ヒューストンにきて、早二か月。もちろん引っ越しのもろもろも学校も落ち着き、現在進行形でも暇を持て余している優雅な駐妻の私です。
その私が、有り余る時間を一体何に費やしていたかと言うと、
ズバリ、
ラテンアメリカ経済のお勉強
であります!
一応、大学時代はLatin American Studiesという授業があり、
ラテンアメリカの政治経済、そして歴史なんぞはそれなりに勉強したつもりでした。
ラテンアメリカ諸国で生まれては消えていった独裁者の名前や、アメリカが自らの利益のために、
いかに自国に都合のよい人物を支援し、ラテンアメリカ諸国を搾取してきたか、、
が、人生におけるその他多くの勉強と同じく、
テストが終われば記憶の彼方です。
この一か月で、
大学でこれらの授業を取った約1年間の何倍も、
ラテンアメリカの闇
的なものの理解が進んだように思います。
ええ、どうやって勉強したかと、
こちらです↓
思わず目を覆ってしまう暴力シーンと、
思わず目を見開いてしまう性的シーンのオンパレードですので、
子どもとみるのはおやめください。
(たしかR-17指定)
南米コロンビアの伝説の麻薬王 Pablo Escobal を巡り、
アメリカの麻薬取締官(Drug Enforcement Agent)とコロンビアの警察が麻薬組織の壊滅を目指しますが。。
というお話。
Pablo Escobalもアメリカの麻薬取締官も実在の人物で、このドラマの監修に関わっているのだとか。
実話がベースなので、実際の当時の映像もふんだんに使用されており、
単なる麻薬組織の抗争を描いたドンパチドラマとは一線を画していると思います。
ドラマの過程でコロンビア政治の腐敗、アメリカの自国の利益優先主義、貧困の問題、等々、いろいろなテーマが炙り出されます。
そして、もちろん「麻薬」だとか「麻薬組織」なるものは「悪」に決まっているのでしょうが、
本当の「悪い奴」は誰なんだろう、そんなことを考えさせるドラマです。
シーズン2までがPablo Escobalに関するもので、シーズン3がその後のPablo Escobal亡き後のコロンビアの別の麻薬組織を描いたものです。
1シーズン10話だったと思うので、結局全部見てしまった私はこのドラマに30時間もの時間を費やしたのか、、
と思うと、ちょっと夫には秘密にしておきたいところですが、
私のようにお時間のある方はぜひ見てみてください。
最近、ときどきヤフーニュースでもメキシコの「麻薬戦争」が取り上げられることがありますが、
このドラマを見るとそのイメージがよくわかります。
どうしてメキシコ政府が未だに手をこまねいているのかも、これからも解決はしないであろうことも。
平和な日本からは想像もできないのですが、
一つの地域が完全に麻薬組織の支配下にある状態。
警察の動きは普通の街の人や子ども達によって麻薬組織に通報される、
警察自体もほとんどが買収され、逮捕しようにも警察内部の動きはすべて麻薬組織に筒抜け。
気概のある警察官は殺害され、麻薬組織との癒着に立ち向かおうとする政治家は暗殺。
買収されるか殺されるかしか選択肢がない、そんな息苦しさが伝わってきます。
麻薬取引で得た利益は国の経済規模を超え、いよいよ国が逮捕しようとしたときには、
「国の債務をすべて払うから」
なんて交渉ができるくらいの富。
それでも、麻薬組織と徹底抗戦を唱える大統領が誕生し、組織を追い込もうとすれば、
警官が一斉に大量に殺害されたり、テロが発生したり。
正に戦争です。
どこまで警察を、兵士を、一般市民を犠牲にしてまで組織を潰さなければならないのか。。
(パブロエスコバル関連で犠牲になった警官や市民は何千とも言われます)
真正面から綺麗な手を使っていては永遠にパブロの麻薬組織を潰せないと考えたアメリカの麻薬捜査官は、
他の麻薬組織との抗争を利用してパブロを追い詰めようとする、、といった感じでドラマが展開していきます。
そしてこのパブロさん、一部の利益を貧者にばらまき、教会や学校を建てたりもしているんですよね。
そして、自らは政治家になって大統領を目指してやる、と。
政治家を志してから彼の運命が暗転していくのですが。
だから彼は未だに一部の人たちにとってはヒーローであり聖人であり、いまだに彼をもとにしたドラマや映画がたくさん作られているようです。
日本人からすると、
警察がみんな買収されているとか、市井の人々までが組織を支持して加担しているとか、
信じられないような話ではあるのですが、
彼らのおかれた環境を考えると納得もできるのです。
このドラマを見ながら読み進めた本がこちらです↓
ぼーっと30時間もテレビを見ていただけではない、
一応、お勉強らしきこともしたのだ、という
誰に向けているのかわからないどうでもよいアピールです。
例によってとても長くなってしまったので、今日はこの辺までにして、
今後もう少し、このドラマとこの本から学んだ洞察を書き残しておこうと思います。
ちなみに、シーズン3からは
私のいちおしキャラクター、麻薬捜査官のペニャさんが主人公になります。
なんだか短いので英語版を
シーズン3はパブロ亡きあとに麻薬ビジネスをわが物にしたCali カルテルがメインで、
これはパブロなんかよりももっと悪徳感があります。
パブロが死んでもちっとも消えない、より深くなった闇を覗く気分です。
でも、シーズン2までのパブロがいるものの方が人情味?があってドラマとしては面白い気はします。
全体的にもう少し残虐な暴力シーンが少なければ私としては見やすいのですが、
まあ臨場感をだして劇場的にするにはしょうがないのかな。
ではまた。
なんて、この続編に興味がある人はいないかもしれませんが。。