すると王様は、すぐにぱっと前を向き、
岐伯に言いました。
「ありがとう。
では、さっそく聞きたいことがあるぞ。
岐伯、教えてくれ。
これまで、病になるのは、
体の中の陰気と陽気のバランスが崩れることと、(王様と本作り4)
バランスが崩れた所に、邪気が入り込むためだと聞いた。(王様と東西南北20)
しかし、そもそも、
陰気と陽気のバランスがくずれるというのは、
どこから起こっているのだ?」
岐伯はこたえて言いました。
「はい、それは、
怒 (はけ口を求めて出ようとするのを、じわじわと力を込めて押し付けて置く)
喜 (ごちそうをお供えできるうれしさと感謝)
悲 (会いたいのに会えない)
恐 (心の中が空虚でよりどころなく先の見えない不安)
寒 (冷やす)
炅 (温める)
驚 (はっと緊張して体に力が入る)
労 (疲れすぎて、消耗して弱る)
思 (小さい心の動きで、内で考える)
この九つの気の変化によって起こります。」
王様は、九つの字を本に書き留めてから、岐伯に言いました。
「この九つは、それぞれに、違うのであろう。」