【共同DIY】火山灰から洗濯物を守る勝手口屋根を作ろう

1. はじめに

ここではアルミフレームやアルミパイプを

使ったDIYを紹介していますが、

LINK YOUR DESIGNという共同DIYも

行なっています。

これはアルミフレームやパイプを使ったDIY

一緒に協力しながら行う活動です。

アルミフレームやパイプはとても便利な材料で

木材にはない優れた特性がありますが、

普段身近にないため使い方がわからない

という欠点があります。

そこでアルミフレームやパイプの使い方や選定、

設計などをアドバイスしながら初めての人でも

安心してDIYできるようにするものです。

これまでの共同DIY事例はこちらで見れます。


(共同DIYサポート事例集)

アルミパイプやアルミフレームを使ってみたいという方と一緒に共同DIYを行っています。これらの材料はとても便利ですが入手性の悪さからあまり知られていません。そのため部品選定や使い方、加工、組立方法など初めての人はわかりにくいです。そこで共同DIYでは誰もが扱えるようにサポートしています。


今回の相談者は宮崎県に住むSさんです。

自宅の近くに火山があるらしく、

火山灰に悩まれて相談を戴きました。

新築で勝手口に洗濯物を干されていますが、

火山灰が飛散して困っているとの事です。

そこで一緒に協力して勝手口に火山灰から

洗濯物を守る屋根と壁をDIYしました。

幅3.5m、奥行き1m、高さ2mのサイズ

屋根と壁には白い波板を取り付けています。

外からの目線も気にならず、

洗濯物も火山灰から守れるので快適です。

それではこの共同DIYを紹介します。

2.  Sさんの困り事

こちらはSさんからいただいた相談内容です。


住んでいるところは降灰がすごいので、

干すところに屋根を作ろうと思っています。

外で洗濯物干しのテラス屋根をDIYしたく、

イレクター等を検討しましたが耐用年数に

不安があるという情報もあったので、

アルミで製作を考えています。

テラス屋根+前面パネルを付けての製作は

可能でしょうか?


南九州は温泉が多く車中泊に出かけますが、

確かに火山も多い場所です。

こちらがSさんのご自宅勝手口です。

綺麗な一軒家で勝手口には広いスペースがあり、

正面に据付の物干し竿ラックがあります。

軒も長めで洗濯物を干すには良い場所ですが、

次の2つの困りごとがあります。

2.1 火山灰が付着する

ここは屋根の軒を長くされていますが、

それでも洗濯物に火山灰が付着するそうです。

確かに鹿児島などに行くと風向き次第で

車のフロントガラスに火山灰が付着します。

風が強い日は外に干しづらいかもしれません。

2.2 洗濯物が目立つ

勝手口の隣は現在空き地になっており、

視線を遮る建物がありません。

そのため道路から勝手口が丸見えです。

ただここは洗濯物を干す場所なので、

あまり人目につかないようにしたいですね。

これらの困り事を解決するために

一緒にDIYで勝手口屋根と壁を作ります。

3. 勝手口屋根、壁の設計

3.1 Sさんのリクエスト

現状のSさん宅勝手口はこのような状況です。

勝手口に屋根と目隠し壁の小屋を作ります。

小屋を作るにあたり、Sさんに出来る事と

出来ない事を確認しました。

(リクエスト内容)

・地面を掘って基礎を作り柱を建てる

・ビスで壁への直接固定はNG

・できるだけ費用を抑えたい

・屋根の傾斜は小さくていい

・扉は不要で横は開放する

これまでもテラス屋根や自転車置き場など

屋根を作るDIYをいくつか行いました。

屋根を作る際のポイントに上部の固定方法が

挙げられます。

高い屋根は基礎だけしっかり作っても

上の方はグラグラして安定しません。

強い屋根を作るためには屋根の上部も

固定する必要があります。

この時に有効な方法が直接壁に

屋根を固定する方法です。

これが出来ればテラス屋根なども

比較的簡単に作れます。


(雨避け屋根がある自転車置き場を簡単DIY)

アーネストワン建売住宅には軒がほとんどないので雨よけする場所がありません。そのため外に置いてる自転車や道具が雨に濡れてしまいます。そこでアルミパイプを使った屋根のある自転車置き場をDIYしました。8×1.8×2.5mと大きな置き場ですが、5万円ほどで作れます。しかも補強や基礎をしっかりすることで大型台風が直撃しても壊れませんでした。


逆にこれが出来ないと少し難しいです。

形にはなりますが、屋根付近が多少揺れます。

その際は別方法で補強しなければなりません。

Sさんのリクエストでこれが最も難しいです。

3.2 勝手口小屋の材料

Sさんと相談しながらアルミパイプと波板

小屋を作ることにしました。

アルミパイプは企業や工場では

一般的によく使用される材料ですが、

家庭DIYではあまり見ることがありません。

イレクターパイプと似ていますが、

全く異なる特徴があります。


(アルミパイプの特徴)

 家庭DIYで利用する金属パイプにイレクターパイプがあります。アルミパイプも同様な用途で利用できますが、イレクターパイプよりも優れた特徴がいくつもあります。ここではイレクターパイプとの比較やアルミパイプの種類について、詳しく紹介しています。


屋根部分には直径28mmのパイプを使って

軽くてシンプルな構造にします。

柱は強度が必要なので直径43mmのパイプを

利用しました。

このように用途に応じてパイプ径を使い分け、

さらにそれらを自由に連結できる点が

イレクターパイプなどに比べて優れています。

小屋の柱は独立基礎で固定しますが、

住宅壁側も柱を建てて基礎を作ります。

そして住宅壁にはパイプを直接固定しません。

屋根材と壁材はいずれもポリカ波板です。

アルミパイプに波板を直接ビス留めします。

3.3 小屋のCAD設計

アルミパイプを使ってDIYする場合、

専用の3D CADソフトが利用できます。

ソフトはメーカから無料で提供されており、

誰でも自由に利用することができます。

インストール方法や簡単な使い方は

こちらの記事で紹介しています。


アルミフレームの3D CAD設計)

 アルミフレームやアルミパイプには専用の3D CADが無料で提供されています。そのためこれを使えば作る前に色んな角度から見ることが可能となり、設計ミスが少なくなります。さらに部品の長さや種類、数なども自動で計算してくれるので部品手配ミスや加工ミスも低減することができます。


Sさんと一緒に考えた勝手口小屋CAD図です。

住宅壁側と境界ブロック側にアルミパイプで

それぞれ柱を建ててそれを門柱状に連結して

小屋の枠組みを作ります。

屋根と壁のパイプには波板を取付けて

柱パイプは独立基礎で固定します。

屋根の傾斜は約3°で雨水を流す程度です。

この角度だと住宅壁側と境界ブロック側の

梁高さをずらすだけで作れます。

もしより大きな傾斜を付けたい場合は

角度調整コネクタなど使用します。


(アルミパイプのコネクタ)

 アルミパイプどうしを連結する部品がコネクタです。コネクタにはたくさんの種類があり、連結方向も直角、水平、クロスなど様々な用途に利用できるようになっています。またパイプに沿って動いたり、パイプを軸に回転したりという可動できるコネクタもあります。これを利用すればDIYの幅が広がりますよ。 


これでCAD設計は終了です。

3.4 勝手口小屋の製作

3.4.1 勝手口小屋の基礎作り

設計が終わればこの図面を元にメーカから

部品を調達して製作開始です。

まずは柱の独立基礎を作ります。

基礎は地面に穴を掘って基礎ブロックを埋め、

そこにアルミパイプを挿しこんで

コンクリートを流して固めます。

アルミパイプの長所はそのままコンクリートで

固定できる事です。

木材はコンクリートの中に差し込めませんが、

アルミパイプは一緒に固めることができます。

私はコンクリートブロックを2個埋めて

基礎をよく作ります。

1個ずつ持てばそれほど重くありませんし、

費用も安く済みます。

Sさんも約500mm掘って基礎を作りました。

掘った穴にブロックを置いて直径43mmの

アルミパイプを差し込みます。

各パイプのレベルを合わせながら仮固定して

そのままコンクリートで固めます。

固まったら土を埋め戻して基礎の完成です。

3.4.2 勝手口小屋の組立

基礎ができれば他のパイプを組み立てます。

アルミパイプの組立にはコネクタを使います。

これ1つでアルミパイプどうしを簡単に

連結することができます。

使用する工具も六角レンチ1本だけで

ボルトを締めるだけの簡単作業です。


(アルミパイプの組立て方法)

 アルミフレームやアルミパイプの組立ては六角ボルトを締めこむだけの簡単作業です。六角レンチ1本あれば全てを組み立てることができます。ウチの小学2年生の子供でもこの通り。誰が作っても同じように組みあがるので技術が要らず、初めての方やDIYしない人も安心して利用できます。


アルミパイプは複数のパイプ径がありますが、

異径サイズでもコネクタで固定できます。

直径43mm柱パイプと直径28mm梁パイプも

コネクタ1つで連結できます。

この誰でもできる作業性の良さが

アルミパイプの良い点です。

Sさんもその簡単な作業に驚かれていました。

全てのパイプを組み立てれば終了です。

この時にコネクタのボルトが緩まないように

ネジ接着剤を使うことをオススメしています。

3.4.3 波板の取付

組み立てたアルミパイプに波板を固定します。

取付方法はパイプと並行に取り付けても

垂直に取り付けてもどちらでも結構です。

パイプと並行に取り付けると波板の谷が

ちょうど入るため取付やすくなります。

ただ距離が長いと少したわんだり、

揺れやすくなります。

取付ネジはタッピングネジや傘ネジなど木材と

同じようなネジが使えるので大変便利です。

Sさんは採光のため乳白色波板を使われました。

日光も入るため小屋内が明るく、

外からは中の様子が見えないため最適ですね。

4. 勝手口小屋の完成

こちらがSさんがDIYされた勝手口小屋です。

白い壁とマッチして全く違和感もありません。

小屋中の様子は全然見えず、外からの視線も

気にならないと思います。

屋根があることで急な雨や火山灰の付着も

未然に防げそうです。

この勝手口小屋があるのとないのでは

全く生活感が変わってきますね。

こんなDIYが初めて触る材料で作れるなら

大変便利ですよね。

最後にかかった費用ですが、

アルミパイプ材料一式は約4.5万円です。

これとは別に波板、基礎ブロック等の

費用が必要です。

5. さいごに

勝手口小屋のDIYは如何だったでしょか?

これからは火山灰や人目を気にすることなく、

洗濯できることだと思います。

生活の中で感じるチョットした不満や不便は

どこの家庭にもある事です。

一人ではなかなか解決する事が難しくても

一緒に考えれば良いアイデアも生まれて、

解決する事ができると思います。

今回のDIYで最も手間な作業は基礎作りで

パイプの組立などはとても簡単です。

基礎作りも穴掘りという力仕事がありますが、

特に難しいわけではありません。

普段DIYに馴染みがない人もチャレンジできる

内容だと思います。

是非、同じ悩みの方は挑戦してみて下さい。

行動すれば諦めていた問題も案外解決できる

かもしれません。

この記事が皆さんの参加になれば幸いです。


アルミフレームやパイプを使ったDIYを

一緒にしてみませんか?

 DIYする時間や工具がない

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そんな方にも安心で手間がかからず

欲しい物が手に入る共同DIYです。

一人で考えるよりも複数人で考えた方が

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まず設計や構想は御自分で考えて

欲しいものをイメージしてください。

もし自分で加工から組み立てまでされる方は

必要に応じてアドバイスを致しますし、

手間な部品手配や加工をしたくない方は

こちらで設計して組み立てる状態の部品を

お送りすることもできます。

初めて使う材料で不安な方も安心して

チャレンジすることができますよ。

気に入った物が見つからない場合は

試してみては如何でしょうか?

詳しいサポート内容や進め方は

こちらで説明しています。

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 「フレームラボショップ

これまでのサポート事例はこちら。

 「サポート事例集

より詳しくアルミフレームやアルミパイプを

知りたい方は動画で実物を使った説明や

実際にDIYしている様子を見ることができます。

フレームキャンパス





これまでDIYしてきた屋根の記事をまとめました。


(もはやメーカ品!?ポリカ板とアルミで屋根DIY)

アルミフレームとポリカ板を使って幅4mの屋根をDIYしました。乳白色ポリカ板とフレームがとてもよくマッチして見た目はもはやメーカ品!奥行きが1mもありますが、柱や基礎は使わずに壁に直接固定しています。玄関屋根の拡張や勝手口の屋根など幅広く応用できるDIYです。

(ウッドデッキにシェードでパーゴラ屋根をDIY)

以前、DIYしたウッドデッキに新たにシェードを取付けてパーゴラ屋根をDIYしました。アルミフレームで柱と梁を作り、そこに2×3mのシェードを2枚取り付けて屋根にします。後付け屋根ですが、ある工夫でとても簡単に作ることができました。作業動画もあるので是非ご覧ください。

(庭にシェードを使ってパーゴラ屋根をDIY)

自宅の窓から庭フェンスに向かってシェードを使ったパーゴラ屋根をDIYしました。アルミパイプを自宅とフェンスの間に取付けて、そこをレールにすることで自由に動かすことができます。もし台風時などわざわざ取り外さず畳めるため、とても便利です。

(カーポート屋根をアルミパイプと波板でDIY)

自宅横のカーポートスペースに屋根がなく不便だったのでアルミパイプと波板でカーポート屋根をDIYしました。奥行き約2.5m、幅2.0m、高さ2.5mのカーポートです。地面がコンクリートのためアンカーで柱パイプを固定し、屋根の梁を住宅壁に固定しています。雨どいも取り付けてもう雨が降っても大丈夫です。

(自転車置き場にも最適!後付けテラス屋根を共同DIY) 

木製のテラス屋根が古くなったためアルミパイプと波板を使ってテラス屋根を共同DIYしました。幅3m、奥行き8m、高さ3mのテラス屋根で地面には芝生、壁は緑で目隠しをした隠れ家的な空間です。私も欲しいと思うほどの快適空間が実現。初めてアルミパイプを扱う方ですが、立派なテラス屋根を作られています。

(雨に濡れない!勝手口に屋根を共同DIY)

扉を開けるとそこは雨・・・(涙)そんな状況を克服するために勝手口に幅5m、高さ2.5mの屋根をアルミパイプで共同DIYしました。隣家までの距離が0.6mしかありませんが、屋根があることでゴミ箱など置ける便利なスペースに早変わり。土日で完成するくらいの誰でもできる内容となっています。

(隙間スペースを屋根付き自転車小屋に有効活用)

子供の自転車を保管する場所がなく玄関内に置いていましたが、場所を取るので玄関が狭い・・・。そんな悩みから玄関のすぐそばに屋根を付けて自転車置き場を共同DIYしました。元々屋根がなかったので特に使っていなかったスペースが屋根を付けることで便利なスペースへと生まれ変わりました。

(マンションにテラス屋根を共同DIY)

マンションの庭を全て覆うようなテラス屋根を共同IDYしました。アルミパイプで枠組みを作りポリカ波板を貼り付けた屋根となっています。ただ屋根の大きさが4×4.5mと非常に大きく、基礎ができない場所にそれぞれ柱を立てています。このように規格品にないテラス屋根を自分の好きなように作ることができます。

(屋上に雪除け屋根をポリカ板で共同DIY)

 屋上の縁に雪が積もらないように逆勾配のポリカ屋根を共同DIYしました。幅が10mもある長い屋根で、先端を90度曲げで屋根の下にも雪が入らないように考えました。アルミフレームで枠組みを作って、そこにポリカ板を設置します。ポリカ板を取り付けるにはアルミフレームが使いやすくて最適です。

(3万円台で作れるテラス屋根)

 住んでいる賃貸住宅には軒や屋根がなく、洗濯物を干したり自転車を雨から避ける場所がありません。そこでアルミパイプを使って幅4mもあるテラス屋根を作りました。特徴は壁を傷付けたりコンクリートを使用せずにいつでも元に戻せること、目隠し壁まで取り付けても費用は4万円台という点です。


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