フランスでは日仏友好160周年を

 

記念した芸術イベント

 

「ジャポニスム2018 : 響きあう魂」

 

開催中です。

 

ハイライトとなったエッフェル塔での

 

イベントの様子はこちら

 

矢印 「日本の美」をまとった鉄の貴婦人 エッフェル塔

 

をご覧ください。

 

その「ジャポニスム2018」の

 

さまざまな企画の中で、

 

目玉のひとつとなっているのが、

 

「若冲―〈動植綵絵〉を中心に」展 です。

 

江戸時代中期に、京都で、

 

活躍した伊藤若冲。

 

近年、再評価と研究が進み、

 

「奇想の画家」として、注目を

 

集めるようになりました。

 

そんな若冲の最高傑作とされる

 

「動植綵絵(さいえ)」30幅と

 

「釈迦三尊像」3幅対が、1900年の

 

パリ万博博覧会の展示会場として、

 

建造された Petit Palais

 

(プティ・パレ)にて、1ヶ月間に

 

わたり、展示されています。

 

プティ・パレは建物そのものが

 

美しいうえに、常設展は入場無料

 

という、おすすめの美術館。

 

特別展は有料です。

 

 

展示室に入る前から、こんな風に、

 

若冲ワールドが繰り広げられ、

 

弥が上にも期待が高まります。

 

 

京都・相国寺の住持、大典和尚と

 

深い親交があった若冲は1770年、

 

自身の永代供養と寺の荘厳を願い、

 

「動植綵絵」30幅と「釈迦三尊像」

 

3幅を相国寺に、寄進しています。

 

しかし、「動植綵絵」はその後、

 

皇居東御苑内にある、宮内庁

 

三の丸尚蔵館の所蔵となったため、

 

「動植綵絵」と「釈迦三尊像」が一堂に、

 

展示される機会は滅多にありません。

 

1889年に、「動植綵絵」が相国寺から

 

皇室に、献上されて以来、一堂展観が

 

実現したのは以下の3回のみ。

 

① 2007年 京都 

 「開基足利義満600年忌記念 若冲展」

 

② 2012年 ワシントン 

 「伊藤若冲 日本花鳥画展」

日本から桜が寄贈されてから100周年を記念

 

③ 2016年 東京 

 「生誕300年記念 若冲展」

 

そして、今回、日仏友好160周年を

 

記念したパリでの開催が、4回目

 

ということで、いかに、特別な展覧会

 

であるかが、お分かりいただける

 

かと思います。

 

 

ヨーロッパで、北斎、歌麿、広重は

 

知名度も人気も抜群ですが、若冲は

 

まだ、あまり知られていません。

 

私の誘いで、同行した主人も

 

先入観に、とらわれることなく、

 

予備知識なしでの鑑賞となりました。

 

「動植綵絵」全30幅, 宮内庁三の丸尚蔵館蔵

 

「動植綵絵」と「釈迦三尊像」は

 

作品保護により、撮影禁止

 

となっておりましたので、こちらの

 

画像は展示室外で、流れていた

 

ビデオを撮影したものです。

 

「群鶏図」(動植綵絵30幅のうち), 宮内庁三の丸尚蔵館蔵

 

10年の歳月をかけて制作された

 

「動植綵絵」は釈迦のもとに集う

 

鳥や花木、虫や魚などのさまざまな

 

生き物を色彩豊かに描いた、

 

30幅からなる絹本著色の作品です。

 

実物を初めて、目にした私は

 

その大胆な構図と驚くべき緻密な

 

描写、そして、美しい色彩に、

 

ため息の連続でした。

 

「老松白鳳図」(動植綵絵30幅のうち), 宮内庁三の丸尚蔵館蔵

 

主人は技法もさることながら、

 

写実的な中にも幻想的な部分が

 

融合する独特な作風に、

 

興味を抱いたようでした。

 

 

ビデオでは6年を費やした保存修復

 

作業により、若冲が絵絹の裏から

 

彩色して、深みをだす裏彩色の

 

技術を施していたことや紺青

 

(こんじょう=顔料の一種)が日本に、

 

輸入される前よりも先に、使用して

 

いたことなどが解説され、その興味

 

深い内容に、フランス人来場者も

 

真剣に、見入っていました。

 

「釈迦三尊像」 京都・相国寺蔵

 

向かって、左から

 

「釈迦如来」、「文殊菩薩」、「普賢菩薩」。

 

 

また、若冲の拓版画で、最も完成

 

された作品とされる「玄圃瑶華

 

(げんぽようか)」も展示されていました。

 

玄圃は崑崙(こんろん)山脈にある、

 

仙人が住むという伝説の場所を指し、

 

瑤華とはまるで玉のように美しい花

 

のことを言うそうです。

 

 

江戸時代に、広く普及していた、

 

生薬・医薬の学問「本草学」に根ざした

 

中国の植物書を手本に、制作された

 

そうですが、構図が絶妙ですね。

 

 

動物たちの姿もユーモラス!

 

売店では「動植綵絵」のポスト

 

カードをはじめ、しおりや図録などを

 

買い求める方々が列をなし、

 

盛況でした。

 

「ジャポニスム2018」の開催により、

 

芸術や文化を通じて、より多くの

 

方々が日本への理解や関心を

 

高めてくれたら、嬉しいですね。

 

「動植綵絵」は宮内庁三の丸尚蔵館

 

の所蔵とはいえ、常設展示では

 

ありませんので、フランス在住日本人

 

の方はもちろん、この時期に、

 

日本からパリに、お越しになる方

 

にもおすすめしたいです。

 

パリで、鑑賞する最大の利点は

 

日本ほど混雑しないことです。

 

私は最も空いている時間帯を

 

狙ったので、ほとんど待たずに、

 

入場できました。

 

これは決して、人気がないからでは

 

なく、私がプティ・パレを立ち去る

 

時には行列ができていました。

 

開催期間の終盤には駆け込み

 

来場者による、さらなる混雑が

 

予想されますので、興味の

 

ある方はお早めに。

 

10月14日までの開催となります。

 

 

現在、プティ・パレでは「若冲」展の

 

ほか、「ロンドンの印象派 亡命した

 

フランス人 画家達の活躍 1870-1904」展

 

も開催中で、若冲展への入口は

 

正面の入口からではなく、その

 

向かって、右手にある、階段をのぼる

 

必要のない入口からとなります。

 

しかし、入館後にチケットを購入

 

するため、入館の際にはどの

 

展覧会がお目当てとか関係なく、

 

短い列に、並ぶ方が有利ってことに

 

なるのかな?(自己責任でお願いします。)

 

「ロンドンの印象派」展も

 

鑑賞してきましたので、

 

その様子は後日、ご報告します。

 

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◆ Petit Palais

住所

Avenue Winston Churchill 75008 Paris  

TEL 01 53 43 40 00
開館時間

10:00-18:00(金 10:00-21:00 / 土日 10:00-20:00)

休館日 月曜日、一部祝日
最寄り駅

Champs-Elysees Clemenceau ①⑬

Website http://www.petitpalais.paris.fr/