河よりも長くゆるやかに

例年、6月のプライドウイークには、我が家でピンク色をドレスコードに友人を呼んで小さな集まりを開いたり、

7月の独立記念日あたりには、ソノマのオカマの集まる街のプールで、ゆっくり過ごすか、N君の実家でバーベキューなどをしたものである。

今年は、この時世でそういう予定もなく、家でだらだらと過ごしている。

YouTubeとNetflixとあつ森だけが頼りよ!

ネットやゲームばかりで運動も朝にちょろっと歩く程度。そりゃ太る訳だわ...。

たまには自然に囲まれて、美味しい空気の中、キャンプでもしたいなどと思うが、やるにはテントも寝袋も買い揃えねばならぬと思うと、なかなか重い腰が上がらない。

はて、キャンプはハードルが高いが、森に囲まれた河辺でピクニックやハイキングなら、日帰りで帰ってこれるし、いいんでね?

と、急遽独立記念日の朝に思い立ち、我が家から1時間半ほど行ったところにある、ロシアンリバーを目指すことになったのであった。

自分が弁当にとおにぎりやら卵焼きを準備している間に、メインのおかずはN君が何やら作っている。

布製クーラーに弁当やら酒やらを詰め込んで、ピクニックチェアとシートを車に乗せたら出発だ。

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ロシアンリバーは、ワインの産地としても知られるソノマ郡にあり、以前は夏になると世界中からオカマたちが集まってきて、キャンプやらカヤックやらダンスパーティを楽しんでいた。

自分も若い頃は、オカマ仲間と恥ずかしげもなく競パンを履いて酒を片手に、川辺でぎゃあぎゃあ騒いだものである(遠い目)。

今はこの場所もそんな面影は薄れ、子供連れの家族や、学生たちが川遊びを楽しんでいる。

弁当と冷やした白ワインで腹を満たしたら、川の流れを聴きながら、適当に持ってきた文庫本をめくる。

うっかりすると、うとうとしてきそうだが、これでは本来の目的である、運動不足解消にならぬ!

と、川辺から車で数分行ったところにある「アームストロングレッドウッド自然保護区」と呼ばれる州立公園ででハイキングをすることに。

1000年以上前から静かに立ち並ぶ、背の高いレッドウッドの木々の中を、遠くに聞こえる鳥の囀りを聴きながら歩いていると、心も身体も洗われるようだ。

いつだったかイギリスかどこかの研究機関が「森林浴はストレスレベルを下げるのに効果が高い」などと発表した記事を読んだが、どうやら嘘ではなさそうである。

“土に根をおろし、風とともに生きよう。種とともに冬を越え、鳥とともに春を歌おう”

「土から離れては生きられない」と叫んだラピュタのシータを思い出しつつ、

“よし、次は、ナイフ、ランプ鞄につめこんで、キャンプ行っちゃおうかな”

と企む自分なのである(ラピュタネタ多すぎよね)。








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