こんにちは、健康と美の【ファーマシー大学堂】薬剤師の前田順子です。
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処方箋調剤をしていた頃にあった話ですが・・・・・（この例以外にも多々）
いつもは降圧剤などが処方されている若くはない女性の患者さんに、その日は「H２ブロッカー」も処方されていた。
「胃、どうかされましたか？」と聞くと・・・・・
「少し前に胃の調子が悪く、今はだいぶ良くなっていることをドクターに話したら、胃の薬出しておいてあげるから～と言われたけれど、何か出ている？」
色々お話を伺うと、少し前に友人と喫茶店に入り１時間ばかり話し込んだらしい。外が暑かったのでアイスコーヒーを頼んで、冷房が効き過ぎのお店で冷たい物を飲みながら１時間もいたので、身体の芯から冷えてしまい胃の調子が悪くなったとのこと。
クリニックは混んでいて、ドクターと話したのは３分どころか１分くらいだったとかで、胃の調子が悪い＝H２ブロッカーになった。
H2ブロッカーは胃酸分泌を抑える薬だが、このように胃酸の分泌を抑える必要のない人にまで出される例が本当に多い。以前からある胃粘膜保護の胃薬と同じような使われ方がされているように思えてならない。
冷えて胃の調子が悪くなった場合、漢方では温める働きのある「安中散」や「人参湯」を２～３回服用するだけで良くなる場合が多い。「冷えたら温める」は理に適っている。冷えて調子の悪くなった胃に対して、胃酸を抑制して治そうというのは？？？胃酸の出過ぎでなった症状でないのに胃酸を抑制したら、今度は消化が悪くなってしまうのでは？
しかし、胃の悪くなった経緯をじっくりとドクターに話しても同じ結果かもしれない・・・・・
１度処方されると次回も同じように処方されることが多いので、患者さんには胃の調子が良かったら次回はH2ブロッカー断ってね！と。続けて服用したら、かえって胃の調子が悪くなりそう！
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