ふたたび『高慢と偏見』について
事細かに
感想を述べる時間になりました。
さて、
今回は第29章です。
前回
この後には
ストーリーの展開が用意されてると
書きましたが、
それはちょっだけ
先延ばしにされます。
まずは
ローズィングズ邸に
住まわれておられる方々の
ある程度詳細な紹介が
されるんですね。
それも
コリンズ氏の狂騒的な
言動を絡めたかたちで。
章の冒頭はこうです――
『コリンズ氏の勝利は、この招待のあったために、完全なものとなった。彼の保護者たる夫人の立派やかさを、おどろいている彼のお客たちに見せびらかしたり、彼女が自分たち夫婦をいかに鄭重にもてなすかを彼等に見せたりする権能は、まさしく彼の望んでいたところのものであった』
この場合の
『コリンズ氏の勝利』
というのは、
主にエリザベスにたいする
勝利なんでしょうね。
自分と結婚さえしていれば
こういう立場に身をおけたものを
というのを見せつけたかったのでしょう。
その上で、
彼はエリザベスに
このような忠告をあたえます。
『「あなたは服装のことは心配しないでいいですよ。キャサリン令夫人は、御自身やお嬢さまにこそふさわしい立派な着ものを、われわれ風情にまで着ろとはおっしゃいませんからね。ただ、あなたのお持ちになっているうちのいいのをお着になるようにおすすめします――それ以上のものは必要ありませんよ。キャサリン令夫人は、質素な支度をしておいでだからと言って、あなたのことを悪く思召すようなことはありません。あの方は、地位のけじめをはっきりまもってもらうのが、お好きですから」』
ここまでしつこいと
《コリンズ氏疲れ》が
出てきちゃうかもしれませんが、
端々に『頭の悪さ感』を出す
彼の言動は
物語に非常に有効な
潤滑油としての役割を
果たしてるのだと思いますよ。
↓押していただけると、非常に、嬉しいです。
にほんブログ村
《僕が書いた中で最も真面目っぽい小説
『Pavane pour une infante defunte』です。
どうぞ(いえ、どうか)お読みください》