読書記録

恩田陸「蜂蜜と遠雷」

 

帯には「ピアノコンクールを舞台に、人間の才能と運命、そして音楽を描き切った青春群像小説」と書かれている。複数の主人公やその周りにいる人たちはそれぞれ凡人にはない才能を持っていて、しかも純粋に音楽に向き合っていて、皆好ましい人物。悪役はいない。もう少し私がクラシックに詳しければ、もっと演奏の描写を理解できただろうと思うと残念だけど、そんな私をも惹きつける描写はすごいと思う。

 

ただ、3次予選、2次予選、1次予選、本選と進むので、演奏のすばらしさの描写が長すぎて、2次予選が終わった頃から、あとまた同じような賛美の描写が続くのかなと思うと、ちょっとお腹一杯という気にもなった。

 

登場人物の生い立ちや音楽との接点などが紹介される前半の方が、読む方としては楽しかった。でもまあ、これはクラシックやピアノに詳しくない読み手が悪いのだろう。

 

直木賞受賞作及び本屋大賞ノミネート作ということで、図書館に予約してから手元に届くまで1年を超えた気がする。私の後に更に552名もの予約が入っている。恩田陸の人気ってすごいなあ。今日早速返却に行こう。

 

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