福ちゃんの散歩道

コロナ禍で関空での遊びも卒業、栂地区ウオーキングコースを中心に近場の日々の散歩で何か見つけよう。🚶‍♂️🚶‍♂️

米政府がボーイング救済へ 航空機業界、「官製化」色濃く. ・・・そうした状況に危機感を覚えるのは三菱重工!

2020-04-01 13:40:00 | 飛行機の話題(乗り物ニュース)



米政府がボーイング救済へ 航空機業界、「官製化」色濃く

長江 優子
日経ビジネス記者

3月27日、米国で新型コロナウイルスに対処する2兆ドル(約220兆円)の大型経済対策が成立した。これにより、小型機「737MAX」問題で追い込まれていた米ボーイングの公的支援に一歩近づいたことになる。EUによるエアバス支援も予想されるだけに、世界の航空機産業は「官製化」の色合いが濃くなりそうだ。



ボーイングは小型機「737MAX」問題で苦境に追い込まれていた(写真:ボーイング提供)
 「ボーイングを助けなければならない」──。3月中旬、トランプ米大統領がボーイングの救済方針を示すと三菱重工業の関係者はこう漏らした。「日本も同様の支援体制を確立してほしい」

 米政府によるボーイングの救済方針は、航空機業界のみならず世界全体に大きな衝撃を与えた。そもそもボーイングに巨額支援が必要な要因は、2度の墜落事故を起こした「737MAX問題」にあるからだ。同機種のキャンセルが発生しているほか、長期の運航停止で航空会社への補償や生産停止に関連する費用が積み上がり、キャッシュフローは急速に悪化している。

 ボーイングは1月21日の声明で、737MAXの運航再開時期を2020年半ばとしていた。ただ足元では新型コロナウイルスの感染拡大により航空会社の経営が危機的状況に追い込まれている。737MAX問題が解決しても航空機需要の回復が見込みにくく、ボーイングの再建シナリオに影を落としている。

 そうした環境下でのトランプ大統領の発言は渡りに船だ。ボーイングはすぐさま声明を発表し、同社と取引先の部品メーカーなどサプライチェーン全体に600億ドル規模の支援を要請したことを明らかにした。実現すれば、ボーイングには米政府という強力な後ろ盾ができることになる。

エアバスとの対立も先鋭化か

 米政府によるボーイング支援は初めてではない。04年以降、米政府とEU(欧州連合)はボーイングと欧州エアバスへの互いの補助金が違法だと主張し合っていた。WTO(世界貿易機関)での紛争は15年間続き、現在はお互いに報復関税を発動するに至っている。

 世界には中大型機メーカーはボーイングとエアバスしかおらず、対立は国家間紛争の様相を呈していた。今回の米政府による支援方針を受けて、「EUやエアバスが指をくわえてみているだけとは思えない」(大手重工関係者)と指摘する声もある。

 対立は米政府とEUだけにとどまらない。11年には、ブラジル政府が三菱重工が開発中の三菱スペースジェットに対し、「(日本政府の資金支援は)WTO協定に違反する輸出補助金に当たる可能性がある」と指摘した。

 各国が航空機産業を保護するのは、その将来性が高いからだ。機体の安全性の証明が難しく参入障壁は高い。部品点数が自動車の100倍あるなどサプライヤーの裾野も広く、雇用への影響は大きい。機体やレーダーなどの技術は防衛産業との共通項も多く、重要な産業として「官製化」が進みやすい

 そうした状況に危機感を覚えるのは三菱重工だ。「国同士の争いが強まる中で、民間企業として手掛けるスペースジェットが生き残れるのか。戦う土俵が違いすぎる」(三菱重工幹部)。スペースジェットのような小型旅客機の主要顧客である格安航空会社(LCC)は財務体質など経営基盤がぜい弱な会社が多く、獲得済みの受注キャンセルも懸念される。


 これまで航空機業界は、世界の航空会社の旺盛な需要を受けて成長を続けてきた。それが一転、新型コロナにより航空業界が青色吐息になったことで、航空機業界でも国の威信をバックにした戦いが激化しそうだ。





最新の画像もっと見る