紅ゆずるさんのラストデイ、ライブビューイングに行って来ました!!!
台風19号のため、千秋楽前日の公演が中止になり、当日も上演されるかどうか、本当にヤキモキしましたね。
さらに、マダムは、「星組千秋楽ライブビューイング2019年3月24日」で南大沢へ行きましたが、今回もチケット難で、流山おおたかの森の映画館でのチケットを手に、台風の中、たとえ上演されても流山までたどり着けるのか、本当に心配しました。でも、朝9:30ころ、NHKのテレビの字幕に、「つくばエクスプレス運転再開」と出たので、「ヨッシャ!」と家を出て、無事に流山おおたかの森までたどり着けたのです。「星組千秋楽ライブビューイング2019年3月24日」でお約束しましたとおり、紅ゆずるさんのラストデイに、どうしても映画館で手拍子したかったので。ちなみに、流山おおたかの森の映画館は、3つのスクリーンでの上映、と大規模でしたが、全席売り切れ。都心からいらした方も多かったようです。
行く途中、映画「翔んで埼玉」の、流山の合戦のアノ川(江戸川)が非常に増水しており、本当に危なかったですね。被災された皆様にはお見舞い申し上げます。


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 お芝居は、紅ゆずるさんと何作品も共になさった小柳先生の作品なので(オーム・シャンティ・オーム 2017年星組Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀 2018年星組 参照)、これまでの作品へのオマージュや、退団や代替わりを意識した仕掛けが随所に見られました。普通だったら、そういう場面で観客が感慨にふけるだろうと想像して作られ、それで完成したと思われた舞台だったと思います。ところが、前楽が中止になるという、有り得ないほどの困難を乗り越えた千秋楽の、この瞬間を共に出来た奇跡的な一体感と、もう本当に、このたった一回だけの舞台を心に焼き付けるしかないんだ、という鬼気迫る気迫が、紅ゆずるさんをはじめとする演者・スタッフの皆様と観客の両者にあったと思います。舞台はまさに生き物で、先生方が脚本を書き上げ、演者がお稽古して完成するのではないのだなあ、としみじみ感じました。さらに、「無理、という言葉が嫌いなんだ」という台詞ですとか、サヨナラショーの「登れない山、渡れない川、乗り越えよう」という歌詞など、紅ゆずるさんの舞台では聞きなれているはずの前向きな台詞であり、製作段階では涙とは無縁の場面と思われていそうなところに、今回だけは観客が皆涙しました。そこで思い出しましたのは、演劇評論家の天野道映先生が、Webマガジン、シアターアーツの論考「歌舞伎と能とオペラのコラボレーション――歌舞伎座2018年7月「源氏物語」[http://theatrearts.aict-iatc.jp/201809/5626/]」にお書きになっていた言葉です。主演の海老蔵の演技そのものや、歌舞伎と能とオペラをコラボレーションする実験的な演出手法ではなく、観客は「妻を失い、幼い長男堀越勧玄を連れて、けなげに舞台に立つファミリーストーリーの主人公である海老蔵」を見に来ていました。そのため、「演出の矛盾は、予め別の形で解決されていた」、すなわち、「主題は観客の胸の中にあった。」と天野先生はおっしゃっています。今回も、この千秋楽に限っては、主題があらかじめ観客の胸の中にあったことで、演出家の意図をはるかに超越した唯一無二の舞台になったのではないかな、と思います。

 サヨナラショーは、見たこともないショーで、驚きました。上述のスカーレット・ピンパーネルの歌から始まり、それはいかにも普通のサヨナラショーの始まりでしたが、海を渡った紅子の漫談や、赤いバラを観客席に投げる演出、そして、ありがたや、チーン、で終わり、幕が下りた後に観客席から笑いが起こりました。紅ゆずるさんは、毎日をいかに楽しく生きていくかを考えている、ということをスカイステージでおっしゃっていましたが、ここまで楽しませてくださるとは、頭が下がりました。また、礼真琴さんはもちろん、一緒に退団なさる紅5の如月蓮さんと麻央侑希さんの場面も多く入れてくださり、本当に愛に溢れた一日でした。


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メモ:宝塚歌劇団HPより転載:

2019年10月13日 東京宝塚劇場
星組:主演 紅ゆずる、綺咲愛里   


*ミュージカル・フルコース 『GOD OF STARS-食聖-』
作・演出/小柳 奈穂子

 上海の総合料理チェーン“大金星(グランド・ゴールデン・スター)グループ”の総帥にして、三つ星天才料理人として世界にその名を馳せるホンは、ある時弟子のリーに裏切られ、これまで築き上げてきた全てを失ってしまう。シンガポールの下町へと流れついたホンを助けたのは、行方不明の父親に代わって、自ら食堂を切り盛りするアイリーンとその仲間たちだった。高慢なホンと気の強いアイリーンは反発しあいながらも、料理に情熱を燃やす者同士次第に心を通わせていき、力を合わせて店を大繁盛させるのだった。やがて、ホンとアイリーンは世界最高の料理人を決める“ゴッド・オブ・スターズ”へ参加する資格を得る。しかし、ホンの存在に気づいたリーの策略で、ホンとアイリーンは離ればなれになり、ホンは行方不明になってしまう。アイリーンはホンの名誉のためにコンテストへ出場することを決心する。果たしてアイリーンは、そしてホンは、星を取り戻すことが出来るのか…。
 上海、マカオ、シンガポール等のゴージャスでスタイリッシュな現代のアジアを舞台に華やかに描き上げる、アジアン・クッキング・コメディー。


主な配役
ホン・シンシン 紅 ゆずる 
アイリーン・チョウ 綺咲 愛里 
リー・ロンロン 礼 真琴  
ミッキー・チョウ 天寿 光希
クリスティーナ・チャン 舞空 瞳 


*スペース・レビュー・ファンタジア 『Éclair Brillant(エクレール ブリアン)』
作・演出/酒井 澄夫

 宇宙から地球に舞い降りた青年が、世界各地を舞台に歌い踊る姿を描いた美しくゴージャスなレビュー。宝塚歌劇が大切に紡いできたクラシカルなレビューに、現代的な要素も取り入れた構成でエネルギッシュに展開致します。紅ゆずる率いる星組が一丸となってお届けする、煌めく閃光のような輝きに満ちたレビューをお楽しみください。