フィンランド大学・大学院留学完全ガイド

公開日:2018年11月9日  更新日: 2019年11月30日 関連分類:

 

 

フィンランドへの留学を考えていますでしょうか?

 

筆者はフィンランドの大学でビジネス系の修士課程及びコンピューターサイエンス系の学士課程を経験したことがあり、筆者個人の経験を加え、フィンランド大学・大学院へ留学する関連情報をまとめてみたので、是非フィンランド留学に興味ある方はご参考ください。

 

 

フィンランドには14軒の一般大学と26軒の応用科学大学がある

人口550万人のフィンランドには一般大学14軒応用科学大学26軒があります。

 

一般大学(University/Yliopisto)は研究と学問を中心とする大学であり、様々な分野においてより深い知識を求める場所です。

応用科学大学(University of Applied Science/Ammattikorkeakoulu)はより深い知識を求めていくより、学んだ知識を実際に仕事に応用するように高等教育を受ける場所です。

 

上記のような分け方があるが、一般大学の多くも産学連携を行っているし、応用科学大学でも論文を読むことが一般的にあるので、かなり広範囲で同じ教育を行っているとも言えますね。

 

ただ、一般大学では学士号、修士号、博士号取れますが、応用科学大学は学士号、修士号しか取れません。

 

 

 

 

フィンランドの公用語はフィンランド語とスウェーデン語ですが、多くの大学には英語のみで学位を取得できる学部専攻や修士課程があります。英語だけでも留学できる国です。

 

フィンランドの多くの大学と応用科学大学が首都のヘルシンキエリアに集中しているが、他の主要都市やエリアにも大学や応用科学大学が点在しています。

 

学校の場所によって都会で生活するか、田舎の町で生活するか、冬に太陽が見れるかどうかで日々の生活がが大きく変わるので、是非その場所も確認してみてくださいね。

 

 

※フィンランド南部の大学所在地と一覧。

 

 

※フィンランド中北部の大学所在地と一覧。

 

 

ちなみに、フィンランドは小国ですが、大学の世界ランキングでも劣っていません。

ヘルシンキ大学は世界ランキング100位内、アールト大学は世界200位内、タンペレ大学、トゥルク大学、オウル大学、イースターンフィンランド大学、ユヴァスキュラ大学、タンペレ工科大学などは世界500位以内です。

 

 

フィンランドに留学する様々な制度

学位を取得するか、交換留学するかなど様々な制度が存在しています。

 

 

日本の大学に在学している学生は「交換留学」や「訪問留学」

日本の大学に在学している且つ在学している大学はフィンランドの大学と提携している場合、日本の大学とフィンランドの特定の提携校と交換留学生を毎年派遣しています。

 

例えば、金沢大学ならば、毎年フィンランドのアールト大学とユヴァスキュラ大学に交換留学生を数名派遣しています。金沢大学の学生であれば、応募することが可能です。

 

 

また、もう一つフィンランド独特な制度ですが、交換留学の提携校ではなくても、行きたいフィンランドの大学に直接「訪問留学(Visiting student)」の申し込みも可能です。

 

筆者もユヴァスキュラ大学に在学していた際に、早稲田大学から1名の学生がこの訪問留学制度を利用してユヴァスキュラ大学に交換留学のような形で1年間留学されていました。

 

 

在学していない人もしくは社会人は「学位取得」で留学

学士号、修士号、博士号の取得を目指して留学することです。

日本の大学に在学する必要がなく、希望するフィンランド大学の専攻の応募資格が合えば誰でも学位取得を目指してフィンランドの大学に応募することができます。

 

 

また、フィンランド移住を目指す方でもまず学位取得の目的にフィンランドの大学に数年間入ることをお勧めします。

一つは在留資格(ビザ)がとりやすくなりますし、もう一つはフィンランドの社会に徐々に溶け込んでいく余裕があるからです。

 

 

フィンランドの学部課程は3~4年かかり、修士は全て2年です。博士は3年以上となります。

 

 

 

 

誰でも行けるのは「サマースクール」や「オープンユニバーシティ」

最後は誰でも行ける「短期スクール」です。

 

フィンランドの多くの大学や学校が夏期間に「サマースクール」、冬期間に「ウィンタースクール」、他の期間に「オープンユニバーシティ」を開講しています。

3ヶ月以内の滞在であれば、観光という目的で滞在し、事前ビザの取得不要でこれらのコースに参加することができ、気楽に学校に入ってみることができます。

 

 

留学にどのくらいお金がかかるの?

留学に当たり、最も気になるのはやはりどのくらいお金かかるということでしょう。

 

 

毎年の学費はいくらいかかるの?

EU外の人がフィンランドで勉強するに学費が必要なのは「英語で勉強する学士や修士課程のみ」です。

なので、博士課程は無料で、フィンランド語もしくはスウェーデン語でやる全ての学位課程は無料です。

 

 

英語で大学もしくは大学院で修士を勉強する場合、毎年学費は大学と専攻によりますが、4000~18000ユーロ(約52~234万円)となりますが、一般的に8000~12000(約104~152万円)ユーロのが多いです。

 

 

また、フィンランドの大学から学費免除の奨学金を結構多く出しています

筆者の知り合いの中でも二人は学費全額免除で今フィンランドの大学の修士課程で勉強しています。

 

 

 

 

毎月の生活費はいくらかかるの?

学生の場合、様々な補助があり、かなり生活費を抑えることができます。

 

項目 費用
学生寮家賃
(2~4人シェア)
300~400ユーロ/月
(約4万~5万2千円)
食費 150ユーロ(約2万円)
交通費 0~50ユーロ
(約0~6500円)
通信費 0~20ユーロ
(約0~2600円)

 

合計6万~8万円くらいです。

切り詰めて生活すれば、月の生活費を5万円に抑えることも可能です。

 

 

筆者の経験によると、ユヴァスキュラ大学時代に住んでいた最安値の学生寮は家具付きで230ユーロ(約3万円)でした。ヘルシンキの安い学生寮は300ユーロでした(約4万円)

しかも、学生寮はこの値段で「光熱費付き」「ネット付き」なんです!!

 

 

食費は学食以外ほぼ完全自炊でした。

パーティーを開く場合も学生寮の共用スペースを借りで何か料理を作る形で節約。

外食は10~30ユーロ(1300~3900円)です。

学食は基本的に昼食のみで、一食2.6ユーロ(約340円)です。

 

 

 

 

交通費は自転車を冬にも乗り通せば、ほぼゼロです。

幸いフィンランドのどの町も大きくなく、自転車でほとんど町のどこにも行けます。

 

通信費はプリペードのシムカードを使うことで、電話をかけなければお金はかかりません。

 

大学や学生寮には無料のネットがあるので、好き存分使えますし、シムカードにデータ通信機能がなくても大きいな影響がありません。

 

 

 

 

どうやってフィンランドの大学に応募するの?

交換留学などや学位取得の場合はかなり異なりますので、確認していきましょう。

 

 

交換留学、訪問留学、サマースクール、オープンユニバーシティ

交換留学は在学している日本の大学の規定を確認してみましょう!

 

訪問留学(Visiting Student)についてはフィンランドの大学のウェブサイトから探してみましょう。

例えば、ヘルシンキ大学は「VIS­IT­ING STUD­IES (FREE MOVERS)」のウェブサイトページに詳細を描いています。学費は基本無料ですが、受け入れるかどうかは各学部が決めるとのことだそうです。

 

フィンランドで開校されるサマースクールやオープンユニバーシティも英語で関連キーワードで検索すると見つかるでしょう。

 

 

学位取得留学について

まずどの大学にどのような専門が開校されているかを確認します。

応募条件」「募集期間」「必要な書類」を確認します。

 

応募条件をクリアし、募集期間がまだ過ぎていないことを確認しておきましょう。

秋入学が主流で、募集期間は一般的に11月~1月です。学校によって2~5月募集のもあります。

また、応用科学大学には一部1月入学もあり、秋に募集します。

 

それで、応募に必要な書類や面接などの情報を確認し、それぞれの書類を用意していきましょう。

一般的には「言語能力を証明する書類」「志望動機書類」「履歴書」などが必要です。

 

 

 

 

例えば、筆者が在学していたユヴァスキュラ大学のビジネス系修士課程に応募するには「学歴証明書」「成績表」「履歴書」「言語能力を証明する書類」(英語など)などの書類を提出することが必要で、「書類選考」と「スカイプ面接」の2ステップで入学可否が決まります。

 

ちなみに、フィンランドの大学院に入るには英語レベルはTOEFL iBT 92点以上、IELTS6.5以上くらいが必要です。

学校によってTOEFLやIELTSなどの試験結果書類を使わず、「面接」で直接判断することもあります。筆者が入学したコンピューターサイエンス系の大学課程にはTOEFLやIELTSなどの英語テスト成績の提出が不要で、面接と英語の筆記試験で英語力が確認されます。

 

 

合格したら、何をやるべきなの?

合格通知が恐らくまずメールできて、その後書類の通知が郵送で来ます。

 

 

まずは学生寮を申し込もう!

合格通知が来たらまず学生寮に申し込むことです。筆者の場合は4月に合格通知が来ました。

 

時間が経てばたつほど学生寮の空き部屋がどんどん減っていきます

 

各都市に学生寮があります。

ヘルシンキにはヘルシンキエリアの大学が共用する「HOAS」学生寮管理会社があり、ユヴァスキュラにはユヴァスキュラエリアの大学が共用する「KOAS」学生寮管理会社があります。

 

 

また、大学によって自分が学生寮を持つ大学もあります。

例えば、アールト大学やユヴァスキュラ大学には自分の学生寮を持っています。

 

 

申し込んだら、オファーが来るのを待ちます。

オファーが来たら、メールでOKの返事をした上、保証金(日本でいう敷金)を日本にいる時にフィンランドの学生寮管理会社に海外送金します。

 

 

学校が始める直前になると学生寮がいっぱいになって外の賃貸を自分で探すことになってしまいます。通常の賃貸アパートは学生寮の2倍以上の値段がするし、光熱費もネットもついていないので、とても高くなります

 

 

 

 

次は航空券の手配と留学生保険の購入

急ぎではないですが、航空券は早いうちに買うと安い傾向があるし、留学生保険を買わないとフィンランドの学生ビザを申し込めないので、どっちみち早めに調査して購入しておいたほうがいいでしょう。

 

 

留学生保険を日本で買うと半年間分で10万円、1年間分で15~20万円などとても高額です。

筆者が購入したのはフィンランド移民局が指定した「ビザ申請に問題ない」保険会社の留学生用保険プランでした。

 

例えば、下記のプランがあります。(2018年11月現在のフィンランド移民局ウェブサイトによる情報)

 

だいぶ安くなりますが、それぞれの保険のカバーする内容と範囲も大きく異なるので、購入する前に詳しく確認してくださいね。

 

 

 

 

フィンランドの生活費をどう持って行くの?

まずは海外でも使用できるVISAやMASTERのクレジットカードもしくはデビットカードを用意しましょう。

現金は数百ユーロだけでいいでしょう。

 

 

フィンランドに到着し、銀行口座を作ったら、日本から家族などに送金してもらったらOKです。

もし数ヶ月のみの滞在でしたら、現金とクレジットカードだけで十分でしょう。

 

 

海外送金には「Transferwise」をお薦めします。

送金が2~3日でお金が届くし、レートは即時レートで為替損失がほとんどありません。且つ手数料が銀行の30%程度ですので、とてもお得ですよ!

 

 

筆者がフィンランドに来た当初はまだTransferwiseなどの海外送金サービスが存在せず、日本に家族もいないので、「小切手」で2年間分の生活費を全て持ってきました。

小切手があれば、フィンランドの銀行にお金を送ることができます。

 

また、小切手なくしても他人に取られるのを止めることができるので、現金よりも安全性が高いですね。

 

 

 

 

いかがでしょうか。

フィンランドの大学に留学することをある程度把握できたのでしょうか。

もし質問がございましたら、問い合わせフォームにてご連絡くださいね。

 

 

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お薦めの北欧スポンジワイプ

是非水回り、テーブル拭きなどにご活用頂きたいです。


ショップコンセプト

1.フィンランド 北欧というと?

フィンランドもしくは北欧というと「幸福度が高い」「社会福利が充実」「なんかみんな楽しく生活している」というイメージを持つのでしょうか。ただし、実際に見て感じてみると、合致する部分もそうではない部分も見えてきます。良いと思う部分をうまく取り入れ、そうではない部分も積極的に理解することが大切だと思います。そのため、キートスショップは「フィンランドもしくは北欧と日本の交流を促進し、人々により幸せな生活をして頂く」ことの実現を目指していきたいです。

2.雑貨と現地ツアーに通じて幸せを増やしたい

「フィンランドと日本の交流を促進し、人々により幸せな生活をして頂く」という目的を果たすため、キートスショップ現在は「フィンランド雑貨販売」と「ヘルシンキ現地ツアー」の2軸で事業を展開しております。フィンランドの雑貨が好きな方により良い製品、より早く、より良い価格でご提供し、フィンランド雑貨をお客様が手に取る際の喜びを想像しながら事業を運営しております。また、実際にフィンランド・ヘルシンキまで旅をされた方々にはフィンランド文化の核心価値を実際にご体験頂けるヘルシンキ現地ツアーをサービスとしてご提供しております。

「キートスショップで買ってよかった!」「キートスショップのツアーに参加してよかった!」というお客様の声を糧に、より良い商品を提供できるよう、より良いツアーを提供できるよう進めていきたいと思います。

3.運営に「誠実」と「感謝」

「フィンランドや北欧と日本の交流を促進し、人々により幸せな生活をして頂く」目標に目指しながら、キートスショップは感謝の気持ちをベースに「誠実に対応する」ことを運営の第一事項にしております。いかなることに関しても最大限誠実な対応を致しますので、ご意見・ご質問は随時お問い合わせください。遅くても24時間以内にご返答致します。お問合せフォーム、メール:ken@kiitos.shop

4.キートスショップの名前

Kiitos」はフィンランド語で「ありがとう」を意味する言葉。『フィンランドには優れたデザインや製品を提供してくださることに、日本の方々には外国の文化を理解して頂くことに感謝し、ショップ経営に取り組んで行きたい』そのような思いから、ショップ名を「キートスショップ」にしました。

キートスショップは、「フィンランドや北欧と日本の交流を促進し、人々により幸せな生活をして頂く」ことが実現されるよう努めてまいります。

キートスショップスタッフ一同より(フールバージョンはこちら