ベルサイユのばらを求めて (1)

アメリカ大陸を超えてフランスへ向かうエールフランスの機内で、ipadに仕込んでおいた地球の歩き方を開き、今回の旅程のおさらいをしている。

まずパリで数日過ごして、時差に身体を慣れさせたあと、

パリを離れて、長年行ってみたいと思っていたモンサンミッシェルを訪れて、

ワインで有名だという中西部のロワール地方で古城に囲まれながらワインをたらふく飲み、

港町が並ぶ北部のノルマンディ地方で海を眺めながら魚介を食い、

またパリに戻ってくる、というのが大まかな流れだ。

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そんな旅の予定に心を躍らせながら、

「今回は、"パリの街に住むスマートでおされな男"を目指してして行くわ!」

と、機内で空想に耽っていた自分であったのだが、

シャルルドゴール空港に降り立った途端に、蒸し暑いフランスの夏の気候の洗礼を受け、パリ市内につく頃には、汗だくのむさくるしい中年男になり果てていた。

「こ、こんなんじゃ、せっかくのフランスで、おされな男も気取れないし、オスカル様を見つけることもできないじゃないの!(なんのこっちゃ)」

気を取り直して、宿でシャワーを浴び、お気に入りのピンクのボタンダウンシャツとショートパンツに着替えて、素足にローファーを履いたならば、気持ちはもう、"パリのマレー地区に住む、さわやかな青年”である(脳内イメージはこれな)。

そんな気分で、宿を飛び出して外を歩けば、そこは20年前と変わらず歴史ある美しい街が広がっている。

数ブロック歩き、エッフェル塔が遠くに見えてくると、年甲斐もなく気持ちが浮き立ってきたわ!

「初日だし、ちょっとくらいはしゃいだっていいわよね?」

と携帯のカメラを取り出し、エッフェル塔の写真をとったり、塔を背景に自撮りをしたりしていたら、突然空の雲行きが怪しくなってきた。

「え、夏のパリって毎日晴れなんじゃないの!?」

と思ったのもつかの間、突然どしゃぶりの雨と雷が。

「え!? ちょっと、もうやだ~~~~!!!!!」

急いで雨宿りのできる場所を探して、近所のカフェに駆け込んだが、既にお気に入りのシャツも、石田純一ぶってた素足のローファーもびしょ濡れである。

とりあえず雨が止むまでと、慣れない言葉でグラスワインを頼み、ふとカフェの窓ガラスに映った自分をみると、

そこには

"パリの街に住むスマートでおされな男"でも、

"パリのマレー地区に住むさわやかな青年”でもない、

雨に濡れてむさくるしそうにしている、

彦摩呂氏が映っていた…。



続く!

夕日のインクで書いた、出さないままのポストカード (C)南野陽子
のような、パリの美しさよ。




コメント

ふわり さんの投稿…
こんにちは。
フランス、なんていい響きでしょう❤(ӦvӦ。)
一度も訪れたことがないので、私にとって未開の地です。まるで『世界ふれあい街歩き』のような気分です!続き、楽しみにしています。
samurai sf さんの投稿…
ふわりさん

こんにちは。
サンフランシスコ・ベイエリアにぞっこんの自分も、
フランスの街の美しさに、思わず浮気してしまいそうな、
そんな素敵なところでした。

「世界ふしぎ発見!」のミステリーハンター目指して、
フランスのあちこちに行ってまいりました。

ふわりさんも機会があれば、ご家族と是非!