先週末の土曜日、
堂本印象美術館リニューアルオープン記念展IIに行ってきた。
美術館敷地の左手の庭園では
「野外いけばな展」も執り行われていた。

 



華道の世界など全く知らない野暮な小生だが、
ここまで行くと生け花と云うより、もはや造形作品。













 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


印象デザインの椅子とのコラボレーション!















何時もと違う庭園に出会えて、
ある意味新鮮か!

















印象デザインの建物とのコラボレーション!















それではリニューアルオープン記念展II
徳岡神泉―深遠なる精神世界―を観る事に…













徳岡神泉は明治29年(1896)に京都市上京区に生まれ、
生涯の大半を京都で過ごしながら制作を行った作家と云う事だが、
この展覧会で接するまで全く知らない画家だった。

 



説明によると、
神泉は竹内栖鳳の画塾・竹杖会や京都市立絵画専門学校に学び、
写生に基づく花鳥画を中心とする京都の日本画の流れを受け継ぎ、
生涯一貫して植物や風景といった身近な自然をモチーフに制作。
苦悩した青年期を乗り越え、
戦前にはすでに高い評価を得ていた神泉だが、
昭和20年代後半以降、自然を心の眼で深く見つめ、
無限の集中によって存在の核心に迫る象徴的な表現世界を展開。
昭和47年(1972)に京都で没するまで
幽玄ともいわれる独特な表現で近代日本画において、
大きな足跡を残した日本画家です。







これはチラシやポスターに使われていた、
今回の象徴的な作品「蕪」は1958年の作品。

 



初めて観た印象は曇り空に浮かぶUFO?
キャッチコピーには「カブの中に宇宙…!?」

と云うより、昔よく観ていた「進め!電波少年」の
オープニングの空飛ぶ舞台にも見えなくもない!
普通なら葉の付いた「かぶら」を描くはずなのに、
何故か葉の部分がバッサリ切られた「かぶら」…

 

 

 

 

 

 




こちらの作品、何か分かりますか?




一見タイポグラフィ(文字のデザイン)と思いきや、
イネを刈り取った後の田んぼを描いた1960年作「刈田」。
豊かに実る稲穂全貌は描かず、
寂しく刈り取られたイネの跡を印象的に描いた、
「蕪」同様、不思議な表現作品だ。


京都国立近代美術館で先週まで行われていた
「生誕110年東山魁夷展」。
徳岡神泉は東山魁夷より一回り上になるのだが、
東山魁夷の初期の代表作「道」は「蕪」に観られる、
物体の捉え方、表現方法、色彩感はどこか通じるものがある。


明らかに違うのは、
東山魁夷が広大な景色の深淵を描く事に筆を重ねていくが、
一方神泉は極力単純化されたフォルム、
複雑で朦朧とした色彩に活路を見出していったような気がする。
それはある意味、神泉芸術の特徴として表現されている、
幽玄な雰囲気なのかもしれない。

例の如く館内は撮影禁止なので、チラシの画像だけでご勘弁を!




1950年作「鯉」東京国立近代美術館

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



1966年作「薄」東京国立近代美術館 

 










生涯一貫して植物や風景といった
身近な自然をモチーフに制作した神泉。
独自の境地に辿り着いた戦後の代表作を中心に、
神泉芸術の特性が紹介されている。


堂本印象美術館リニューアルオープン記念展II
 徳岡神泉―深遠なる精神世界―
2018年10月13日(土)~11月25日(日)
同時開催で「堂本印象 日本の風景、ヨーロッパの風景」
日本画家から抽象的な表現に繋がる、
印象新境地の代表作「メトロ」なども展示されていた。


 


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