アリー スター誕生
【劇場公開日】
2018年12月21日
【解説】
歌の才能を見いだされた主人公がスターダムを駆け上がっていく姿を描き、1937年の「スタア誕生」を皮切りに、これまでも何度か映画化されてきた物語を、新たにブラッドリー・クーパー監督&レディー・ガガ主演で描く。音楽業界でスターになることを夢見ながらも、自分に自信がなく、周囲からは容姿も否定されるアリーは、小さなバーで細々と歌いながら日々を過ごしていた。そんな彼女はある日、世界的ロックスターのジャクソンに見いだされ、等身大の自分のままでショービジネスの世界に飛び込んでいくが……。世界的歌姫のガガが映画初主演でアリー役を熱演。もともとはクリント・イーストウッドが映画化する予定で進められていた企画で、「アメリカン・スナイパー」でイーストウッドとタッグを組んだクーパーが初監督作としてメガホンをとり、ジャクソン役でガガとともに主演も果たした。
【スタッフ】
監督:ブラッドリー・クーパー
製作:ビル・ガーバー、ジョン・ピータース、ブラッドリー・クーパー、トッド・フィリップス
【キャスト】
アリー:レディー・ガガ
ジャクソン・メイン:ブラッドリー・クーパー
ロレンツォ:アンドリュー・ダイス・クレイ
ジョージ・“ヌードルス”・ストーン:デイブ・チャペル
ボビー:サム・エリオット
【作品データ】
原題:A Star Is Born
製作年:2018年
製作国:アメリカ
配給:ワーナー・ブラザース映画
上映時間:136分
映倫区分:PG12
【受賞歴】
第76回 ゴールデングローブ賞(2019年)
以上、映画.comのサイトより引用した(引用元のページはこちら)。
年末に観た映画である。
それほど目新しい筋ではないとは思うし(そもそもリメイク映画とのこと)、途中から入ったので前半は観られなかったのだけれど、それでも久々に観る映画だからか、あるいは歳を取ったからか、涙もろくなって困った。
オペラと同じで、シンプルな悲話に良い音楽が付け加わると、もはや泣き所を突かれるようなものである。
この映画は、上の解説にあるように、アーティストたちの物語である。
アーティストというのは、私のような凡人から見ると、不思議な生き物である。
彼らは、芸術のために生きている。
それだけでなく、人生そのものが芸術のようにできている。
彼らは、常に自分の気持ちや本能に対し正直であり、純粋である。
自分の気持ちを偽ったり、折り合いを付けたりして生きることができない。
また、彼らは感情量がとてつもなく大きい。
その爆発は誰にも制御できない。
そんな彼らは、きっと生きていきにくい存在。
はたから見ると、日常生活が不安定で頼りない。
それでもいったん舞台に立つと、もう完璧。
英気に満ち溢れ、万人を沸かせる。
芸術以外のことは脆く危ういけれど、こと芸術においては言うことなし。
しかし、彼ら自身にとっては、その芸術こそが一番の問題。
周囲から見ると完璧であっても、本人にはとてもそう思えない。
さらなる高みを目指して日々苦悩することになる。
そして、芸術と愛情とは、えてしてうまく噛み合わない。
また、芸術と名声とも、しばしばうまく折り合わない。
これらのずれは、苦悩に拍車をかけることとなる。
こうして、彼らの人生は贄となり、それらを糧にして芸術は花開くのである。
そんな、アーティストたちの人生の哀しみ。
また、それとは対極にいる私の、アーティストたちへの敬愛と憧憬の念、そしてほんの少しの切なさ。
これらこそが、私がこの映画に心動かされた所以である。
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