ミスト
育児の最高の味方Netflix。
今日は「ミスト」です!
スティーブンキング原作で公開が2007年と昔の映画ですが、
トラウマレベルのバッドエンド作品として有名な作品。
昔1回観たことあったけど詳しい内容そこまで覚えていなかったので、今回再視聴です。
おおまかなあらすじは、
(※最後まで書いててネタバレしまくりです)
田舎の町に住んでいるデヴィッドとその妻子。
夜中にやってきた嵐で窓ガラスやボート小屋が破損してしまったので、翌朝に車で息子とともにスーパーマーケットへ買出しに。
すると突然深い霧が街中を包み込み始める。
霧に驚いていると、血を流した男が「霧の中に何かがいる!友人が襲われた!」と言ってスーパーの中に駆け込んでくる。
人々はスーパーマーケットの中に立て篭もらざるを得なくなってしまう。
不安と緊張の極限状態が続く中で「このまま立て篭もるべきか」「逃げ出すべきか」で人々の小競り合いが続く。
さらに見たこともない化け物に襲撃を受けて犠牲者が出る中、みな精神的に追い込まれて極限状態になってしまい、最後には人間同士でも命の奪い合いが始まってしまう。
意を決したデヴィッド達はスーパーマーケットを後にし、車でガソリンの続く限りの逃亡を図る。
しかし長い道のりの末にガソリンは尽き、打つ手のなくなってしまったデヴィッドたち。
化け物に食われるぐらいなら銃で命を絶とうと覚悟を決めるメンバー。
しかし人数は5人いるのに残り銃弾は4発。
デヴィッドは自分は別の方法でなんとか死のうと考え、自らの息子と3人の仲間の命を絶つ。
悲しみと絶望の中でデヴィッドは自分の身を化け物に差し出したが、そこにやってきたのは化け物ではなく救助活動を行っている軍隊だった・・・
おわり
うん、
映画見終わったあとも鬱な気持ちになったけど・・・
こうやってあらすじを文章に起こしてるだけでもキツイものがあるね(汗)
でもあえて言おう。
名作であると。
どうしてもショッキングなラストシーンばかりが話題になって、鬱映画としてばかり有名になっちゃってるこのミストだけど、サスペンス映画としてはかなり高水準だと思う。
デヴィッドは、行動力もあり、勇気もあり、正義感もある。
常に自分の子供を一番に考えていて父親としても理想的。
スーパーマーケットに立て篭もっているときも誰よりも前向きに問題と向き合い、
仲間を助けるためなら化け物にも果敢に立ち向かっていく男だった。
しかし極限状態で生まれていく人間の狂気を目の当たりにし、最後の希望を賭けた車での逃亡先では、無残な妻の死、壊滅した街の風景、ビルよりも大きな化け物が悠然と歩く姿に直面。
そして、ここまで一緒に困難を乗り越え続けた仲間達の覚悟を決めた表情。
息子との「僕を化け物に殺させないで」という約束。
あれだけ生き残ることにポジティブだった男の中にあきらめの感情が芽生え、仲間や我が子とともに自決の道を選択するに至るまで、その心理描写がすごい丁寧で秀逸。
だからこそあの結末が視聴者の胸を裂く。
また、あのときああしていればというイフの提示が非常に多いのも特徴。
ラストシーンだけでも
「あと5分だけ自決を躊躇していれば」
「自決なんて思いつかなければ」
「あのとき無理して銃を拾わなければ」
なんていうイフがあるけど、
さらに、
序盤から早々とスーパーマーケットを脱出した女性がいたり、
無鉄砲に霧の中を進んでいった人達がいたり、
スーパーマーケットに残った人がいたり。
この人達も、どれもデヴィッドが選ぶことができたイフの代行者の役割をしている。
無数のイフがあって、選んだものによってはデヴィッドも我が子も命を落とさずに済んだかもしれない。
そういった後悔の念もラストシーンの絶叫の中には見え隠れしていて、なんとも悲痛な気持ちにさせられた。
ミストは、モンスターパニック映画じゃない。
ミストは、インパクトと話題性を狙ったバッドエンド映画じゃない。
ミストは、ラスト5分の主人公の心理を描くために、それまでの展開をどれだけキッチリと計算高く紡いでいるかがはっきりとわかる良作である。
映画『ミスト』を、ただの後味悪いバッドエンド映画と毛嫌いするのはもったいないです。
すでに結末を知っていても十分に楽しめますよ。
まだ見てない人はぜひー。
ミスト
2007年アメリカ制作
原作: スティーブン・キング
脚本: フランク・ダラボン
キャスト: トーマス・ジェーン、マーシャ・ゲイ・ハーデン、ローリー・ホールデン、ネイサン・ギャンブル、ほか
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