はいどもー私です。(・◇・)ゞ

 今日はアキール・シャルマ「ファミリー・ライフ」だよ~。アメリカに渡ったインド人が移民ライフを自書伝的に綴っております。
 

 ほかの読んだことないから知らないけど、誰にでも書ける面白いものの第一位って自叙伝的なものだと思うんですよ。「花火」と、そのあとのつまらない「劇場」ね。あれを見るとね、そう思いますね。まあ小説家じゃないけどさ。

 と言う感じで、これもやっぱ自叙伝的な面白さがナンバーワンですわ。だって移住したインド人の生活知らないもん。それだけで面白い。
 
 

 まあしかし、移民ライフとは言いますが、非常に不運な話でしてね。アメリカン・ドリームなんて吹っ飛ばす事故が起こるんですよ。あらすじね

 えー、主人公の僕には頭のいい兄がいるんですけど、その兄が超いい高校に受かった直後に、プールに飛び込んで頭打って植物人間……って言い方は今はまずいんでしたっけ。えー、代わりの言葉がぱっとでてきませんが、そんなになっちゃうんですよ。
 チューブで栄養とって、大も小も垂れ流しで、目も見えない、反応しない、体はどこも動かない。寝たきりになっちゃうんですね。それがアメリカに移住して一年半後くらいのこと。
 もう最悪ですよね。部外者よりも遠い読者だからそう言いますけど。もう最悪。インドでてくるときは、みんなにいいなあって思われて出てきたのに、いい生活が待ってるはずだったのに、しかも兄は頭良かったからいい仕事につけたかもしれないのに、最悪。入院から、介護施設へ、それから自宅介護へ。
 小さな僕の視点からの話なので、詳しい手続きとか、アメリカはこうなんだみたいな話があるわけじゃありません。ただただ木の葉のように翻弄され、兄を愛してるのか、いなくなってほしいのか、そんなことさえわからないまま、僕は成長して大人になる。
 兄はずっと同じ寝たきりのままなのに。父親はアルコール依存症になっちゃうし、母も兄につきっきりだし、インド人の風習で家にわらわらインド人くるし。なんか苦難に身を捧げてる人(兄とか母親とか)は信仰の対象になると言うか、ちょっとした神様扱いになるらしいですよ。で、みんなお願い事にくるんですな。しかもいい学校に受かりますように的な願い事。よくわからんですけど、面白いです。
 そんなインド人社会で生きながら、人種にもいろんな感情を持ちながら、僕は育っていき、最後は大人になって希望の光を見るところで終わり。
 

 思い返すと、何が面白いってやっぱりインド人の世界で、これが日本人によって書かれた日本人の僕の話だったら「くそつまらん」って怒ってるかもしれません。(`・д・´)

 ただやっぱりアメリカって国の大きさと、そこに移住したマイノリティのインド人、しかも主人公の幼い僕の頼りなさがとてもいい。僕の一歩はとても小さく、物語はぐんぐん前へ進むという感じではありません。が、そのぎこちない小さな一歩が重なってラストシーン、ようやく光が見えるってところが良いと思う。よかったね、と思う。

 これは好みの問題と、自伝だからしょうがないんですけど、この子は小説を書き出すんですよ。それは私にとってマイナス。やなんですよ、主人公が小説家を目指してるみたいな設定。

 「恋は雨上がりのように」とか、面白いですけど、もうあのおじさんの小説書いてる&友人も小説家ですみたいなのは、ほんと虫唾が走る。しかも漫画で出てくるのはもっとやだ。ほかにも小説家が出てくる漫画って山ほどありますけど、なんなんだろ。そしてなんで私はそれがそんなに嫌なんだろ。どうでもいい話ですが。
 

 さくっと読めるので、インド人に興味持った方はおすすめ。でもそれ以上のものはあまり求めない方がいいかも。

 一つ、「素晴らしき哉人生!」を見て、この映画の教訓は、不幸が大きければほとんどのことが幸福に感じられると言うことだった、というぶった斬りには笑いました。この小説を離れて、そういう感動映画が時にうすら寒く思えるのはそういうことか、という意味で。
 

 というわけで、今回は短いけどこれでおしまい。また次の小説で。ばいばい!(*・ω・)ノ