カトリック情報　Catholics in Japan

カンタベリーの聖アドリアノ 　　　　　記念日　１月９日


　カンタベリーの大司教デウスデディトが６６４年に死去した時、教皇はイタリアのナポリ市の近くの修道院長をしていたアドリアノというアフリカ人を最適任者として後を継がせることに決定した。イギリスの有名な歴史家で修道者であった福者ベーダによると、アドリアノは非常にすぐれた聖書学者であると同時に、教会や修道院の管理にも経験があり、ギリシャ語とラテン語の深い知識もあった。
　しかし、アドリアノはこの高い地位を望まず、自分は不適格者だから代わりによい人物を探すと言った。最初に彼が推薦した人が病気になった時、教皇は再度アドリアノが大司教になるように頼んだが、彼は辞退した。そして当時タルソからローマに来ていたテオドロという修道士を推薦した。テオドロは、もしアドリアノがそばに居て助けてくれるならば大司教になってもよいと言ったので、６６８年３月、彼は叙階され、２ヶ月後にアドリアノと共にイギリスへ向かった。
　彼らは完全なチームとなった。テオドロはアドリアノをカンタベリーの聖ペトロ・聖パウロ修道院長に任命した。アドリアノが聖徳と深い学問は、多くの人々を引きつけ、遠方から来た学者もいた。アドリアノは３９年間、大きな感化を学生たちに及ぼしながら教え、彼らはラテン語とギリシャ語を自分たちの国の言葉と同じように流暢に話すことができるようになった。語学の他に、聖書学や天文学、数学も彼らに教えた。
　ベーダは、次のように言った。「アドリアノは学生たちの頭の中に健全な知識を毎日注ぎ込んだ。聖人は皆を幸福にした。イギリス人がブリテンに定住してからこんなに幸福な時はなかった。」
　彼は７１０年に死去した。


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