症例

 

80代女性

 

主訴は両手の痺れと右掌の痛み。整形外科では「手根管症候群」と診断されて手術をすすめられていたが、手術を拒否して他の治療法を模索した結果、ご紹介で来院された。

既往歴としては腰痛と左肩の筋断裂があったが、大きいのは2年前に転倒して顔面骨を骨折するほどの打撲を負った過去があった。痺れが出現したのも2年前からだが、脳波検査・CT・MRIや内科的検査も全て異常なしの為、鎮痛薬とビタミンの処方のみだった。結果全く痺れの改善はなかった(僕も整形外科勤務時代に鎮痛薬とビタミンで痺れが治った方は見た事がありません。。)

 

治療

 

患部は手であるが、腰下半身の歪みが多く見られた。聞くと腰痛もあるとの事だったので(仰向けで身体が伸ばせず、特に膝が曲がったまま)まず全身の調整を行った。調整後は足も身体も伸びて腰痛は消失した。

次に(特にこれが一番重要だった)頭蓋骨の歪みを調整。ここに外傷性の歪みがあった。外傷性の歪みは姿勢性の歪みと違い、人の手による微細な調整でないと一生治る事はなく、不自然な外力で出来た為、身体に対する影響が強い。

この時点で手には触れていなかったが、頭蓋骨の調整後は手のしびれは消失していた。

最後に手の変形を作っていた原因が長掌筋だったので、この筋肉は肘関節からスタートするため、これもまた患部である手ではなく肘関節を治療することでリリースした。

 

結果

 

神経症状である手の痺れ、痛みは一切なく、腰痛も消失。姿勢も変化が見られた。

一番大きな原因は頭蓋の外傷性の歪みであった。特に両側性でしびれなど神経症状が出ている場合は頭蓋を始めとするセンターラインの調整が不可欠である。

そして患部に触る前に症状が消えたという事はおそらく手根管の手術をしても改善はされなかったもしくは一時的な改善で終わった可能性が高い症例と思われる。

 

※施術効果には個人差があります。