王様は岐伯に聞きました。
「では、体が熱くて、息が浅く、
だらりとしていて、しゃんとなれない人が、
まるで水浴びしたようなほどに汗をかいていて、
風が当たるのを嫌がるのは、
病はなんという病だ?」
岐伯はこたえて言いました。
「その病の名前は、酒風です。
酒風には、
水辺に生えるオモダカの根のかたまりと、
林に生えるホソバオケラとオオバナオケラの根の茎を、
乾かして粉にしたものを、それぞれ同じ量と、
山に生えるイチヤクソウを乾かして粉にしたものを
それぞれの量の半分の量入れて混ぜ合わせ、
指三本でつまんだ量を、ごはんのあとに飲むのが治療です。」
王様は、つまむしぐさをしてみました。
指三本では、少ししかつまめなさそうだけど、
そんなものなのかな、と思って「ふんふん」と言いました。