こんなことを考えたことがありませんか。
「世の中に貧しい人たちがいるならば、お金をみんなに配ってしまえばいいじゃないか」
子どものとき、考えませんでしたか?

 その配るお金はどうするの? という疑問が湧きます。

「新しいお金を作ってしまえばいいじゃないか」

 

 でも、そこからが難しいのです。金貨を新しく作るには、金(ゴールド)が必要だし、紙幣を新しく作ったら信用してもらえるかどうかわからない。信用してもらえたとしても、どんどん作るからインフレになるのではないか? 難しいですねえ。だから、たいていは、それ以上考えるのはやめてしまったと思います。

 

 でも、生活する人たちに先にお金を配ってしまって、悪いはずがない。今の経済は、過剰生産、消費不足で悩んでいるのです。生活する人たちにまず配ってしまって、そこから生産者へと循環する仕組みがあれば、生活者も生産者も潤います。

 すべての人に最低生活費が保障されていれば、貧困問題は解消しますし、だれも賃金の奴隷にならなくて済むではありませんか。

 

 そこで、拙著「ベーシック・インカムのある暮らし」で、生活本位制マネー『e\』(エレクトリック・エン:通称イーエン)を提唱しました。電子マネーです。この基本コンセプトは次のようなものです。

 

・e\は時間とともに減価する。そうすれば、生活費として定期的に出し続けて、かつ流通総量をコントロールできる。

 

・e\で買い物ができることを保障する。契約商店を作り、契約商店では¥=e¥で買い物ができる。契約商店は、換金を保障されている(100%未満)。商店は100%の換金でなくても、経済活性化の効果により、十分増収になる。

 

・e\と日本円との交換を保障する。ただし、交換レートが少し低いため、交換するより買い物をするほうが得になる。

 

・日本円との交換で、公式レートとは別に実勢レートが発生するようにする。

たとえば \100=e\95の実勢レートであれば、円で買い物をしたい人は、いったんe\にしてから契約商店で買い物をすれば、5%有利な買い物ができる。いっぽうe\を持て余している人は、マイナス5%で換金できる。それで、取引が成立する。

 

 こうすれば、新たに作りだしたお金であっても、価値を保つことができます。

 

 本に書いたときは、日本全体で実現するタイプを考えていたのですが、現在、地域通貨タイプ、仮想通貨タイプ、金融機関主導タイプ、自治体の社会保障費置き換えタイプ、などでも可能であることがわかり、そのシミュレーションをしています。

 

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