真にゲームを愛しているのは誰か?
人気ロボット・ガンダムのプラモデル(ガンプラ)をテーマにしたアニメ『ガンダムビルドダイバーズ』が佳境を迎えている。
この作品では、主人公の少年がオンラインゲームの中で仲間を作り、ガンプラへの親しみを深めていく。
そして、第20話「真実」では、主人公が友達の意外な正体を知り、苦悩する。
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ガンダムを愛する人が集まる空間
ガンダムとガンプラを愛する人々が集まるオンライン仮想空間・GBN。
その中に入り込んだ少年・リクは奥深いガンプラの世界に惹かれていく。
GBNでの活動を通じて、リクは多くの仲間と出会った。
ガンダムに乗っていない不思議な少女・サラもそのひとりである。
リクはサラの助言を受けながら、ガンプラバトルに強くなっていった。
一方、GBNでは正体不明のバグが多発する。
ついに見つかったバグの正体はサラだった。
大切な仲間とGBN
オフラインには姿を見せない不思議な少女・サラ。
彼女は、ガンプラを愛する人々の心から生まれたデータの結晶であった。
しかし、彼女は強大な力を持っており、リクたちと不正ユーザーとの戦いの中でそれが活性化されてしまった。
広がるバグ—人間ではない不正なプログラム—に対し、運営は除去を進める。
でも、リクは大事な仲間であるサラのことを放っておけない。
バグを排除するのは運営にとっては正義だ。
だが、ガンプラを通じて仲間を作ったリクたちにとって、仲間を消去するのは不正義である。
リクたちはゲームの運営からサラを守ることができるのか?
以下、気になる点について言及していく。
サラ自身の苦悩
まず注目したいのが、サラが人間として描かれている点である。
最近のエピソードでは、リクの友達が特訓をしている横で遊んでいるシーンが特徴的だった。
そして、今回、サラが事実を突きつけられ、悩んでいる様子が描写された。
リクが「サラというバグ」を受け入れられないわけではなく、「サラという人間」を守りたいことを明確にした。
個人的に、サラに悩ませたのは100点満点だと思う。
視聴者の注目を集める番組構成
駆け引きの描写の積み重ねが、今回の緊迫感につながった。
このシリーズでは、エンディングの後にも本編(いわゆるCパート)を入れることが多い。
次回登場するキャラクターの顔見せや、物語の舞台裏で行われている駆け引きの描写に使われている。
謎のバグについても、運営のキャラクターがこのパートで話し合っていた。
今回、ついにバグが特定され、運営と開発者がリクたちに接触した。
これまでなかなか接触してこなかっただけに、緊迫感はすさまじい。
この番組のCパートは効果的だった。
GBNが何であるか?
ここまでGBNと略してきたもの。
その正体はガンプラバトル・ネクサスオンラインである。
Nexusはつながり、結びつき、関係を意味していて、絆と訳されることもある。
つまり、GBNは絆をテーマにしたゲームなのだ。
そんな中でサラを助けようともしない運営は、果たして適格なのかと思ってしまう。
真にGBNを愛しているのは、ガンプラを通じて仲間を増やしてきたリクたちである。
バグを除去しない第三の方法で、サラとGBNの両方を救うことがこの番組のゴールであってほしい。
サラはプログラムではなく人物である。
いわゆるCパートの積み重ねが今回の緊迫感を強めた。
絆を名前に冠するのだから、ハッピーエンドになってほしい。
ガンダムを知らなくても楽しめる
約40年の歴史を誇るガンダム。
今から見るのは億劫だという人もいるかもしれない。
だが、『ガンダムビルドダイバーズ』は過去作がストーリーに大きく絡んでくるわけではない。
ガンダムを知らないキャラクターも登場していて、ガンダムやガンプラの紹介番組という側面もある。
今からでも、気になる方はぜひチェックしてほしい。
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