こちらのブログで紹介されていた映画、”あん”を見ました。
内容の紹介を書き始めましたが、この予告編を見ていただければそれ以上のものはないときづいたのでやめておきます。
ダンナは日本語がよくわからないこともあり、私が説明したハンセン病患者への差別などの問題へ憤ったり、落ち込んだりしていましたが、私は、樹木希林さんが演じた「徳江さん」は、天使だったんだと思いました。
”私達は、この世を見るために、
聞くために生まれてきた。
だとすれば、何かになれなくても、私達は、
私達には、
生きる意味が、
あるのよ”
という最後のメッセージ、
この言葉を伝えるためにこの世に使わされたんじゃないかと。
徳江さんは、少女の頃にらい病の療養施設に送られ、一生をそこで過ごした人。
つらい経験をしたけれども、笑顔がとてもチャーミングなかわいいおばあさん。
映画の中の1シーンで、実際の患者さんたちが療養所の中で、話している姿が映りますが、皆さん明るい表情をされていたのが印象てきでした。
でも、きっとこれまでの人生で、何度も絶望し、自分が生きている意味があるのかと問い続けてこられたはず。
河瀨直美監督の映画は、実は初めてみたのですが、ストーリーはもちろんなのですが、
評判通り、映像が美しくて、まるで、写真集を見ているようでした。
風景だけでなく、あんこ(関西なので、粒あんとかこしあんとかは言いますが、単独で、”あん”ということはあまりありません)の映像がどれだけ美しかったことか。
あのやさしい甘さが、映像からしっかり伝わってくるんです。
「あん」は、ハンセン病を背負って生きてこられた方、もっと言えば、人間が本来持っている強さとと優しさの象徴として見事に映像化されていたと感じました。(わたしが、あんこ好きだからそう思うだけ?)
ところで、ネットでハンセン病のことを調べておりましたら、毎年6月22日は、「らい予防法による被害者の名誉回復及び追悼の日」なのだそうです。
偶然でしたが、これも一期一会ですね。
新型コロナでも、医療者やその家族への差別が問題になっていますが、その裏にはよくわからないものへの恐怖があるので、この現象を、一概に批判できない弱い自分がいます。
どれだけ、この世界を見て、聞くことができるかが問われているのだなぁ・・・この映画の、徳江さんのメッセージをしっかり受け止めようと思っています。
余談ですが、映画にでていた内田伽羅さんは、希林さんのお孫さん。そうモックンの娘さん。
正面はふわっとした雰囲気なんだけど、横顔にモックンのキリっとした面影があって、色んな役を演じられそうな女優さんですね・・・。