太極拳名人は、手のひらに小鳥をのせたまま、散歩できるという有名な話があります。
聴勁が優れているので、鳥が飛び立とうと足を踏ん張る瞬間に、ちょっと手を下げて、居着かせてしまうという理屈です。
私は、鳥で試したことはありませんが、犬と遊んでいて、おっ、もしかしてこれか!? という体験ができました。
体重20kgのちょっと大きめのワンちゃんと遊んでいたときのこと。
前足を上げて、わおっと飛びかかってくるのを、私が片手で受け止めました。私の右腕に、ワンコの両手が乗っている状態です。
ワンちゃんは、さらに私に飛びかかってきたいのですが、立ち上がろうとするたび、私がスッと手を下げるものだから、前足を放すことができません。
ああっ、離れない、わふっわふっ、キュイィィーン。と鳴き声を出すまで、弄んでやりました。
これはなかなか面白い現象です。誰でも簡単にできるのではないかなあ。
この感覚を太極拳にも応用すればいいのですね。
相手も太極拳の使い手なら、自分の体重は自分の足の上に乗せていて、敵に体重を預けるようなことはしないでしょうが、うまく誘導できればそんな状態を作れるんじゃないかと思います。
コメント