すでに職場を離れた病床の身なれど、新聞に、ラジオに、テレビにと学校のこと、

教育のことが小生に入ってくる。妻も子も弟も、直接学校に関係しているので

余計気にして過ごす毎日である。

 

人各々その所と職を持ってそれぞれ生きている。自分も微力ながら 教育の世界で

働かせてもらったことを 心から感謝している。

凡そ三十有余年の教育界は短いといえ、思い出は多い。

微力ながら精一ぱいつとめてきたつもりだ。だが、未だに心はこの世界にひかれる。

教え子の数もどれ位か、数えてみたこともない。

 

苦しいこともあったが、楽しかった。

子供との生活が、14才の肩上げ時代に教えた子供は すでに70才になんなんとしている。

そして社会の重要なポストについてそれぞれ活躍している。

中年あり壮年あり青年もあるその幅は又広い。中には大学教授あり、大会社の重役に、

外交官にとあらゆる職業について世に貢献している。思うだに唯喜ばしい。

反面、早くこの世を去った子供たちもある。

 

長い道中にはいろいろ変遷もある。何れにしても、ここまで歩み続け多くの人々に、

教え子に支えられて日々を生き抜いてこられたことを 心より感謝すると共に、

すべての人の上に健康であれかしと、唯祈るばかりである。そしてまた教え子の

健康と活躍を祈ってやまない。