(藤田真央の演奏動画 シューマン 眠っている子供 ショパン 新しいエチュード第2番) | 音と言葉と音楽家  ~クラシック音楽コンサート鑑賞記 in 関西~

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クラシック音楽の鑑賞日記や雑記です。
“たまにしか書かないけど日記”というタイトルでしたが、最近毎日のように書いているので変更しました。
敬愛する音楽評論家ロベルト・シューマン、ヴィルヘルム・フルトヴェングラー、吉田秀和の著作や翻訳に因んで名付けています。

今回は演奏会の感想でなく、別の話題を。

好きなピアニスト、藤田真央のツイッターに、彼が自宅で弾く演奏動画がアップされた。

動画はこちら。

 

 

 

 

 

 

曲目は、上側がシューマンの「眠っている子供」、下側がショパンの「3つの新しいエチュード」第2番 変イ長調。

自宅での録音ということで、音質もピアノの状態も最上とは言えないけれど、くつろいだ様子が伝わってくるのが良い。

 

 

特にショパンの新エチュード第2番は、ショパンのエチュード全27曲の中でも一番好き、といったら言い過ぎかもしれないけれど、それくらい好きな曲。

和音連打と倚音がひたすら連続するシンプルな書法でありながら、かくも繊細に感情の襞を表現できるか、とショパンの手腕に感嘆するほかない隠れた名曲である。

優しい曲調が藤田真央にぴったり。

 

 

彼の弾くこの曲の個人的な「萌えポイント」は、中間部から再現部へと流れ込むところ。

動画でいうと、1:00~1:20あたり。

ここで彼は、(この曲において私の好きな演奏家である)コルトーやロルティといった大家でさえしていないような、濃厚な表現をする。

ここの絶妙なタメの取り方、ふっとテンポを落とすその仕方、左右の手のわずかなずらし方、そして低音部の活かし方。

濃厚なのにいやらしさのない、ロマン的な感性の優しい飛翔である。

冒頭ではここまでやらず、もっとさらりと弾いて、再現部で初めてここまでやる、というのがまたニクい。

天性のセンスなのだろう。

 

 

彼をはじめ、たくさんの音楽家たちが最近こうしたプライベートな演奏動画をアップし、新型コロナウイルスの影響でコンサートを聴けない私たち音楽ファンを元気づけてくれている。

ありがたい限りである。

 

 


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