世にも奇妙な物語 2020 秋の特別篇 11/14放送 | 私の備忘録(映画・TV・小説等のレビュー)

私の備忘録(映画・TV・小説等のレビュー)

日々接した情報の保管場所として・・・・基本ネタバレです(陳謝)

番組紹介

 

半年に一回のペースで放送されているが、ここ一年ご無沙汰していた(直近はコチラ
 

全体感想
予算の面からか、SF的なものはなく、日常生活の風景がメイン。
昔「ホォ♪」と膝を叩いたような「イキ」なものはなくなったなぁ。

予告映像

 


第一話「コインランドリー」
原作 鈴木祐斗「ロッカールーム」 
脚本 遠山絵梨香
演出 松本創
キャスト
橋本学  濱田学
近藤亜美 岡崎紗絵
清掃員  コロッケ

あらすじ
コインランドリーで洗濯をする男。

脱水しようとするが動かず隣りの機械で対応。
「ビール飲みてェ」と呟くと、動かなかった機械からビールが出て来た。
そこに清掃員が来て、それにお願いすると何でも欲しいものが出て来ると言った。ビール飲むと本物。
そこへ女の子が洗濯に来る。泣き出したので理由を聞くと、就職試験がうまく行かず40社に落ちているという。

自身が派遣切りに遭っているのに彼女を励ます男。

 

嬉しくなって自分を近藤と名乗る娘。男も橋本だと名乗った。
母親からの電話で父親の入院を知り、翌日機械に頼んで金を出す橋本。そこに娘が来て、二次面接に合格したと報告。

昨日のビールの空き缶が消えて、出したものが一日後に消えることを知る橋本は、当日中に金を振り込んだ。
機械からスーツ一式を出して面接に臨むが、ことごとく不合格。
ヤケになって、機械から女性を出してデートを重ねる橋本。

金は機械からいくらでも出るため、プレゼントしまくる。

だが翌日に女性は居なくなった。
ある日、露出度高めで積極的なタイプの女性を出してイチャつく橋本を見つけて心配する娘・近藤亜美。
橋本に忠告するが、外に逃げる橋本。そこに例の清掃員が来て、あれから人間を出してはいけないと言った。

一日で消えることだと承知している橋本は聞き流した。
亜美はグラマーな女に、橋本につきまとうなと言うが、無視して外に出る女。亜美があの機械の前で「橋本さん、戻って来てー」と叫んだ。
 

ランドリーの機械の中で目覚める橋本。外に出るとTVで、モノを買った金が一日で消える事件が報道されていた。
「俺も一日で・・・」

感想
コインランドリーという、ごく日常的な風景に現れる特異現象。

これを繰り返すうちに何か悪い事が起きるんだろうな、とは思っていた。ちょっとインパクト的には地味だったか。


第二話「タテモトマサコ」
原案 荒木哉仁
脚本 山岡潤平
演出 小林義則
キャスト
館本雅子 大竹しのぶ
志倉楓  成海璃子
笠原紗英 森高愛
飯田部長 小松和重
近藤雅也 佐伯大地
坂本奈保 浦まゆ

あらすじ
同僚の近藤雅也からのプロポーズを受ける志倉楓。

だがその翌日、近藤が会社で飛び降り自殺した。
近藤は自殺じゃないと部長に訴える楓。後輩の笠原紗英から、昨日近藤と女子社員の館本雅子がモメているみたいだったと教えられる楓。雅子は半年前に中途採用で入って来た。
雅子を待ち伏せ、何か知っているなら教えて下さいと迫る楓。
だが翌日、その事をすっかり忘れている楓は、紗英からそれを言われてひどい頭痛になり、鼻血を出す。
最後に会った時、近藤も鼻血を出していた。
そして紗英が近藤のロッカーから「タテモトマサコに殺される」というメモを持って来た。
それを持って再び雅子の所へ行くが、何も話さない雅子。

だが問い詰められて何か話そうとする。
翌日再び紗英保と会う楓だが、昨日のメモの事をすっかり忘れていた。紗英に言われて思い出そうとすると再び頭痛と鼻血。

昨日の雅子と楓のトラブルを見ていた筈の課員は、何も覚えておらず、皆が鼻血を出している。
総務の坂本奈保に頼んで雅子の履歴書を手に入れる楓。

奈保の情報では、雅子が前いた会社で何人か不審死している。
部長に、家に帰れと命令される楓。その前に紗英から呼び出されていたので会議室に行くが、その事を紗英は覚えておらず、突然会議室から楓を追い出して施錠した。様子がおかしいので皆を呼んで開けるが、彼女はドアにロープを掛けて首吊り状態で死んでいた。
紗英のスマホの音声データに「タテモトマサコに記憶を消される」という奈保の声が入っていた。

雅子から屋上に呼び出される楓。
どこまでご存知ですか?と聞く雅子。人の記憶を消せる・・・と言うと、必要条件であって十分条件ではない、と呟く雅子。
数学の教師にビンタされて「死ね」と言ったら死んじゃいました・・・
他にも、思ったことを口に出すとその通りになった。

言霊(ことだま)。言葉には霊が宿っている。
あなたは私の事を思い出した。近藤君の声が聞こえた、と楓。


私は平穏に生きたいだけだったけど、近藤に気付かれた。
「タテモトマサコのことは忘れなさい。そしてどこか遠くへ行きなさい」「・・・ハイ」

翌日部長に退職届を出す楓。それを見送る雅子。
だがその後、全社員にメールで音声データが発信された。

それは雅子と楓が例の秘密について話していた会話。

雅子が今までやって来た悪事が暴露される。

楓は記憶を消される事を予測して、自分の行動を手にメモしてあった。
社内を走り回ってそれを聞かないよう訴える雅子だが、会話の最後が近づく。
「タテモトマサコのことは忘れなさい」

その言葉で動きを止める雅子。
「わたしは、だれ?」

感想
自分に与えられた能力で自分を滅ぼすというオチ。

ちょっと話がゴチャゴチャして分かりづらかった。
もう少しダークサイドに振っても良かったか。


第三話「イマジナリーフレンド」
脚本 荒木哉仁
演出 植田泰史
キャスト
原田早希  広瀬すず
原田友里恵 堀内敬子
二見健吾  岐洲匠
山岸佳織  横田真悠
七瀬和泉  夏子
ナンパ男  髙野光希
ユキ(声) 加藤英美里

あらすじ
大学の心理学講座を受ける原田早希。子供の頃に現れる擬人化した存在を「イマジナリーフレンド」という。早希自身にも幼い頃、ぬいぐるみのウサギをユキちゃんと言って友達として付き合って来た。
大学の食堂でパシリをさせられている山岸佳織を見かけるが、知らない振りをする早希。
そんな頃からユキが時々現れるようになった。
教授にそれとなく聞くと、イマジナリーフレンドは大人になっても出ることがあり、ストレスへの防衛反応の時もあると説明された。

攻撃的なものは危険、とも。
ユキが佳織の事を気にかける。幼なじみなだけ、と言う早希に

「大人でもあんなイジワル、メタメタにしてやる」と過激なユキ。

キャラ変わったね、と早希。

構内でナンパ男に因縁をつけられて困っている早希。

それを助けてくれたのが二見。
図書館での調べもので親しくなり、デートに誘われる。

その日は彼女の誕生日で、ケーキをプレゼントされて感激する早希。
家に戻るとユキが怒っていた。あんな男やめろよ、と言うユキに腹を立て、もういなくなって!と言ってしまった早希。翌日から鉢植えが上から落ちて来たり、人形の首がバッグに入っていたり。
その事を二見に相談する早希。俺が守る、と約束する二見。
その後佳織が会いに来た。

二見が早希の家へ訪ねて来る。付き合う話の返事を聞かせて。
そこで佳織から聞いた話を始める早希。最初ナンパ男から助けたのは二見の手口。彼らは友人同士。助けるフリして服従させる・・・・
全部仕組んでいた。帰って!と言う早希の腹を殴る二見。

おとなしくしていれば怪我させない。


迫る二見の頭に何かがぶつかる。二見を何とかかわす早希。

だがなおも迫られる。
そこにフライパンが落ちて来た。

ユキがゼスチャーで指示して、二見を殴り倒す早希。
警察に連行されて行った二見。
昔の写真を見ている時に、幼い早希と並んでウサギのぬいぐるみを抱いている少女を見つけた早希。
母親は、早希の姉の友希だと言った。友希が四歳の時に熱を出したが、仕事で疲れていて眠ってしまった。朝には冷たくなっていた。
外に走り出てユキを探す早希。出て来たユキは、もう一緒にはいられないと言った。本当に大切なものは目に見えない--一番好きだった「星の王子さま」のことば。
ずっとそばにいるよ。今までも、これからも・・・

と言って消えて行ったユキ。

翌日、学食でまたいじめを食っている佳織の相手に「あんまりナメ過ぎると、ギタギタにして東京湾に沈めるよ」とタンカを切る早希。呆れて去って行く相手。
驚く佳織に 「大丈夫じゃないかも。でもいいや、佳織もいるし」

感想
今回の中では最もヒューマンな印象。秘密にされていた姉の死と、自分の支えになっていたウサギのヌイグルミ。
ただこれも、インパクト的には弱すぎる。二見を懲らしめるなら、もっと過激な怪獣に変身した方が良かったのでは?


第四話「アップデート家族」
原作 チョモランマ服部「アップデート家族」
脚本 向田邦彦
演出 北坊信一
キャスト
黒崎睦夫 高橋克実
黒崎夏美 吉川愛

あらすじ
黒崎家の朝食風景。三世代同居だが財政面で厳しく、妻からも厳しく扱われる夫の睦夫。長男はパンク狂い。娘の夏海からは無視される。
そんな時「ファミリーアップデーター」という新製品を知った睦夫は、これに飛びついた。
帰宅してそのことを知る夏海。睦夫は家族をアップデートして効率化を図ると言った。Ver1.02
妻は5人おり、機能別に作業が特化されている。

長男は次男と合体して「アニョート」。姉と妹も合体して「アネーモ」。

犬のコロンは映像化してビデオに入った。


次のアップデートを宣言する睦夫。Ver1.03
そして祖父母はそれぞれBとGという文字の置き物となっていた。Bのすき間から夏海への小遣いの千円札を出す祖母。トランスフォーニズムだ、生きてる、と感動する睦夫。
怒り狂った夏海は「取り消せー!」と叫んでゲートボールのスティックを振り回す。その勢いで座卓の角に頭をぶつけて動かなくなる睦夫。
アップデーターから「次のアップデートがあります」

翌日学校から戻る夏海。出迎えた父はアップデートされた金髪イケメン。夏海自身もアニメキャラにアップデート。
こうして私たちは理想の家族を手に入れた。

感想
これはひどい。

何のヒネリもなく、ただ「アップデート」の字句だけに頼った。
このお題なら、もっと考えようがあったろうに・・・