その瞬間、スローモーションのようにボールはゴールに吸い込まれていった。

苦しむ青と黒のチームに見えた一筋の光は、チームの危機を救えるだろうか。

いろいろな思いを乗せて、若き指揮官は一歩を踏み出した。


前半、中央での崩しを狙う東京に対し、ガンバは4バックを中央に寄せて対応。

これを見た東京が、サイドを使うという展開に。東京が押し気味に進めるが、

最後のところにGK東口が立ちはだかる。ガンバもカウンターから反撃を見せ、

特に右SBの三浦のクロスは大きな武器に。34分、右サイドのクロスがこぼれたところを

ファビオが押し込んで、ガンバ先制。前半を1-0で折り返す。


後半、東京はマークが集中するディエゴオリベイラを囮にして勝負するが

ガンバGK東口のセーブもあり、なかなかシュートが決まらない。ガンバも

時間と共に足が止まる選手が増えてくる。新戦力の小野瀬を投入するが、

移籍したばかりで、まだ周囲と合っていない場面が多い。

徐々に東京が押し込む場面が増える。何とか耐えていたガンバだったが、

41分、ディエゴオリベイラの個人技に屈し、1-1の同点に。

嫌なムードを振り払ったのは、怪我に苦しむエースの一撃。アディショナルタイム、

パスを受けたアデミウソンがシュートを決め、ガンバ勝ち越し。

そのまま、2-1でガンバの勝利となった。


ガンバはゴールこそ外国人助っ人だが、目立っていたのはU23でプレーを

していた、宮本チルドレンともいうべき若手の頑張りだ。スタメンの一美、高、

途中出場の高江は決勝ゴールをアシストした。大金出して誰かを連れてくるより

若い選手の可能性に賭けたほうが、いい結果が出ると思う。

東京は、この日は首位を猛追する東京ではなく、例年見慣れた東京だった。

それでも、高萩のスルーパスはすごかったし、ディエゴオリベイラはいい選手だと

思う。このまま、いい意味で期待を裏切ってほしいが。

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