信託報酬率の引き下げ(PDF)が発表された『<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド』の実質コストや運用実績を米国株式インデックスファンドと比較してみました。
『<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド』の信託報酬率は2019年6月27日より税抜0.1090%(税込0.117720%)から税抜0.0999%(税込0.107892%)に引き下げられます。
今回、取り上げる比較の対象は『iFree S&P500インデックス』、『iFree NYダウ・インデックス』、『楽天・全米株式インデックス・ファンド』です。
ニッセイ外国株式と米国株式の特徴
『<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド』は、日本を除く主要先進国の株式市場を対象にした「MSCI コクサイ・インデックス」(円換算ベース)に連動する投資成果をめざします。2019年4月末月報より |
2019年4月末月報より |
『iFree S&P500インデックス』は、米国株式市場の時価総額のおよそ8割を占める大型株約500銘柄を対象とした「S&P500指数」(円換算ベース)に連動する投資成果をめざします。
2019年4月末月報より |
『iFree NYダウ・インデックス』は、米国を代表する主要30銘柄を対象とした「ダウ・ジョーンズ工業株価平均(NYダウ)」(円換算ベース)に連動する投資成果をめざします。
2019年4月末月報より |
『楽天・全米株式インデックス・ファンド』(愛称:楽天・バンガード・ファンド(全米株式))は、米国株式市場の投資可能な銘柄のほぼ100%をカバーした「CRSP USトータル・マーケット・インデックス」(円換算ベース)に連動する投資成果をめざします。
実質的な投資対象VTIのポートフォリオ 2019年3月末現在(同年4月末月報より) |
今回、取り上げた投資信託は原則として為替ヘッジは行いません。信託期間は、すべて無期限です。
ニッセイ外国株式と米国株式の実質コスト
小数第3位未満は四捨五入 |
運用報告書の1万口当たりの費用明細に最新の信託報酬率等を当てはめています。推計による概算値であることに留意してください。
『<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド』は、第5期(2018年11月20日決算)の運用報告書の1万口当たりの費用明細に2019年6月27日変更予定の信託報酬率と2018年11月21日変更後の監査費用を当てはめています。
『楽天・全米株式インデックス・ファンド』は、楽天投信投資顧問「運用報告書「1万口当たりに費用明細」の経過について」の1万口当たりの費用明細(2018年7月18日~2019年4月17日)を1年相当に改め、投資対象ファンド「バンガード・トータル・ストック・マーケットETF」(VTI)の報酬(0.03%)を加えてあります。
『iFree S&P500インデックス』は、第1期(2018年9月7日決算)の運用報告書の1万口当たりの費用明細を1年相当に改めています。第1期ということもあり多少割高にも見えますが、第2期以降の改善に期待したいです。
2019年4月末の月報でも外国投資信託(IVV 経費率0.04%)が20%ほど占めているのは、やや気になるところでしょうか。
『iFree NYダウ・インデックス』は、第2期(2018年9月7日決算)の運用報告書の1万口当たりの費用明細の数字です。
ニッセイ外国株式と米国株式の運用実績
下のグラフは後発の『楽天・全米株式インデックス・ファンド』の設定来およそ1年8ヵ月弱(2017年9月29日~2019年5月24日)で基準価額の推移を比べたものです。比較しやすいよう起点の基準価額を1万円に統一しています。
基準価額の推移 2017年9月29日~2019年5月24日 過去の実績は将来の成績を保証するものではありません |
騰落率の比較は下の表の通りです(2019年5月24日現在)。下落率は2018年10月4日~同年12月25日の数字、上昇率は2018年12月25日~2019年5月24日の数字です。
2019年5月24日現在 過去の実績は将来の成績を保証するものではありません |
直近は米中貿易摩擦への警戒感が再燃しています。貿易摩擦の長期化により世界経済の減速も懸念されます。
・ピクテ投信投資顧問「米国株式投資戦略 「囚人のジレンマ」に陥った米中貿易戦争」(WEBサイト)
・J.P.モルガン「「米中貿易摩擦」以外にも目を向けよう。」(PDF)
J.P.モルガンはレポートの中で経済指標の悪化に注意し、景気後退に備えるのなら債券への分散投資も一案だとしています。
その一方で、景気後退が来るなら株式への積立投資の開始を検討するチャンスとも述べています。
積立投資によって徐々にリスク資産を増やしていくことで下落をある程度抑制しながら、回復局面でのリターン獲得をめざす「時間分散」を説(と)いています。
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