答の文章を作り覚える。

 この指導ほど、ひどいものはない。

*自分のことを語るのに「暗記」するのですか???

*ましてや、調べて覚えてこい、なんて指導は、もはや面接でなくなる。

②マナー練習

 出入りや礼の練習をする

 噛んだりどもったりしないように練習する

 *こういったことは最低限で大丈夫。そもそも大学の先生は、普通以上のマナーなんか求めていない。

 

小論文

①「コツ」型

 知識を並べて書く

 書く「コツ」を調べる

 大切なのは「知識と文章力」と思いこむこと。

 起承転結で書けば、小論文なんかなんとかなる

 誤字脱字直しに必死になる

*これらは、すべて小論文対策ではない。

*そもそも「対話」なき指導とは、単なる文章の添削にすぎない。

*「知識」と「文章力」よりも、何倍も「思考力」の訓練をすべき!

②なんとなく書く

 書きながら、途中で書くことを考える

*これをしている段階で、小論文の練習でもなんでもない。