ウォーキングデッド シーズン9 第4話の感想です。
ここからはネタバレがありますので、未見の方は自己判断で読み進めて下さいね。
今回はリックが次回いよいよウォーキングデッドを去る為の、予告編の様な回でした。
ストーリーは余り追わずに純粋に、第4話を観た個人的な感想と、少しの戦国時代につてのお話です。
まず始めに、ダリルとリックの喧嘩。
w(゜o゜)w
前シーズンでも、この二人は唐突に喧嘩を始めてしまい、苦労して手に入れた武器や爆弾がおじゃんに‼️
何やってるの?
って感じのシーンがありました 。
今回はマギーがニーガンへの復讐を決行させる為に、騙してリックをダリルがバイクに乗せてアレクサンドリアから引き離すという策にでます。
ですが、行き先が違う事に気が付いたリックが、バイクを停めさせての喧嘩でした。
今回はウォーカーが次々と落ちて来てしまう様な、単純で大きな穴になのに二人は取っ組み合いを始めて、みごとにそこに落っこちてしまいました。
これってリックとダリルの脳みそが、ウォーカーと一緒って事かいな?(笑)
まあ穴に落ちたお陰で、リックとダリルは最近まで心に溜まっていた本音のぶつけ合いが出来たり、穴に次々と落ちて来るウォーカーを倒して行き、その死骸を積み上げて、穴を出る為の踏み台にしちゃうシーンも見れたから良いか。
しかし何だかギャグっぽい展開で、ウォーキングデッドらしいシリアスな部分はなかったですね。
最後には穴から出る再には
『ブラザー』
と言って、先に上に着いたリックがダリルに対して、手を差し伸べてながら叫びます。
もう、この二人の絆を感じるシーンだけでも、リックの今後を思ったら涙が💧。
けれども、穴から出た二人ですが、すぐにウォーカーの群れに対しての対応で、意見が割れてしまうリックとダリル。
何でここで二人は、別れて行動するかね。
( ・◇・)?
最後はシーズン1のオマージュで、白馬に乗ったリックがウォーカーの群れに囲まれてしまいました。
その後すぐにウォーカーの群れをキャンプから遠ざける為に、白馬にまたがりウォーカーの群れを誘導しますが、二つの群れの合流地点に来てしまい、新に現れたウォーカーの群れに驚いた馬が暴れ出して、リックはあえなく落馬。
しかも落ちた先に鉄筋がむき出しのコンクリートがあって、串刺し状態のリックをウォーカーの群れが囲んだ所で終了。
余りにもアホらしいリックとダリルの喧嘩からの、この展開は流石にちょっとどうなんだ?
約9年間という年月をかけて、ここまでウォーキングデッドを引っ張って来た主人公リックの最後がこれ?
と思いつつも、来週でリックの降板が決まっているだけに、少しチープな展開や、ベタな過去の話しが盛り沢山な今回の様な回も、ありと言えば有りなのかも?
当然にリックはこのまま、お間抜けな自爆死では終わる訳がないと思うので、次週でリックがどの様にして番組を去る (多分死ぬ) のかに、多いに興味を引く回でした。
さて、実は私は日本の戦国時代が大好きなのですが、このウォーキングデッドの最近の展開は、まさに戦国時代を彷彿とさせる物でした。
ウォーカーにより人類がほぼ壊滅して行き、生き残った人間達が集る事でいくつものコミニティが出来て行きました。
始めはリックがウォーカーにより崩壊した世界で、仲間達と出会いながらサバイバルする物語。
そして、極限状態までリック達が追い込まれた時にアレクサンドリアという街に招かれます。
その後は、紆余曲折あってリックが、アレクサンドリアのリーダーになります。
その過程でリックは慢心して行くのですが世界は広くて、いくつものコミニティが存在していました。
更に、それらのコミニティを制圧して物資を巻き上げるニーガン率いる救世主というコミニティも現れます。
一度はリックもニーガンに仲間を見せしめにされて殺された事で屈するのですが、こんな奴隷の様な生活は人性では無いと、決起して他のコミニティと手を組みニーガン達の救世主と戦い(戦争)ます。
そして、ついに救世主のボスであるニーガンを倒して、前シーズンは終わりました。
しかしリックはニーガンを倒しましたが、殺さずにおいて投獄します。
それはリックの死んだ息子カールが夢見た
『生残りの人間による、争いの無い新たな新世界』
を生者により築くという、選択からのおこないでした。
ですが、そのカールが描いたニーガンさえも生かしておいて、新たな世界を生ある者が助け合いながら築く。
というのは今シーズンが始ってからの展開では、難しくなって来ています。
それはニーガン率いる救世主に、家族や仲間を虫ケラの様に殺された人達 (オーシャンサイドや、マギー達) には、ニーガンが生きている事や、救世主の残党と力を合わせて新しい世界を築く事は出来ずに、怨みや怒りから復讐心が押さえられずにいたからです。
そして、ついに前回からオーシャンサイドやマギー達は、殺された家族の復讐の為に敵討ちを決行するという行動に出たのです。
今回のラストでの、リックとダリルのゴタゴタも、ダリルがアレクサンドリアに幽閉しているニーガンをマギーが殺しに行く為に、リックをそこから引き離すという策により起きた事でした。
怨みが復讐を行わせ、互いが殺し会う負の連鎖だと解っていてもマギーはグレンの敵討ちという過去の成算をしないと、前に進めないという感情からの行動でした。
一方で幽閉中のニーガンは相変わらずの、くどい言いまわしでしたが、アレクサンドリアをリックがいない間に任されるミショーンに対して、愛する妻を亡くして自分は強くなり、今のウォーカーが跋扈して崩壊した世界を変える力を得たという様な話をします。
そして過去に愛する子供を亡くしたミショーンも、同じだという様な事を言います。
今回のニーガンの話と、マギーがグレンの敵討ちへと走る行動。
そして前回のオーシャンサイドの、救世主に対する復讐。
これらの事から、ふっと感じたのは・・
ウォーキングデッドでの世界は、戦国時代の価値観では動いていないという事でした。
復讐や敵討ちという価値観で行動したり、それを規制もしくは認める制度というのは、戦国時代が終り戦(戦争)が無くなった、江戸時代から現代迄の間に生まれた価値観によるものです。
戦国時代の価値観とは、戦(戦争)という物を手段として捉えて駆使していて、死ぬという事が名誉ある死と捉えられたり、ただ単に弱かったから死んだ。
という風に人の死を捉える価値観が、主流だったのです。
他の大名の領地を奪ったり、相手を服従させる手段としての争い事以外で、復讐や敵討ちという人の命に対する想いから、私情で殺し合いをするというのは、戦国時代においては愚かな事でした。
逆に江戸時代以降の、人を殺してはいけないという価値観により、戦(戦争)の無くなった時代においては、命を奪われた復讐からの敵討ちという価値観が認められたり、制度として確立していったのです。
ですから現在の戦争でも、戦争は手段ですからルールがあり、民間人を狙い打つ様な戦闘の仕方は認められません。
さらに現代社会では、親族が殺されたケースでは、被害者感情(殺した相手には命を持って償って欲しい)という物を意識した、死刑という判決も含む法制度があります。
ウォーキングデッドの世界は、現代の人間がある日突然にウォーカーという異質の存在が現れた事で世界が崩壊して、無法地帯になりましたが、登場する人物達は現代の価値観を有しています。
ですから、本当の意味での戦国時代の価値観を、登場する人物達が有して戦争をしていた訳ではありません。
現代の価値観では、人を恨んでの思念による攻撃からの争いは、基本は喧嘩です。
それが組織だてば、テロと言えるかも知れません。
そして、相手を制圧する目的だったり、もめ事が起きた時に、組織だって解決する為の手段が、戦(戦争)です。
こう考えた場合には、マギーがグレンの敵討ちにニーガンを殺そうとしているのは喧嘩による殺害をしようとしている。
オーシャンサイドが、救世主を拉致して復讐の為に殺していたのはテロ。
ニーガンが救世主を率いて、他のコミニティを制圧したのは戦国時代の構図による価値観。
リック達が他のコミニティと、ニーガンの制圧行為に対して戦ったのは一揆。
そんな風に感じ出しました。
ニーガンが今回の4話で言っていた、愛する妻を亡くして、自分は強くなり戦(戦争)という手段を心を痛めずに選択できる様になった。 (この価値観を持つ事が本当の強さなのか?の是非は、現代人の私には疑問ですが)
ウォーカーにより崩壊した世界では現代の価値観を捨て、そうした価値観を持つ事で、当時の日本の戦国時代を生き抜く戦国大名の様に、組織を運営する事も一つの生きて行く上での選択肢なのかも知れません。
そう考えると、ウォーキングデッドの世界が戦国時代なら、登場人物の中で唯一の戦国武将はニーガンだけで、リック達でさえもこの崩壊した世界での生存者としては適さないのかも知れません?
そのくらいに、このウォーキングデッドの世界は苛酷な物だと言えます。
次回でリックが番組を去りウォーキングデッドは、戦国時代を終わらせた徳川家康の様に、江戸時代という戦の無い泰平の世を築く新たなキャラクターや、更なる戦国武将の価値観を持った強力な敵のキャラクターが現れるのか?
いずれにしろ物語は次回の5話で、これまでのリックの物語は終焉を迎えて、新たなストーリーへと突入するのでしょう。