2018年10月19日

「お祭りのしばい」《村の行事 13》

蝶1019。 朝,雨のあとが見られましたが,日中は天気の良い日になりました。
 出先では,青空の綺麗な“秋の日”になり,気持ちよく活動ができました。



 文集「こうやまき」から,「村の行事」の一話です。
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   『お祭りのしばい』 (文・巴小4年 女子)

 おとうさんが子どものころには,まい年のお祭りにはしばいがありました。お祭りがくる十五日の前から,部落の若い人がみんな集まり,しばいの先生をたのんで役を決め,昼も夜も,どこかの家をかりて,練習をしました。
 おじいさんは,若いころから,いろいろな役をやったので,しばいのことはよく知っています。今でも,夜おそくまで,録音してきたものを聞いたりしていますが,わたしも,おじいさんがしばいに熱心になるくらい,勉強に熱心になれたらいいなあと思います。
 川合のお祭りの前の日には,相寺や野郷の部落の人たちが,見物席を作りに来てくれたそうです。部落の若い人
たちはもっといそがしくなり,開成や協和小学校のほうの部落にまで出かけて,プログラムをくばり,しばいがにぎやかにできるようにじゅんびをしました。
 お祭りの日になって,天気がよくてしばいができそうなら,自転車に乗って,たいこをたたきながら,しばいがあることを知らせました。
 しばいを見るにはお金はいりませんが,自分であげたいだけのお金を紙につつみ,はなとして持って行きました。村の人は,それをもらうと大きな紙に名前と金がくを書いて,みんなに見えやすい所にはり出すのです。だから,ふだんはけちな人でも,この日はふんぱつしてお金を出したのでしょう。たくさんのはなが集まったそうです。自分の好きな役者やしんるいの人には,個人ばなというものをあげました。
 しばいは,昼の一時ごろから始まり,夜の十二時くらいまでやりました。わたしのおとうさんも,一度だけやったことがあります。ちょうど昭和三十年の春で,高等学校を出たばかりの年で,その時,おとうさんには,個人ばなが七千円も集まったそうです。
 そのあくる年からは,川合の部落ではしばいをやらなくなり,映画にかわりましたが,今では,その映画もやらなくなり,お祭りといっても,なにもありません。若い人が少なくなり,お祭りでも仕事に出かける人もいてたいへんですが,わたしも,いち度しばいを見たいと思います。

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 この頃「しばい」といえば歌舞伎のことでしょう。当地に限らず各地で,歌舞伎を演じて,観て楽しむ人達が多くいました。
 話に出てくるお父さんが受け取った“はな”は,当時の大卒初任給が1万円程でしたので,凄い人気の証だったようです。

 みなさんの地域の秋祭りは,どのようなようすですか。



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Posted by ガク爺 at 21:00│Comments(0)作手
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