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 こちらは中国の河南省鄭州。考古学上で実在が証明されている中では中国最古とされる商朝の城壁址が市内中心部に残っている。今は変わっているかも知れないが、商というのは私が学生の頃には殷と習った古代国家である。様々な文献の記述や研究内容はここでは差し控えさせて頂くが、その結果として少なくとも今の中国では、王朝の名称として商、その主たる都市を殷と呼んでいるようだ。

 亀のような形をした碑石や墓石などの台座である亀趺(きふ)は、日本では散見される程度であるが、中国では比較的よく見かける。

 亀に似ているが、実は亀に似た贔屓(ひき)という神獣であることは、以前の記事でも書いた通りである。この亀趺を見ると、亀に似てはいるが非なるものということが、よりわかりやすいのではないだろうか。

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 頭部だけ見て甲羅を見なければ、亀というよりは麒麟に近い。

 なぜ赤い玉を咥えているのかはよくわからなかった。なにか逸話などの由来があるのかも知れない。大きな球体を咥えている神様というと、以前の記事でも触れたヒンドゥ神ラーフを思い出す。

 ラーフが咥えているのは太陽で、胴体を斬られたラーフが太陽や月を食べて日食・月食が起こると神話で説明されているが、そんな話と関係があるのだろうか、とふと思ったりもする。しかし他の亀趺で赤い玉を咥えているのは一般的ではないはずなので、たぶん違うはずだ。もし亀趺の赤い玉の由来をご存知の方がいらっしゃったら、ご教授願いたい。

【写真】2017年11月
【文章】2018年7月


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