岐伯は、続けて言いました。
「労するときは、
口から、はあはあ、ぜえぜえと、早い息をして、
体から、たくさん汗が出ます。
こうして、どんどん、体の内から外に出て行くので、
労において、気は減るのです。
寒するときは、
腠理が閉じてしまうので、気が出られません。
出られずにいて、閉じ込められたままになるので、
寒において、気は縮むのです。
炅するときは、
腠理が開いたままになるので、
栄気や衛気が通るたびに、汗がたくさん出ます。
汗とともに、気も出てしまうので、
炅において、気は流れ出るのです。」
岐伯の話は分かりやすく、
気が正しくなくなる様子が、はっきりと想像できました。
知りたいことが知れて、
王様は、岐伯に言いました。
「ありがとう、岐伯。
全ての病は、
九つの変化によって、
気が正しくなることから始まるのだと分かったぞ。
でも、もっともっと、病について知りたいぞ。
これからも、そばにいて、
色んなことを聞かせてくれ。」
王様の質問は、これからも続きます。
(王様と痛み 終)
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読んでくださり、ありがとうございました。