「なぜ,大学一年生の株式投資を応援するのか?」


その理由,サラリーマンで企業内キャリアコンサルタントをつとめる僕の胸の内を暴露します。

 

 

 


 

 

 

さきに,答えを言ってしまうと,
 

単純に

 

本人が

 

「やりたい」

 

と言ったから…
 

です。
 

 

 

こう言うとミもフタもないように感じるかも知れなません。
 

ですが,
 

「やりたい!」
 

と本人が言ったとき,このタイミングこそが最も大切なのです。


 

When 完璧なタイミングを科学する

 

 

 


禅語にもあります。

 


啐啄同時(そったくどうじ)
 

またとない好機のことで,学ぼうとする者と教え導く者の息が合って、相通じることを意味します。
 

鳥の雛(ひな)が卵から出ようと鳴く声と母鳥が外から殻をつつくのが同時であることが由来です。
 

 

 

とはいえ,
 

「大学生とはいえ,まだ判断力の乏しい未成年者に,株式投資のような(いかがわしい?)ものを親が応援して,何考えてんの!」
 

と,お叱りを受けるかも知れません。
 

 

 

たとえば,「池上彰の講義の時間 高校生からわかる「資本論」」の中では,結局稼げない副業として真っ先にあげられているのです。
 

投資、株式、不動産、FX
代行サービス、ベビーシッター、UberEats
覆面調査
クラウドソーシング(外注作業)、データ入力
ポイントサイト
転売、せどり

 

これらに共通しているのは,一時的な収入にはなっても,今後ずっと稼いでくれる商品ではないこと。

 

自分の資産として積み上がっていくストック型ビジネスではないことです。

 

結局は,ずっと自分が働き続けなければならないフロー型ビジネスなのです。

 

 


確かに(^^;
 

サラリーマンとしての働き方もそう…,結局は稼げず,貴重な資産(時間,スキル・知識)を搾取されている感じ…

 

 


いや,でもです。
 

企業内キャリアコンサルタントとして,年間200人くらいの社員と直接あって個別に面談していると,いろいろと考えることがでてくるのです。

 


たとえば,それは,


「どうすれば,世界に通用するエグゼクティブビジネスマン,マネージャーとしての能力が開発できるのか?」
 

という疑問です。
 

 

「マネジメントは○ックスと同じような扱いをされている。試行錯誤しながら学んでいくしかないのが現実だ」
 

 

というのは,ロングセラー「MBAが会社を滅ぼす マネージャーの正しい育て方」の著者であるヘンリー・ミンツバーグ教授。
 

たしかに(たとえが不謹慎です(^^;)
 

 

 

ここで,世界に通用するエグゼクティブビジネスマン,マネージャーとして必要な要件をまとめてみました。


セルフチェックシートです。

 

 

どうでしょう?
 

 

「なぜ,大学一年生の株式投資を応援するのか?」
 

 

”啐啄同時”とは違う側面が,見えてきたでしょうか?
 

 


単に,好き勝手に株式投資をさせるだけではなく,できれば毎月,長くても四半期ごとに「決算報告書」をつくり,拠出者=株主である僕に報告してもらいます。

 


これは,あとから息子に追加要望したもので,かつ,本人の意に沿わなければ無視してもかまいません。「やる」「やらない」は,本人の決断にゆだねています。結果は自己責任ですから。

 

 


「株主投資」×「決算報告書」
 

 

これによって開発・向上することが期待できる能力は,次の通りです。
 

軸・セルフマネジメント
Integrity(誠実さ)
チャレンジ精神
自己認知
好奇心・探究心
曖昧なことに対する許容性
ストレスマネジメント
粘り強さ
向上心
学習する能力
コミットメント・計画を完遂する


経営スキル
財務会計
グローバル マクロ経済動向
コーポレートガバナンス
思考力
問題解決
論理的思考
戦略的思考


コミュニケーション  (対個人)
説得力
プレゼンテーション
ヒューマンマネジメント(対複数)
リスクマネジメント
業績管理
プロジェクトマネジメント
意思決定力

 


どうでしょう?
 

どれもこれも,学校の授業では学ぶ機会のないものばかりだと,感じませんか?
 

学校教育においては,いわゆる認知能力ばかりで,ビジネスで必要な非認知能力を開発・向上させる施策に乏しいのです。
 

 

 

さらに,「マネジメントとは本来、『クラフト(=経験)』『アート(=直感)』『サイエンス(=分析)』の3つを適度にブレンドしたものでなくてはならない」ものにもかかわらず,MBAや企業内教育においても,サイエンス(=分析)があまりにも偏重されているのです。

 


だから,世界に通用するエグゼクティブビジネスマン,マネージャーが育っていない…残念。

 

 

MBAが会社を滅ぼす マネジャーの正しい育て方

 


ここで,著者はあえてマネージャーと表現しています。


マネージャーとリーダーとを区別し,マネージャーよりもリーダーの方が必要とされるという論調がありますが,そもそもマネージャーとは,リーダーとしての役割を果たしてこそ機能するものだというのが著者の主張です。

 


つまり,リーダーとして方向性を指し示すだけではなく,チームで困難を乗り越えミッションを完遂するまでが,マネージャーとして期待される役割なのです。

 


以上,まとめると,


「なぜ,大学一年生の株式投資を応援するのか?」


・”啐啄同時”,またとない好機!学ぼうとする息子と教え導こうとする父の息が合って、相通じました。


・「株主投資」×「決算報告書」で,世界に通用するエグゼクティブビジネスマン,マネージャーとしての能力開発に期待


・とくに,「好奇心・探究心」「曖昧なことに対する許容性」「ストレスマネジメント」「財務会計」

 


参考図書は,

 

MBAが会社を滅ぼす マネジャーの正しい育て方

 

When 完璧なタイミングを科学する

 

 

池上彰の講義の時間 高校生からわかる「資本論」

 

 

ひとりビジネス応援塾

 

 

前回は,大学一年生の息子が株式投資を始めるにあたって,サラリーマンで企業内キャリアコンサルタントの僕が,彼にだした課題をお伝えしました。


息子に送ったメールの内容をほぼそのまま,公開しています。

 


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