別切り航空券は乗り継ぎ時間に注意!実質統合して1枚の通し航空券にする方法

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別切り航空券って、ご存知ですか?

普通、国際線の航空券は、出発地から目的地までの往路、そして目的地から出発地までの復路まで一括(通し)で購入するのが通常の購入方法です。

このため、一括で購入した航空券は、どんな複雑な旅程であっても1枚の航空券として発券されます。

一方、別切り航空券とは、その名のとおり同一旅程のうち一定区間を「別々に購入した」航空券のことをいいます。

これは、例えば旅程を通じてすべて同じ航空会社の便であっても、「別々に購入した」すべてのチケットは、「別切りチケット」の扱いになります。

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例えば、上記関連記事でも紹介したとおり、私は、以前夏休みのハワイ行きチケットとして、往復ソウルーホノルルのアシアナ航空ビジネスクラスチケットを予約しました。

このチケットは往復ともに特典航空券での発券です。

しかしながら、特典航空券の場合、いわゆる「手戻り旅程」(最終目的地の進行方向逆方向に移動したのちに、最終目的地に向かう旅程)は発券できません。

このため、日本ーソウル間の往復のチケットは、上記ソウルーホノルルの特典航空券とは全く別に用意しました。

つまり、1回の旅行に付き航空チケットが2枚発券される・・別切り航空券の状態になってしまったんです。

この別切り航空券を発券した際の注意点と、この別切り航空券は果たして「1本化(統合)」できないのか?という問題について解説します。

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何故「別切り航空券」と呼ぶの?

何故、この「別々に発券しただけで、でも実際は同じ旅程内の航空券」のことを「別切り航空券」と呼ぶのか?

これは、もう数十年前になりますが、昔の航空券が冊子になっていたことに起因します。

現代の航空券といえばeチケットが主流で、紙の航空券すらなくすべてスマホ上で完結することも多いのですが・・。

昔の航空券は旅程順にすべて「冊子」で提供されていたんです。

例えていうなら・・小切手帳のような感じですね。旅程ごとに、その冊子から航空券をミシン目で切っていくという・・。

この旅程順の航空券の冊子が、別々での航空券発券の場合冊子が分かれているので、航空券をその冊子から「別に切る」ことから、「別切り航空券」と呼ばれるようになりました。

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別切り航空券のデメリット

別切り航空券のデメリット
  1. 空港利用料、諸税が別途かかる
  2. 乗り継ぎ便の乗り継ぎ保証が(原則)されない

この別切り航空券、デメリットは大きく上記の2点になります。

以下、順に解説していきます。

空港利用料、諸税が別途かかる

これはもう読んでのとおりですが、別切り航空券の場合、空港利用料、諸税が別途かかります。

例えば私の場合、上記のとおり日本ーソウルーホノルルという旅程ですが、日本ーソウルと、ソウルーホノルルを別切り航空券で発券することにより、ソウル仁川空港の空港利用料、諸税が別々に徴収されます。

本来、ソウルでの乗り継ぎですので、利用料・諸税の徴収は1回で済むんですが、別切りにすることで二重に徴収されます。

これ、地味ですが結構痛いです。

ただ、ほとんどの別切り発券の場合、この料金を含めても別切り発券の方がお得であるという理由からこの方法を採ることが多いと思いますので、実際にこのデメリットに気づくことは少ないかもしれません。

ただ、別切り航空券にしたことで、実は空港利用料、諸税が別途徴収されている、ということは覚えておくとよいでしょう。

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乗り継ぎのケアが原則としてない

そして、この別切り発券の最大のデメリットがこちらです。

同一航空券の場合確実に対応していただける、到着便遅延時の乗り継ぎへのケアが、原則としてされないんです。

航空券には「運送約款」という決まりが設けられています。

この約款に書かれているのは、「航空券に表示された出発地から目的地までのお届けを保証いたします」ということです。

つまり、航空券が2枚に分かれた別切り航空券の場合、その航空券をまたいだその先の旅程の保証はないんです。

上記私の例を用いて再度解説すると、「日本からソウル」、「ソウルからホノルル」の別切り航空券の場合、それぞれ「日本からソウル」、「ソウルからホノルル」の旅程は保証するしてもらえます。

が、日本からソウルへの到着が何らかの理由で遅れた際など、「ソウル便の出発時間に間に合わなかった」場合の補償(乗り換え便の用意など)は、原則としてありません。

はっきり言って、別切り航空券の最大のデメリットはこの点です。

このため、別切り航空券を発券する場合、最悪のケース(数時間の遅延)も考慮して、かなり長めのトランジット時間を取ることを、まずはおすすめしたいと思います。

個人的には、別切り航空券の場合3時間~6時間以上の乗り継ぎ(トランジット)時間をとっても良いと思いますね。

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遅延補償が無い理由

ではなぜ、別切り航空券では原則この「遅延補償」が無いのでしょうか。

それは、別切りチケットにはMCT(Minimum Connecting Time)=最低乗り継ぎ時間の概念が適用されていないことによります。

通しの航空券を発券する場合は、各航空会社は空港ごと、そしてアライアンスのある航空会社ごとに設定された、最低乗り継ぎ時間が確保できているか否かで、通しの航空券の発券可否を判断します。

そして、その最低乗り継ぎ時間が確保できている場合に限り、乗り継ぎを保証しています。

一方、別切りチケットの場合、このMCTの概念は全く考慮せずに、航空券を発券することができてしまいます。

もちろん、MCT以上の乗り継ぎ時間を確保している乗客もいるでしょうし、一方でMCT以下の乗り継ぎ時間しか確保していなかった乗客もいるでしょう。

さらに、そもそも別切り航空券の場合、乗継便の情報が航空会社に連携されていません

つまり、航空券が別々になっているので、各航空会社はそもそも搭乗客が乗り継ぎ便からの客なのか、普通に空港に来て搭乗する客なのか、分かんないんです。

このため、一律で、まずは別切り航空券の場合の遅延補償はなし、という判断が適用されます。

一律、乗り継ぎ保証が行われない判断が下されても・・こういう理由なら仕方ないですよね。

このため、別切りチケットでの搭乗の場合、特に乗り継ぎ時間の確保にはご注意いただきたいと思います。

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別切りチケットは1枚に統合(一本化)できないの?

この別切りチケットですが、要はぶつ切りになっているから情報連携がないんですよ。

これ、全く別の航空会社の場合なら致し方ないとして・・。

例えば同じアライアンス(スターアライアンス、ワンワールド等)の場合や、別切り便とはいえ同一航空会社の場合など、1枚の通しチケットに統合(一本化)はできないの?という疑問は、当然に湧くと思います。

この疑問に、順を追ってお答えしていきます。

別切り航空券の一本化(統合)は不可能

まず、残念なご紹介から。

この別切り航空券をそもそも一本化(統合)することは、残念ながら「不可能」です。

これは、前述の税金等の問題が複雑に絡んでいるんだと思います。一本化してしまうと空港使用料や諸税の扱いがわけがわからない状態になってしまいますからね。

別切り航空券は、あくまで別切り航空券のまま、デメリットを意識して利用するしかないということです。

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スルーバゲージは原則として可能

別切り航空券のデメリットを考慮して利用するしかないのはわかったけど・・。

次に気になるのは別切り航空券の場合いちいち到着空港で荷物のピックアップが必要なのか?ということですよね。

この点は大丈夫です。

当日空港のチェックインカウンターで「スルーバゲージ」をお願いすることで、原則として別切り対象の空港で一々荷物をピックアップする必要はなく、最終目的地まで荷物を運んでもらうことが可能になります。

実際に私はここまでご紹介した「名古屋ーソウル」「ソウルーホノルル」の別切りチケットで、名古屋からホノルルまでのスルーバゲージをお願いできました。

また、復路は往路にリクエストしたことで自動的にほぼ一本化チケットとして扱われ、3つあった荷物のうち2つをホノルルから名古屋へ直送、そして1つのみソウルでピックアップ、ということもお願いできました。

ただ、このスルーバゲージに対応している空港と対応していない空港があります

空港によっては一旦ピックアップの必要もありますので、事前に搭乗する航空会社に問い合わせをしておくとよいでしょう。

乗り継ぎのケアをお願いする方法

そして、別切り航空券最大のデメリットである乗り継ぎへのケアの問題。

そもそも航空券を統合することはできませんが、実は、事前に「別切り航空券であるけれども、同一空港で乗り継ぐ」ことを各航空会社に連絡して、「乗り継ぎ情報」を登録していただいておくことで、最大限のケアをしてもらうことができます。

特に、同一アライアンス(スターアライアンス、ワンワールドなど)内の便の乗り継ぎや、同一航空会社の便の場合、この効果はかなり大きいです。

アライアンス加盟外であっても、IATA加盟の航空会社の場合は、ほぼ確実に乗り継ぎの配慮を行ってもらえますので、連絡しておくに越したことはありません。

ただ、あくまで「配慮」であり、保証ではない点にはくれぐれもご注意ください。

また、この配慮を受けるために必要なのは前述の最低乗り継ぎ時間(MCT)の確保です。MCTすら確保できていない乗り継ぎには、さすがにケアを受けることはできないとお考え下さい。

また、乗り継ぎ便がLCCやアライアンスに未加盟の会社の場合、この対応は「ほとんどない」と思っていただいた方がよいでしょう。

ただし、この遅延対応については最大限の配慮はしてもらえると思いますが、絶対的な「保証」までは、別切り航空券の場合かなり難しいと思います。こ

のため、別切り航空券の場合約3~6時間程度のトランジット時間を確保するようにした方が無難だと思います。

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別切り航空券の発券の際は、長めのトランジット時間を

以上、別切り航空券発券時の注意点、そして別切り航空券を実質1枚の航空券とする方法をご紹介しました。

とにかく致命的なのは乗り換え便のケアがないことです。別切り航空券を発券する場合は、かなり余裕を持った旅程(トランジット)とされることをおすすめします。

一方、別切り旅程であっても、例えば預け入れ手荷物のスルーバゲージなど、同一航空券と同様のサービスは受けることができます。また、同じアライアンスの航空会社の場合などは、事前に連絡しておくことで、乗り換え便のケアもある程度お願いすることはできます。

しかし、同一航空券としての扱いとは絶対的に内容は異なりますので、あくまで参考程度にとどめていただき、十分な乗り換え時間の確保が必要だと思います。

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