『楽天・新興国株式インデックス・ファンド』の実質コストと運用実績をeMAXIS SlimやiFreeと比較

2018年9月22日土曜日

新興国株式

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楽天・新興国株式の実質コストと運用実績をeMAXIS SlimやiFreeと比較

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楽天・バンガード・ファンドシリーズの運用報告書が公表されたので、『楽天・新興国株式インデックス・ファンド』の実質コストと運用実績を競合する新興国株式インデックスファンドと比較してみました。


過去記事の更新
『楽天・全世界株式インデックス・ファンド』の出足の成績は?競合する全世界株式投信と比較(EXE-i つみたて、eMAXIS Slim、野村ほか)

eMAXIS Slim 先進国、国内、新興国株式の組み合わせを楽天やEXE-iつみたて等の全世界株式と比較




1万口当たりの費用明細

楽天・新興国株式インデックス・ファンド、eMAXIS Slim 新興国株式インデックス、iFree 新興国株式インデックスの1万口当たりの費用明細
項目ごとに小数第3位未満を四捨五入

上記は運用報告書から「1万口当たりの費用明細」を抜粋したものです。

決算期間の長さがまちまちなので1年相当(年率)に改めたのが下の表になります。正確な数字ではなく、決算期間の日数から推計した概算値です。

楽天・新興国株式インデックス・ファンド、eMAXIS Slim 新興国株式インデックス、iFree 新興国株式インデックスの1万口当たりの費用明細(1年相当)
項目ごとに小数第3位未満を四捨五入

その他費用の内訳では『楽天・新興国株式インデックス・ファンド』は印刷費用がかさんでいて、『eMAXIS Slim 新興国株式インデックス』と『iFree 新興国株式インデックス』は保管費用がかさんでいます。

『eMAXIS Slim』シリーズは信託報酬の引き下げを積極的に実施していて信託報酬に基づいて推計をするのは難しかったので(※)、決算期間の日数に基づいて各項目の数字を推計しています。

各投資信託の信託報酬は2018年9月21日現在の信託報酬率を当てはめています。

楽天・新興国株式インデックス・ファンド』の実質コストの概算値は0.615%と、『eMAXIS Slim 新興国株式インデックス』(0.389%)に比べると割高です。

『iFree 新興国株式インデックス』も実質コストの概算値が0.778%と、こちらも割高です。

※ 信託報酬に基づいて推計した場合、『楽天・新興国株式インデックス・ファンド』の実質コストの概算値は0.601%です。また決算期間の日数に基づいて推計した場合、信託報酬は0.135%となり同ファンドの実質コストの概算値は0.621%ですが、上記の表では目論見書の信託報酬0.1296%(表中では0.130%)を当てはめて0.615%としています。


運用実績の比較

楽天・新興国株式インデックス・ファンド、eMAXIS Slim 新興国株式インデックス、iFree 新興国株式インデックスの基準価額の値動き
基準価額の値動き 2017年11月17日~2018年9月21日
過去の実績は将来の成績を保証するものではありません

上のグラフは、『楽天・新興国株式インデックス・ファンド』設定来(2017年11月17日~2018年9月21日)の基準価額の値動きです。

比較しやすいよう起点の基準価額を1万円に統一しています。

過去6ヵ月と設定来約10ヵ月の騰落率は下の表の通りです。

楽天・新興国株式インデックス・ファンド、eMAXIS Slim 新興国株式インデックス、iFree 新興国株式インデックスの騰落率
2018年9月21日現在
過去の実績は将来の成績を保証するものではありません

比較できる期間がまだ短いことに留意してください。

米国の長期金利上昇や貿易摩擦への警戒感から新興国株式は軟調になっています。

上記の期間では、ファンダメンタル指標に着目した指数をベンチマークに採用する『iFree 新興国株式インデックス』のマイナス幅が一番控えめでした。

一口に新興国株式インデックスファンドと言ってもベンチマークや組入銘柄が異なりますので、それぞれに好調な時期、不調な時期があるものと思われます。

各投資信託の特徴は下記の記事を参考にしてください。

『楽天・新興国株式インデックス・ファンド』の出足の成績は?EXE-iつみたて、eMAXIS Slim、iFree、iTrustと比較


まとめ

新興国株式インデックスファンドは、投資環境の整備された先進国株式に比べると、ベンチマークからのかい離が目立ちやすく、実質コストも高めに出る傾向があります

ただ、競合の『eMAXIS Slim 新興国株式インデックス』(0.389%)に比べると、『楽天・新興国株式インデックス・ファンド』の実質コストは0.6%前後と割高な印象もあるでしょうか。

初回の決算ということもあり、純資産総額が伸びてくれば実質コストもいずれ下がってくることを期待したいです。

大型株から小型株まで幅広い銘柄をカバーした『楽天・新興国株式インデックス・ファンド』ですが、今のところ「つみたてNISA」の対象商品になっていないのは惜しい点かもしれませんね。


こぼれ話
『楽天・新興国株式インデックス・ファンド』の実質コストの推計は、以下のような計算式です。

日数から推計する場合

365日(1年)÷243日(決算期間)=1.502…
0.320%(費用明細の合計)×1.502…=約0.481%
0.481%+0.140%程度(投資対象ETFの報酬)=約0.621%程度

信託報酬から推計する場合

0.1296%(本来の信託報酬)÷0.090%(費用明細の信託報酬)=1.44
0.320%(費用明細の合計)×1.44=約0.461%
0.461%+0.140%程度(投資対象ETFの報酬)=約0.601%程度




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