「うんうん、やっぱピザは美味しいな~(*'ω'*)」
昨日の晩ご飯は、僕の大好きなポテトとマヨネーズのピザ。残りは仕事しながら食べようと思い、自分の部屋に持って行くことにしました。これなら片手でつまめるしね。
「机に向かったまま、寝るのはナシだよ」
横でスライムのダヌモ君が何か言っていますが、知らん顔。そんな、食べながら寝るとかしないから大丈夫だよ~。気にしすぎ、気にすぎ!
「ご主人・・・ご主人ったら!」
あれ、何だか空が明るい。気づいたら机に向かったままウトウトして、朝になってしまったようです。どうしよう?頼まれていた記事は書きかけだけど、そろそろ家を出て日替わり討伐に行く時間だし。急がないとだな~。
慌てて支度をすると、
「行ってきま~す」
一声だけかけて、僕はモンスターたちと一緒に家を出ました。
「きゃあああ~~~っ!」
日替わり討伐が終わって家に入ろうとしたら、なぜかコンシェルジュのノフルさんの悲鳴と、何かを追いかけまわしているようなドスンバタンという物凄い音が!!
「・・・ご主人。また机に向かったまま寝てたでしょ」
「うん(-_-;)」
「ピザ、ちゃんと片付けた?」
「えーとフタはしたはずだけど・・・ずれていたのかな?」
「むしろ何もかぶせないで家を出なかった?」
そうだっけ、そうだっけ??どうしよう、慌てていたからあまり覚えていないよ(;・∀・)
「今、家に入ったらたぶん会えると思うよ。ご主人の大好きなアレに」
「いやいやいやっ!大嫌いだからカンベンしてください」
「首を長くして待っているんじゃないかな?真っ黒なタキシードを着て、【おかえりなさいませ】ってお迎えしてくれると思うよ」
その前に、ノフルさんが叩いてどうにかしちゃうと思うけどね。というかもう、本当にまじでカンベン。あの虫に会わないといけないんだったら、会わないといけないんだったら・・・・・!
「チーズ系は怖いからねえ。最近どんどん暑くなってきているし、匂いを放つものがあれば、やっぱり寄ってくるよ?言っちゃえば、ご主人が呼んだようなものだと思うけどなあ」
さて、怖いので僕は逃亡することにしました。どこに行こうかな?宿屋も最近、たっかいし・・・・。
キラーパンサーの背中に乗って、スタコラサッサ♪
着いたのは、メギストリス領にある少し大きめの公園。
「あ、ちょうど良いところにベッドになりそうな岩がある。今夜はここで休ませてもらおう」
カバンを枕の代わりにして、岩に乗っかるとゴロンと仰向けになりました。うーん、下が硬いから寝付けないなあ。それにだんだん気温が下がってきているみたいで、寒くなってきた。タオルケットだけでも良いから、何か持ってきたら良かったかも。
しかもしかも・・・もう夜中の12時半だか1時だかとっくに回っているのに、少し離れたベンチでずっと喋っているエルフのカップルがうるさくって眠れやしないヽ(`Д´)ノプンプン
「ええ~~、うっそお~~」
「なんでえ?なんでえ?」
「やだあ~~。あっはっはっはっは!」
いちゃつくんだったらヨソに行け~~い!!!!夜中に公共の場で騒ぐんじゃない。特に女の方、声が高いから響いてしょうがないんだよ(# ゚Д゚)
えっ?スムラ君は独り身だから、リア充がうらやましいだけだろって?そんなことありませんよ。
そんな風にイライライライライライラしていたら、
「こりゃ、お前さんがた。今はもうそんな時間ではないぞ」
パクレ警部が現れて、2人はいなくなりました。やっと静かになったので、少しだけ安心(^^♪
近所から「うるさい」って苦情でもあったのかな?
何とはなしに目を開けると、一面に空が広がって雲が静かに流れていくのが見えました。
「ああ、空がきれいだな。何だか包まれているみたい」
風も気持ちいいし、たまには気が向いた時に寝袋を持参して野宿するのも良いかもね。本当はテントなんかがあった方が良いんだろうけど、空の様子が見えないからな。そんな風に目を開けたり閉じたりしながらじ~~っとしていて、全く寝付けないまま夜が明けました。
仰向けになっていたせいか、眠れなかったけれどそこまで疲労感や眠気がありません。割とスッキリしているかな?
「ただいま~」
ドアを開けると、掃除を終えたらしいノフルさんが料理の本を読んでいました。
「おかえりなさい、スムラさん」
いつもと変わらない様子に、何となく安心感を覚える僕。
「昨夜は泊まりだったんですね。食事はお済みでしょうか?」
そういえば、昨日の夜から何も食べていないなあ。でも、その前にお風呂に入りたいような気がする。
「ご飯は後でいいかな。先にお風呂に入ってくるよ」
そういえば、あのピザどうなったかな?と思って自分の部屋に戻ると、もはや跡形もなく片付けられていました。もしかして、ダメになっていたか何かで捨てられた?それとも・・・・誰かに食べられちゃったのかな??
「食べた人がいたら、誰なんだろうね?ご主人が呼んだあの黒いやつじゃない?」
「いやいやいやいや、まじカンベン!もうアイツらのこと、思い出させないでおくれよ( ノД`)シクシク…」
ダヌモの意地悪な言葉に、僕は頭を抱え込んだのでした。