王様は、長と聞いて、

外の国の、長のことを思い出しました。

 

その国は、王様の国とは違う言葉を話していて、

食べ物も、服装も、習慣も異なります。

王様の国の人は、その国のことを、あやしいとか、おそろしいとか言っていましたので、

王様も、国の長と会う日には、こわいなあと思っていたのですが、

いざ会ってみると、こわくなかったし、

たくさん話をして、仲良くなれば、国のこともよく分かりました。

 

だから、長の話を聞けば、国のことが分かったように、

百病の長である風の話を聞けば、病のことがもっと分かるかもしれません。

王様は、もっと風の邪気のはなしを聞きたいと思い、

岐伯に言いました。

 

「岐伯、もっともっと、風の邪気のことを聞きたいぞ、

さっき言っていた、風の邪気が五臓を傷つけるのは、同じ症状ではないのは、

それぞれ、どんな病になるのか、知りたいぞ。」

 

岐伯はうなずいて言いました。

 

「はい、お話しします。

風の邪気が、五臓六腑いずれかの経脈の兪穴にぶちあたると、

臓腑の風の病になります。」