午前中の晴天のおかげで、久しぶりに外干しができました。
最近はそれ用の装置を利用して、さほど苦労なく部屋干しができるようで、診療所の階上で生活している次男はあまり困らないようです。
入蔵の住んでいるボロ家では文字どおりの部屋干しですから、なかなか乾かず閉口します。
けれど、昔と違って生乾きのにおいに悩まされるということは少ないので助かります。
先週稽古に行ってから、アッという間に一週間がたちました。
日々の仕事がそれほど忙しいわけではないのに、なぜか、心身ともに余裕なく過ごしています。
先週、久しぶりに歯科医師会の会議に出席しようと夜の7時ころに診療所の玄関前に出たところで、隣家のご主人に会いました。
入蔵が生まれる前からずっとお隣にお住まいですから、ずっと年上ですが、ご主人というより〇〇ちゃんという感覚なのですが。
たぶん、同じ年代の方はもう仕事を引退している方が多いと思うのですが、毎日お仕事に出かけていらっしゃいます。
仕事帰りのようでした。
その方に「どこ行くの?」と声をかけられたので、「これから歯科医師会の会議です」といったところ
「いつも頑張ってるねえ」と言われました。
たいして頑張っていないので「そんなことないですよ」といったのですが、「いや頑張ってるよ。気を付けてね」とおっしゃいました。
どう考えても、その方のほうが頑張っています。
入蔵はたいして頑張っていないのですから、恥ずかしいという気持ちが胸にあるのですが、それでも、なんだかとてもうれしかったのです。
「頑張っているねえ」ではなく「いつも頑張っているねえ」だったからだと思います。
本当にそうかどうかということでなく、この「いつも」に、「入蔵の気が付かないところで入蔵の姿を気にかけていてくれて、温かい気持ちを持ってくれている人がいる」というところが素直にうれしかったのです。
先週、稽古に行った日の午前中、入蔵は治療の必要上、土曜、日曜と時間外の診療をしました。
患者さんは休診日においでになっているので「申し訳ありません」と言ってくださいましたが、入蔵は自分が心配なのでおいでいただいているわけですから、むしろ「こちらのほうが申し訳ない」という気持ちがあります。
「気にしないでください。僕は調子の悪い時でも、患者さんを見せていただくと、だんだん具合がよくなってくるような具合で、患者さんを診せていただいているほうが自分にとっても良いのです」(これは本当のこと)と言いました。
そうすると、その患者さんは「先生は歯医者さんが天職なんですね」とおっしゃいました。
続けて「私は、その人にとってその仕事が天職かどうかは、その人が、その人以外から『天職だと思われるかどうか、言われるかどうか』で決まるんだと思うんです」とおっしゃいました。
入蔵は残念ながら、歯医者を天職と意識したことはありませんでした。
むしろ、自分の力が及ばないことでよそ様に迷惑をかけないようにしようという思いを常に抱いて仕事をしてきたのです。
そういう気持ちに全く変わりはありませんが、「人さまからそう思われているかもしれないと思って精進しなければ」という気持ちになりました。
入蔵は落語をするときは、こういう覚悟なしで行きたいです。
もう、覚悟なし。
スチャラカ気分で行くことにします。
先週の段階では入蔵は指南所の良さ、素人落語の良さを聞いてくださる方にお伝えしようという下心がありました。
それが、稽古の参加者の7割を寝かせるという結果につながったものと思われます。
そういう気高い志は捨てることにいたします。
と言って面白度が上がるかどうかは謎です。
こうご期待・・・とは言えないところがちょっと残念な入蔵です。
では、また(^O^)/