Zen禅

心理学に基づく坐禅の研究-心の風景を眺め、流れていく気持ちの音を静かに聴く(英訳)

難しさと易しさの境目The boundary between difficulty and easiness

2020-08-31 | 生き方

習うことは簡単だ。

Learning is easy.

自分が分からないのが何かを知れば、

学ぶべきことも見えてくる。

If you know what you do not know,

you will be able to see what you need to learn.

 

だが、分からないことを分かることはそう簡単ではない。

But finding out what you do not know is not so easy.

分からないことをグーグル検索してウィキペディアの解説を読み、

”あは!そういうことか!“と納得したとしても

それが分かったことにはならない。

Searching Google about something unknown

or reading explanation on Wikipedia and making sure like,

” Aha! That is what it is”

but those convincing are not equal to understanding.

何故なら、分かったことはただ疑問が晴れるような、

学校のテスト問題に正解を出すような決まりきったことではないからだ。

Because understanding is not like just clearing up query

or marking the correct answer on a school test.

 

私は以前に、素粒子物理学に関心があって、

それが何か、何を究明しようとしていて、

何を証明したのかが無性に知りたかった時期があった。

There was a time when I was so into Particle Physics

and eager to know what exactly it is,

how the study is going on and what is proven.

素粒子について知るからには、

私が知ったことを何も知らない人に説明できて、

その人に分かってもらえるほどの知識量を持ちたかった。

Once I tried to know about the particle,

I rather wanted to grasp it well enough

so that I will be able to explain it

to someone who does not know particle at all.

 

その説明できるほどの知識量を持つために、

毎日のように物理学サイトを検索して解説を読んだ。

To reach such knowledge level that can make someone understand,

I searched physics web sites every day and reading the explanations.

しかし、意外にも、予想外に

その素粒子を知っていく過程で気づいたことは、

素粒子だけでなく、わかることの易しさと難しさであった。

However, unexpectedly,

like out of my study plan in the process of learning it,

I found myself realizing that not only about particle

but also there are easiness and difficulty in understanding.

 

同じ概念でも解説する人の習性や性格によって、

易しくも難しくもなる。

An explanation of a certain phenomenon

it can be easy or difficult

depending on the explainer’s habit or personality.

 

それが素粒子をわかるより面白くなったので、

より多くのサイトを検索して、

分かりやすい説明のし方と難しい説明の

パータンのデーターを集めるようになった。

That became more interesting than getting to know particles,

so I searched a lot of physics sites to collect data that

show patterns of easier explanation and difficult cases.

以下は、その観察の中で分かってきたことを

項目別にまとめたリストである。

The following are categorized lists

which I have learned from my observation.

 

分かりやすい説明の基本要素

Basic elements of making an easy-to-understand explanation.

①簡単明瞭な単語使い

  Simple and clear word usage

②難易度が易しい

  Set by an easy level

③一つの文章に重複した意味が無い

  No duplicate meanings in one sentence

④読むのに他の基本知識を必要としない

  No need other basic knowledge to read through

⑤言っていることがはっきりしている

  The speaking point is clear

 

反対に分かりにくい、難しい文章は

On the contrary, hard to understand or difficult sentences are,

①難易度の高い単語や漢字の割合が高い

  A high percentage of difficult words or usage

②説明の説明で、説明だらけ

  Explain the explanation, full of explanations

③一つの文章が重複した意味が多い

  One sentence has duplicated meanings

④読むためには他の知識が無いと読み通せない

  It requires another extra knowledge to read up

⑤言っていることが明確でない

  It is unclear what the speaker is saying

 

言っている人が自分が言おうとしていることについて

全体に亘って分かっていると、

聞いている人もついていけることに困難が無い。

If the speaker has an overall understanding about what try to say,

the listeners can go along with the speaker without a problem.

だが、言っている人が言おうとしていることを部分的に把握していると、

聞いている人にはその部分がどこに属しているか迷うことになり、道から外れる。

But if the speaker knows partly about what try to say,

the listeners get confusing in the way

because they do not know where the part belongs,

so they would be distracted.

 

強力な知性は、難しいことを簡単に見せることである。

Strong intelligence is, showing an easy way of difficulty.

 

軟弱な知性は、難しいことを解体できず、

その全体図を見せることができない。

Weak intelligence is, unable to disassemble the difficulty

nor cannot show the whole picture.

 

強力な知性は、より多くの人を寄せ付けて、

それらの比重に関係なく運ぶべき目的地に人を誘導していける。

Strong intelligence is able to attract more people

and guide them to the destination

regardless of how heavy to take them.

だが、軟弱な知性は特殊な人には受けるが、

一般には受けが悪く、全体的に比重が重くなり

無理強いに説明しないと結論に辿り着けない。

On the contrary, weak intelligence can work by a particular person

but poor performance for general people,

and it is heavy to carry so that it needs extra force to get a conclusion.

 

話の出発点が同じでも、

ことの全体像を失うと途中でわかりにくくなる。

Even though the starting point of speaking is the same,

if the speaker loses the whole picture,

it becomes difficult to understand on the way.

だが、言い始めてから言い終わるまでの道のりが明確だと

難解な部分もクリアできる。

However, the way from the beginning to the end is clear,

it can overcome the difficult parts.

 

以下は簡潔で分かりやすい説明の要素

The following are factors to be simple and easy to understanding.

①話す人も聞いている人も最終的に辿る結論がどこで、

 何になるか明確に分かってくる

   Both the speaker and listener clearly understand

 the final conclusion will be and what it is.

②話を聞いていると言っていることが映像のようにイメージできる

   While listening the listener can make images like playing a scene.

③無駄な説明が省かれている

   The useless explanations have cut out.

④話を聞くにつれて、視野が広がり、見える角度も広がる

   As listening to the story, the vision gets expanding,

   the angle of view also opening wide.

⑤聞いている時にわかる、わからない判断をしなくてもいい

   There is no need to judge whether am I understanding or not.

 

難しいことが分かりやすく解体された時、

そこには再構築の可能性が広がる。

Where difficulty is dismantled in an easy way,

there the possibilities of reconstruction get to open.

 

バラバラに散らかっていた情報の破片が手引によって、

再構成されるか、或いはバラバラのままに完璧な部分として置かれるか、

それがわかり易さと難しさに分かれていく分岐点になるのかもしれない。

Perhaps a bite of information that has been scattered apart,

if it is reconstructed by a guide,

or still left behind as a complete piece,

which may be the turning point

whether will become easy or difficult.

 

 

 


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17 Comments

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個人的に境目は (月の笹舟)
2020-08-31 20:22:13
無理難題
無茶ぶり

と感じた時に 其の限界に達する
個人の能力を知る

ただ・境目は 個人の能力を感じるとき
其の解決策を 他に委ね・其れを成すときには
境目は なくなることもあると思います。

人は 心と共に 年を重ねる都度・境目を繋げて生き
境目と思われる 事柄は
克服も 在るし・また 境目も
何時しか 網の重なるが如く
覆われて行くことも

境目は 繋がるために在り
一本の線とても 二本の線になればこそ
切れた境目を 次に繋げた時かと

境目こそが 将来の可能性を秘める目安

・・・・・・と・・思うがままに 🙇

たわ言ゆえに・・遠目に読んでいただければ。
Unknown (月の笹舟さんへ)
2020-08-31 22:15:59
境目を歩くこと
どっちにも属さず、
狭き、危なき線に生きる。

いずれかに属されることは割と簡単ですよね。
欲しい、欲しくないところを見極めて
もっとも望ましい方に落ちれば(?)いいだけだろうし、
一旦、どっちかを決めたら
そこに安住すればいいだけのシナリオになるですかね。

私の場合は年を重ねても
境目にいますね。
境目の両サイドが面白く見えないのもあるし、
境目にいられることで
選択権が伸びる感じがするし。

とにかく、コメントありがたく受け取りました。
以前も頂いてましたが、
当時は若干うつ気味だったので、素通りしちゃいました。

月の笹舟さんのブログはひねりとか、ブラックジョークとかがスパイスされてますよね。

境目には (月の笹舟)
2020-08-31 23:06:14
専門用語で云う・エキスパンションジョイント
互いの接点を 状況に応じて 追随するジョイント

二つの接点を 上手に歩く
状況に応じて スリル満点の 境目
ある日・・突然に 引き裂かれてしまう・可能性を
ドキドキしながら・平然と歩ければ

云わば 可能性が 二つ以上在ると 思えば
この上なく 楽しいposition かと

何分 横文字の理解力が 中学生で
放棄されましたので
・・
世の中  なにが必要か必要で無いか
決まり事もないし・決まってもいない
生きてるから  味わえる
未知と云う  贈り物

どうぞ・お体大切に・・続けてください
このような・へんてこりんな  人間が居ても
許される日本は

まだまだ・可能性も残っているのでしょうね。
素通りも
トンネルも

飛んで逃げるのも OKなので
ポンコツですが
適当に・・宜しく🙇🙇

difficult・understand・realize・easy・simple (榮久)
2020-09-01 07:37:30
科学を数式を使わずに話すことは

「がBであると言えるのはなぜなのか」
「SはPである」と表白することは何故可能なのか

世界が在ることを確証するには
世界の進行を見守る認知主体が必要でとなる

dialogue

わかる者同士で話すというのは
あらかじめ在るものを確認する作業
何故意味は予め在るのか

予め在るものがそこになければ
会話は成立しないであろう

自分は何者なのか・Qui suis je
と今日も迷っている
Unknown (TOITA)
2020-09-01 09:06:45
ブログ拝見いたしました。
今回のブログで、まったく異質な?分野の私のブログを見て頂けた理由が分かりました。
とても、今回のブログで勇気を頂きました。
Unknown (月の笹舟さんへ)
2020-09-01 21:05:15
境目のスリルはなんていうか、自由感も味わえますよね。
Comfortーzoneから縛られることもないし。

Expansion-jointそういう接点は便利ですね。
そのJointは探すには苦労するだろうけど。

私も自分をポンコツだと思ってはいますが、
口にしたことはないです。
誰かが”そうだね~でもがんばりなよ”と言ってくるかもしれないので。
あんなストレートなこと、誰も言わないでしょうけど、たまにいますよね、空気読めない人。

トンネルですか。
そればっかだった気もするし。
Unknown (榮久さんへ)
2020-09-01 21:22:37
数学を数字を使わずに表すには
数論に精通していないとできないですもんね。

今までそれができる学者やYoutuberに出会ったことはないですけど、そんな人に会えたら
私の数学アレルギーが治るかもしれませんね。

暗黙の了解を前提で話されている時に
いますよね、暗黙を確かめる人。


そういえば、昔3泊4日のカウンセリング合宿に行った時、
その予め(既に定義されてはいるが言語化されていない)をわざわざ解説した人がいて、
周りは困惑して、
沈黙になったことがありましたね。
まあ、榮久さんが言っていることとは性質が違いますが、
突然、そのことが蘇りました。

AはBではないが、
BはAに相関関係がある。
なぜなら、AはBをCによって発生される場合もあるからだ。
だが、Cは必ずしもAやBに相関しない。
よって、AはBでないと言える。

そんなところですかね。
Unknown (To-TOITA)
2020-09-01 21:42:31
先生は先生に呼ばれたくないと言ってましたけど、
Toita-sanだと言うよりはマシなので
先生と呼ばせてください。

この前の『空はなぜ青いのか』の解説
その時に持てた、鮮明に浮かんだイメージは
今でも記憶にはっきり残っています。

何年か前に先生のブログ読者登録した理由は
実は、昔塾を運営した時に
航空高校に進学した生徒がいまして、
あの子と高校受験相談をした時に
航空士や航空エンジニアになりたいと
その夢を熱く語った子がいました。
その子は受験に合格して
住まいの埼玉県の川越市から高校がある山梨県にいきましたね。
毎回、先生のブログに行く度に
あの子を思ってました。
あの子は成田空港の飛行機エンジニアになったと
後で就職した時に挨拶にきましたね。

最初はその動機でしたけど、
後は電波に関心があったので、
それもあって、
なにせ、教える人が好きなのもありますけど。

今は、先生のブログ読むと
先生に教わった生徒はどんな気持ちなんだろうと想像したりするのも結構好きだから、それもあります。
理由は結構ありますが、
基本的には教える人が好き、だからですかね。
発語と沈黙 (榮久)
2020-09-02 03:22:48
溝を流れるただの水が 
ガンジス河では聖なる水になる

「全てのSはPである」が
「全てのSはPでない」の反対であり
「全てのSはPであり、かつ、あるSはPではない」は
「矛盾」であると形式論理学は教える

問題は、何故「反対」は逆の事態であり得
何故「矛盾」はうまく考えることができないのか
論理成立の根拠とは・・・

からくりを知りつつも
自身を、存在を、問い続けてゆくだろう

発語と沈黙
Unknown (ZIP)
2020-09-02 12:53:24
何故ならPは、PとS(非P)との境界である。

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