架 (百年文庫)
架/百年文庫95
伝説/火野葦平 2本立て。それらに繋がりがあるのかというところは不明。もっと読み込めということでしょう。
名探偵 河童界にて。失踪した河童とその行方を捜査する「名探偵」の話。失踪河童の行方を見つけることができず、「名探偵」は落ちぶれるという話。
昇天記 河童の書いた空飛ぶ河童の話。空を飛んでも何もないという話。
火の雨/ルゴーネス ゴモラを火で持って消毒する話。なんだかよくわかりませんが、夢中になって読みました。ワイン蔵を持っている人はいざという時のために毒ワインを常備しているものだそうです。
少女架刑/吉村昭 少女の死体は医療施設(大学病院?)に買い取られ、切り取られたり刻まれたり漬け込まれたりと医学の発展の礎になる。死んだ少女の一人称視点で話が進みます。死んだ少女は生き生きとしています。


純 (百年文庫)
純/百年文庫96
馬鹿一/武者小路実篤 画家兼詩人の男・馬鹿一を皆で馬鹿にしに行く大人げない話。IQの差が20あると会話が成立しない、という俗説を思い出しました。理解できないものは馬鹿にするしかないんです。
山の雪/高村光太郎 山に住む人の話。何かしらの仕事を山で行っている主人公の生活及び周辺の自然について。主人公の「仕事」とはなんなのか。山奥の小屋に1人篭もって行う「仕事」の詳細は謎のままでした。しかし、この話が作者のエッセイだというのならば、主人公の「仕事」は恐らく彫刻を作ったりの芸術活動をしていたんでしょう。裏表紙のあらすじを見たら、この話について「随筆(=エッセイ)」と書かれているので、そういうことでしょう。
八重山の雪/宇野千代 嫌な女の話。何の落ち度もない婚約者を袖にして、英国兵にホイホイついて行って家庭を築く話。つまり、NTR。主人公の婚約者に感情移入してしまいます。序盤にほんのちょっとだけ登場して以降はいなかった人扱い。しかも、主人公は男の実家である店から大金を盗んで逃げていく大罪人(後に主人公の実家の土地を相手方に渡すことで解決はしますが)。ムカムカします。ムカムカしますが少女漫画とかレディコミとか昼ドラとか好きな人は好きな展開だと思います。偏見です。出来れば読まなかったことにしたい胸糞ですね(個人の感想です) 


(097)惜 (百年文庫)
惜/百年文庫97
枯木のある風景/宇野浩二 画家仲間が死ぬ話。
ラ氏の笛/松永延造 病院にてインド人の患者と親しくなる話。表題の「ラ氏」とはそのインド人のラオチャンド氏のこと。作中、インド人のことを「印度人(アリヤン)」と表記したり、別のインド人患者に対し、「アリヤン」と表されます。この「アリヤン」とはなにか。ググりました。いまいちわかりませんでした。「アリヤン」で検索すると「アリラン」が優先され、それらしき民族名である「アールヤ人」で検索したら「アーリア人」が優先される。「アーリア人」のことでいいんでしょうか。わかりません。それに、作中はそんなこと重要な事項ではありません。ただ、海坊主が気になっているだけです。
赤まんま忌/洲之内徹 息子が事故死した話。無免許でバイクを乗り回していた息子が何かを避けたせいで木に追突し死亡する話。「何か」は謎のままでした。なぜなら、この事故に目撃者はいないからです。この「何か」を突き止めに行くかと思いましたが、そのまま謎のままでした。
 

(098)雲 (百年文庫)
雲/百年文庫98
幸福への意思/トーマス・マン 病身の友人が人生の勝者になる話。勝者になった瞬間に死ぬ辺り、人生を謳歌していますね。
肖像の一生/ローデンバック 古びた肖像画に描かれた修道女の生涯。
フェーンス婦人/ヤコブセン 男に振られて傷心状態で弱った娘を癒やすための旅行に出かけていた未亡人がそこで昔の男に出会い再婚を決意する話。ついでについて来ていた息子も旅行先で良縁があり婚約を取り付けることに成功。娘だけ独り身。お前ら空気読めよという話。 


(099)道 (百年文庫)
道/百年文庫99
清貧の賦/今東光 幼馴染の男に思いを寄せている女が家の事情で他家に嫁ぐ話。かと思いきや主軸となる話は幼馴染の男の方。実は画家としての才能があって師匠に認められるも政治犯と絡んでいるのがバレたので画家を辞め酒屋になり、そこでも成功するも大規模な水害にあい、避難した先で幼馴染の女と出会う。ここでようやく当初は主人公だと思っていた女が再登場。独り身になっていた女と結婚して幸せに暮らしましたヤッターという話。
星夜/北村透谷 女にふられる話。物凄く読みづらかったです。冒頭「昼もし長からば物を思うひまなくて好かるらむ」云々と続きますが、本編はずっとこの調子です。この文法がなんというのかわかりませんが、慣れない文体でとんでもなく読みづらかったです。内容もよく理解できませんでした。惚れた女と付き合うことになったがある日突然女の母親から別れるよう手紙が届き破局、というところまでわかりましたが、なぜ別れなければいけなかったのかがわかりませんでした。現代語訳が欲しいです。
霧の中/田宮虎彦 戊辰戦争を生き延びた少年が老いて死ぬまでの一生。会津藩士の子供であった少年の母と姉は薩摩兵に捕らえられ、辱めを受けて死んだそうです。あとは日本が戦争に負けて少年は老いて死んでいきました。 

(100)朝 (百年文庫)
朝/百年文庫100
朝/田山花袋 船で東京へ向かう家族の話。あらすじには「汽船で海を行く」という風なことを書いていました。汽船も海も出てくるのは最後の最後だったと思います。家族が乗っていた船は船頭云々というくだりのせいで、物凄くしょぼい渡し船だと思っていました。
そばの花咲く頃/李孝石 行商人3人組の話。2回読んであれは実はあの人の子供だったのかということに気付きました。舞台は朝鮮ということで、人名や地名などのふりがなが朝鮮語で馴染みがないので読む際に度々引っかかりました。
鶯/伊藤永之介 Welcome to ようこそポリスパーク! 今日もドッタンバッタン大騒ぎという話。警察署内で起こるなんやかんや。題名の「鶯」もそのドッタンバッタンの中の一部です。ただのドッタンバッタンの一部です。これがけものフレンズ……。