多極化時代、日本の「生産性」を高めるにも、物を作れるようになることが大事だ。 | ずるずると道・郷・話を愛でる

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生産性という言葉は、カネに換算して比較がなされるものである。もちろん、生産性が低いことは何か問題があることを示しているのではあるが、単純にそれを引き上げればよいという単純な解決策で状況が好転するとは限らない。あくまでも一つ側面を示す指標であり、その指標がダイレクトにしめす現象が解決したいことだけが要因となっているわけもないのである。本当に解決したいことはおそらくもっと具体的で、その指標からだけでは見えないものである。一見意味がありそうで、理屈が整っている解決策は、解決策がやりたいことがどうなっているかをしっかり見ないと、意味はないのである。

いつもの日本の学ぶべきところは本当に欧米か!

 

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190411-00064021-gendaibiz-bus_all&p=3

日本の生産性が低いのは、我々が「合理性」を憎んでいるからだった

橘玲 現代ビジネス 4/11(木) 8:01配信

 

主要先進国で最下位の生産性 

日本人は合理性を憎んでいる

会社嫌いなのに長時間働く日本人

生産性が高い工場を海外へ移転 

正社員から排除された若年男性

 

リバタリアン(政府は経済に口を出さないことが理想のイデオロギーの持ち主)の橘玲が、日本の悪い点を指摘してその原因を日本の構造に求め、自由主義を絶対善とした範囲で無責任な解決策を示すという記事である。

 

指摘された問題自体は現実のデータから示されたものであり、基本的には虚心坦懐に認識するできものだろう。ただ、最後に示される開放は、イデオロギー色が濃くあらわれるものである。おそらくは、物事を見るときにやるべき解決策が頭に先に思いついたうえで記事に書いてしまうタイプの人なのであろう。それゆえに、指摘する事実もそれに合わせてピックアップしており、最後に書きたいこと、日本企業の在り方を竹中平蔵張りに流動的な人材にし、最適化することで、その場で使える人間だけを重用することによって、結果として格差を助長する形にしたいのだろう。

 

彼が言いたいのは国民に回すカネがあれば寄生虫たる専業投資家に渡せということ

 

その方が、社会の寄生虫である専業投資家としては、儲かるからいいのである。カネもうけの最適化の結果として、多極化時代の独立的な国家に備えるべき能力を取りそろえることはできない。寄生虫である投資家へのカネをもたらす企業の収益を上げるという一点についての比較優位の法則から、他国に強く依存する形で、最適化することを求めているからだ。

 

このような無責任で自分勝手な解決策の提示方法は、経済分析が的確で鋭いといわれる日本共産党が、その分析をもとに示す解決が、大企業憎し、公共事業にくし、(軍事力をつける可能性があるという理由のみで)経済成長憎しゆえに明後日の方向に向くのと同じで、人類の堕落をもたらすことも気にせず資本家のカネもうけに最適化している欧米の格差社会の上澄みを手放しで礼賛する立場から示される。問題解決を素直に聞く必要はない。

 

我々が失ったのは物を作る力である国力

 

我々が取り組むべきは、いろいろな産業について、さらに、介護などを含む福祉事業なども含めて、日本人でどうにかする方法を考え、それに備える技術開発を行っていくことである。財源は、日本円なので、国債発行などの方法を含めてうまく政府が出していくことで調整するのである。日本の破たんは、財源の問題では起こらない。日本人が国内でやらなければならないことがやりきれなくなることで起こるのである。財源の問題ごときで、必要な仕事をできなくなる方が恐ろしい。

 

我々は、問題の指摘そのものは真摯に受けるとしても、我々の持つべき国力が衰退していることをにリンクしてその問題をとらえなおす必要があるのだ。日本社会から金を吸い上げることにしか興味がない橘玲のような寄生虫は、自分を肥え太らせるかどうかにしか興味がないため、言葉巧みに無意味な問題にすり替え、ほとんど害にしかならないことであること多いのだ。同じ現象を同じ問題から、我々の社会の土台である国をどうしていくのかということは、守銭奴や寄生虫と違う観点で我々が考えなければならない問題なのである。