弁護士湯原伸一(大阪弁護士会)の右往左往日記

弁護士になって感じたことを綴っていきます(注意!!本ブログは弁護士湯原の個人的見解に過ぎません)

晒し者にすることによる支払い圧力か…

2019年09月18日 | 法律情報
養育費の不払い者を市のWEBに公表する、プライバシーとの関係はどうするんだろうとどうしても考えてしまう制度について


検討が始まっているようです。



 ◆「養育費不払いなら名前公表」 全国初の制度検討 兵庫 明石




私の普段の仕事はいわゆる企業法務案件を取扱っているのですが、実は月1回、母子寡婦福祉支援協議会で無料相談会の担当弁護士として


相談業務にあたっています。

(企業法務案件とは全く畑違いの仕事ですが、10年以上この業務に従事しています)



この相談業務を行っているので、養育費の不払い事例が多数存在することは実感として持ち合わせており、


一方でどうやって養育費の不払い対策を講じればよいのか、悩ましいという思いはあります。



その意味で晒し者にすることで社会的圧力かけ、支払いの実効性を確保しようという”試み”は傾聴に値するかと思います。


とはいえ、ただでさえネット社会になって、炎上・晒し者にされることによるダメージが大きくなっている状況下で


氏名を公表することが果たして適切なのかというと、正直どうかな…と思います。




結局のところ、養育費を不払いとする者にプライバシー権は存在しない、という理屈につながるのですが、


果たしてそこまで割り切ってしまってよいのか、しかも一市町村のみでそのような判断をしてしまってよいのか、


私個人としては整理がつかない、というのが正直な感想です。






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